凸凹を楽しもう!親子で注意欠如な私たちの生活の工夫とは?

ライター:鈴木希望
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アスペルガー症候群のみならず、ADD(注意欠如障害)を併発しているわたしたち親子。「ひとつのことに気を取られて、他への意識が削がれてしまう」「気を付けているのに忘れちゃう」こんなことは日常茶飯事。これを楽しく乗り切る方法について、まだまだ模索する日々。そんなわが家のできごとです。

落とし物をたどると、私の居場所がわかる。

「あ、やっぱりのんさんだ」

これはわたしが飲食店のスタッフとして働いていたころの話です。こう言われ、振り返ると「のんさん」ことわたしの背後には、メモの束を手にした職場の先輩が立っていました。

「メモ用紙があちこちに落ちてたんだよね。それをたどって来たらね、のんさんがいた。はい、これ。落としたよね?」

「えっ、そんなヘンゼルとグレーテルみたいなこと……あれ?あれっ……?」

わたしはあわてて制服のポケットを探りました。入れてあるはずのメモ用紙が、1枚も入っていないのです。きっと、ポケットに入れていたボールペンを落とさないようにと気を付けるあまり、ボールペン以外の物への注意が、完全に削がれていたのでしょう。

こんなことは日常茶飯事。わたしはアスペルガー症候群だけではなく、ADD(注意欠如障害)も併発しているのです。

「あれどこだっけ?」を連発する息子

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出典 : http://amanaimages.com/info/infoRF.aspx?SearchKey=11030014568
息子・ハルも同じくアスペルガー症候群でADD。診断を受けた直後は、ADDの傾向が感じられませんでした。しかし、やはり親子…。

「ねえ、ハルの帽子知らない?」

かぶってます。

「ペンケース見なかった?」

目の前にあります。

「あの漫画どこにしまったんだっけ?」

あろうことか、尻の下に敷かれてます。

故・横山やすし師匠の鉄板ギャグ「メガネ、メガネ」を彷彿とさせるような言動が、少しずつ目立つようになりました。傍から見ていれば笑い話で済ませられることばかり。

とはいえ、歯みがきをしたかどうかも忘れるので、当人にしたら不便でならない模様です。

「何かいい方法を考えないとね…」

せっかくなら楽しんで解決しよう!

思いついたのは、簡単なタスクリストの作成でした。
文字にすれば忘れにくい上に、忘れてもリストを見直せばいいのですから、私たちにぴったりだと思いました。

「今日から、やることをココに書いておくね。終わったらチェックを入れるの。そうしたらハルも不安にならないよね?」

わたしの提案を聞いた息子はなんだか嬉しそう。

「それなら忘れても怖くないし、チェックするのも楽しそうだよね!」

最初は家にあった紙にペンでリストアップするという簡単な方法でした。

「のん、これでもいいんだけどさ、もっと楽しくする方法ないかなあ?」

「そうだなあ……ぬり絵にするとか?チェックじゃなくて、やるべきことの項目を絵にして色を塗るの。歯みがきカレンダーみたいに」

「それ楽しそう!あとさ、オセロみたいにマグネットを裏返すっていうのも面白くない?」

「いいねいいね!」

せっかくなんだから発達障害の凸凹も楽しんでいきたい!という気持ちを、その日のエピソードに絡めブログにアップしました。すると読んでくださった方からも様々なアイディアが届き、息子とふたりでニコニコしながら読んだものです。
凸凹親子の手書きのタスクリスト
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