「どっちも悪いんだからもう謝らないで」息子に慰められた日のこと
ライター:鈴木希望
アスペルガーだけでなく、ADD(注意欠如障害)も持ち合わせている息子と私。今でこそ特性についての対策を講じ、また、失敗を笑い飛ばせるようになりました。でも診断をされたばかりのころはなかなかそうはいかず、必要以上に慌てたり、イライラしてしまうこともあったのです……。
「ペンケースはどこ?」置き場を忘れるADD母子。
私たち親子は、共に自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群)及びADD(注意欠如障害)です。
物をどこにしまったのか忘れるなんて、2人にとっては日常茶飯事。
そんな私たちのとある日をご紹介します。
「あれ?ペンケースはどこだ?」
2年前の私といえば、発達障害の診断を受けて間もないころでした。
その日は某企業の説明会と筆記試験の日。
息子を保育園に送り届けてバスに乗れば、問題なく間に合う!などと考えて時計をチラチラ見ながら、持ち物である筆記用具=ペンケースを探していました。
「ないなあペンケース。どこに置いたんだっけ?」
「昨日ハルがおえかきするとき、ペン借りたよ」
私のひとりごとに返答する、当時4歳の息子。
「え、ハル用のペンあるのになんで私の?って、今はいいや。どこ置いた?」
「わかんない」
物をどこにしまったのか忘れるなんて、2人にとっては日常茶飯事。
そんな私たちのとある日をご紹介します。
「あれ?ペンケースはどこだ?」
2年前の私といえば、発達障害の診断を受けて間もないころでした。
その日は某企業の説明会と筆記試験の日。
息子を保育園に送り届けてバスに乗れば、問題なく間に合う!などと考えて時計をチラチラ見ながら、持ち物である筆記用具=ペンケースを探していました。
「ないなあペンケース。どこに置いたんだっけ?」
「昨日ハルがおえかきするとき、ペン借りたよ」
私のひとりごとに返答する、当時4歳の息子。
「え、ハル用のペンあるのになんで私の?って、今はいいや。どこ置いた?」
「わかんない」
凸凹を楽しもう!親子で注意欠如な私たちの生活の工夫とは?
探し物をしていたはずが、いつの間にか口論に!
ここで私は自分が忘れっぽいことを棚に上げ、息子に対してカチンときてしまいました。
しかしイラついている場合ではありません。平静を装ってお願いをしました。
「私ね、今日あれが必要なんだよ。一緒に探してくれる?」
それからふたりで探すものの、一向に見つかりません。
すると息子が「こんなゴミ屋敷みたいな部屋じゃ、なくなってもおかしくないよね!」とつぶやきました。
覚えたての言葉を使ってみたかったのでしょう。
わかります。
とはいえ、部屋をゴミ屋敷の様相にしているのは、本やおもちゃを引っ張り出してきて片付けていない息子自身。
カチンを通り越してプチンときてしまいました。
「散らかってんの、オメーの本やらおもちゃばっかだろがー!!!!! 片付けれって毎度言ってんろがー!!!!!!!!!!」
思わず新潟弁で怒鳴ってしまった私。
ハルとて私の息子、そこで萎縮するタマではありません。
「ハルだって頑張ってんだわやー!!!!! 今言わねで、昨日のうちに言うてくれやー!!!!!!!!!!」
新潟弁で応戦してきました。
そこからしばし醜い争いをする母子。
しかしイラついている場合ではありません。平静を装ってお願いをしました。
「私ね、今日あれが必要なんだよ。一緒に探してくれる?」
それからふたりで探すものの、一向に見つかりません。
すると息子が「こんなゴミ屋敷みたいな部屋じゃ、なくなってもおかしくないよね!」とつぶやきました。
覚えたての言葉を使ってみたかったのでしょう。
わかります。
とはいえ、部屋をゴミ屋敷の様相にしているのは、本やおもちゃを引っ張り出してきて片付けていない息子自身。
カチンを通り越してプチンときてしまいました。
「散らかってんの、オメーの本やらおもちゃばっかだろがー!!!!! 片付けれって毎度言ってんろがー!!!!!!!!!!」
思わず新潟弁で怒鳴ってしまった私。
ハルとて私の息子、そこで萎縮するタマではありません。
「ハルだって頑張ってんだわやー!!!!! 今言わねで、昨日のうちに言うてくれやー!!!!!!!!!!」
新潟弁で応戦してきました。
そこからしばし醜い争いをする母子。
「もう謝らないで」息子に慰められる私
しばらくするとだんだん冷静になってきて気付くのです、いつもなら「んなこと言うなやー」と笑って流している息子の言葉に対し、急いでいているからって過剰反応する自分のみっともなさに。
そして、軽口を叩くことでピリピリしたわたしの気持ちを和ませようとしてくれた息子の心遣いに。
「ハル、イライラしてごめんね…」
「ハルものんに嫌なこと言ったみたいだから、ごめんね。ペン借りたの、ハルなのにね」
「いや、ペンなんて別の持っていけばいいんだし…」
「じゃあどっちも悪いんだから、もう謝らないで」
こんなことを4歳の子に言わせてしまう39歳の母親って、どうなんだろう…。
そんな気持ちもじわじわと湧いてきて、目頭は熱くなる一方。
「ハル…ハルー!!!」
「大丈夫だよ。ハル、のんのことが大好きだよ!」
「ハル~~~!!!!!!!!!!」
息子に頭を撫でてもらいながら、私は号泣。
筆記用具は途中のコンビニで買うことにして、探し物は終了。
息子を保育園に送り届け、私は企業説明会へと向かいました。
そして、軽口を叩くことでピリピリしたわたしの気持ちを和ませようとしてくれた息子の心遣いに。
「ハル、イライラしてごめんね…」
「ハルものんに嫌なこと言ったみたいだから、ごめんね。ペン借りたの、ハルなのにね」
「いや、ペンなんて別の持っていけばいいんだし…」
「じゃあどっちも悪いんだから、もう謝らないで」
こんなことを4歳の子に言わせてしまう39歳の母親って、どうなんだろう…。
そんな気持ちもじわじわと湧いてきて、目頭は熱くなる一方。
「ハル…ハルー!!!」
「大丈夫だよ。ハル、のんのことが大好きだよ!」
「ハル~~~!!!!!!!!!!」
息子に頭を撫でてもらいながら、私は号泣。
筆記用具は途中のコンビニで買うことにして、探し物は終了。
息子を保育園に送り届け、私は企業説明会へと向かいました。
「母親らしさ」って何?悩み続けたわたしに息子が掛けてくれた言葉