「学校の意味って何だろう?」長男を不登校から救った連携プレー

ライター:みくたくママ

 「もう疲れた。明日から学校絶対行かない。もう行けない。」
 長男が学校から帰ったとたんにそう言って泣き崩れたのが、2年前。小3の三学期でした。
 その長男が、今もがんばって登校を続けているのは、
「在籍学校」「通級学級」「市の教育相談」が連携しての、長男に寄り添った支援のおかげでした。

長男が学校に行けなくなった理由とは

1年1学期から学校に慣れなかった長男

長男は、小学校入学直前に「ADHD疑い」の診断を受け、病院でのOTや心理療法が始まりました。

就学相談では「通常級で大丈夫でしょう」ということで、そのまま地元の小学校へ。

本人も楽しみにしていた小学校でしたが…5月ごろから、学校から帰ってくるなり大泣きする毎日。

先生の指示や集団での活動に必死についていかなくてはならない緊張疲れ、そして勉強や運動で思うようにいかない焦りがあったようです。

音読やひらがなの書き取りといった宿題も「頭が痛い、疲れた!」と言って大泣きしながらやっている姿を見て、これは学習にもついていけていないのでは…と心配になり、もう一度市の就学相談に連絡、相談をすることにしました。

今回は、そんな長男を救った「在籍学校」「通級学級」「市の教育相談」の連携のお話です。
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学習障害(LD)とは?症状や特徴、診断方法について/専門家監修

通級学級に通うように

その後、息子は2学期から通級学級に通うことになりました。

その通級学級は「ここに通うみんなは、がんばりやのエリートなんだよ!」と自己肯定感を与えてくれ、1人ひとりに寄り添った指導・支援をしてくれる先生方ばかり。

長男も「ここでならがんばれるよ!」と少しずつ自信を取り戻していきました。

その後、在籍級の先生とも相談をしながら宿題の量を半分にするなどの支援を受け、元々真面目で頑張り屋の長男は、休まず学校に通い続けました。

「成長したね、がんばってるね」と担任の先生からも通級の先生からも言われるようになった、小3の3学期も残り少ないある日。

彼のガマンの糸がついに切れてしまったのでした。

パニックを起こしたように泣きじゃくる長男を見て、これは無理に行かせるべきではないと判断。

「お休みする代わりに通級学級の先生に会いに行って、どうして疲れちゃったか話を聞いてもらおうね。」とアポをとって息子を連れて行くことにしました。

学校に行けなくなった理由を整理

そこでの本人の話、そして午後は母親の私だけで担任の先生と面談をした結果、次のようなことが見えてきました。

・国語、算数の授業について行けない、特に算数では、ボーっとしていたり泣き出したりすることがある

・友だちのからかいを真に受けて、泣いたり落ち込んだりしている。いやがらせをする子もいる

・担任の指示が感情的だったり遠まわしだったりすることがあり、それについて行けていない

・以上のことでストレスをためていても、学校で誰かに伝えたり発散したりできずに我慢してしまう
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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11015083155
学校に行けなくなったきっかけも、

「担任に給食当番の白衣の着方を注意された際に『そんなだらしないなら当番しなくていい!』と言われ、言われたとおりに白衣を脱いで座っていたら叱られた

ということがあったからだそう。

今までがんばっていた糸が、それで切れてしまったのでしょう。

5日ほど学校を休み、午前授業となった数日は何とか登校して、春休みになりました。

その間、通級の先生、在籍校の副校長先生・担任と面談を行い、勧められて市の教育相談を受けることになったのでした。

市と学校の連携プレーのおかげで

教育相談からのアドバイス

学校にすすめられて行った教育相談では、臨床心理士の先生がとても親身に話を聞いてくださり、長男の困っていることについて適切なアドバイスをいただきました。

例えば、

・自分の感情を自覚し、泣いたりパニックになったりする前に誰かに伝えてクールダウンできることを目指す

長男と家庭の取組み→「聞いてください」カードを作り先生に見せられるようにする

学校の取り組み→クールダウンできる場所の用意
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・指示は短く、端的に。活動の前に、どんなことをするのか見通しを持たせる。視覚的指示の活用。

長男と家庭の取り組み→どうやったら無理なくできるか家で話し合う

学校の取組み→テストや特別な活動などは前もって保護者へ連絡しておく、漢字テストは「読み」にしてもらう、計算は電卓の使用を許可するなど

以上の内容を在籍校にも直接伝えてくれたことが、何より心強かったです。

在籍校・通級学級との話し合い

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長男が小4になったタイミングで担任の先生と校長先生が代わりました。

新しい担任の先生とは連絡帳でのやりとり、そして私がPTA役員でちょくちょく学校に顔を出した際にお話をさせていただくなどしていました。

そこで「宿題を泣くほどいやがるのですが…」と恐る恐る言ったところ、「みんなと同じ内容じゃなくても、○くんなりのできることをがんばればいいんですよ!」と明るい答えを頂きました。

そこで、長男が取り組める学習の一例として

・新出漢字の読みを単語カードで練習する 

・タブレット学習  

・2~3問の算数問題

を、連絡帳を兼ねた1冊のノートで報告する形にしました。

これを後押ししてくれていたのが、通級の先生です。

彼の学力や彼に必要な支援について、担任の先生に折にふれて連絡をしてくれていたそうです。

在籍校での面談にも参加してくれました。

胸に響いた校長先生の言葉

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11015075462
新しい校長先生は、特別支援についてとても理解の深い方でした。

私が学校公開の際に思い切って校長室のドアをたたき、長男の抱える困り感について相談をさせていただいたところ、すぐに担任・校長先生との面談を設けてくださいました。(担任の先生には了解を取っていました)
 
算数では基礎クラスでもついていけずにしんどそうだ、という話を聞いた校長先生は、

「校長室で彼に合ったプリントでも用意して、個別学習すればいいよ。私がいるときは見てあげるし、いないときは職員室の誰かに声をかけるから」

と言ってくださったのです。

この個別学習の時間ができたことによって、彼が今必要な小1.2年レベルの基礎学習をじっくりと積み重ねる時間ができたのでした。

3回目の面談で校長先生がおっしゃった言葉を、私は今も忘れません。

「彼は、とても一生懸命だよ。そして、とても豊かな発想力と、人へのやさしさを持っている。

そんな彼が、学校の勉強ではつらい思いをしているのを見てるとね。我々学校の意味ってなんだろう、って思うんだよ。彼の良いところだけはつぶしたくないよね、守っていきたいよね。」

このような先生方の支えがあるからこそ、長男は学校に通い続けることができているのでしょう。

学校と一緒に子どもを支える体制を

在籍校の担任・校長、通級学級、教育相談、それぞれの立場を活かしながら連携して長男を支えてくれたことで、不登校にならず学校に通い続けることができました。

もうひとつの連携の一端、それは私たち「保護者」です。
 
相談やお願いをする際は、こちらの言い分だけで終えてしまう事は控え、感謝の言葉も伝えるようにしました。

学校のスケジュールを考慮し、面談や支援をお願いしました。

そして、宿題や個別学習のプリントは、先生たちと相談をしながら家で用意をしました。
 
学校に任せきりではなく、責任を追及するのでもなく「共に協力して子どもを支えていきます」という姿勢が、先生方に伝わったことを実感しています。
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