港教室に新たなアイテムが加わりました。
1日のスケジュールを時計を使って表現したボードになります。
今まであるにはあったのですが、少し小さく子どもたちには見づらかったようで、あまり浸透していませんでした。そこで新たに制作したという訳です。
時計の部分は実はモビールになっていて、場合によって時間を変更できる仕掛けになっています。下地はホワイトボードなので何度でも書き直しができ、スケジュールの変更にも対応できます。
これを作ろうと思ったきっかけはTくん。
自分の思い通りにならないことがあるとすぐに怒り、拗ねてしまうことが多い子です。
物事の見通しが立たないことに対して、漠然とした不安を感じているように見えました。彼の怒りの多くは不安からくるのではと推測していました。
港教室では、全体の活動は気まぐれに参加し、おやつも食べたい時に食べる。それ以外は寝て過ごし、下手に起こそうとするとかんしゃくを起こし手がつけられない。帰る直前に慌てて起き、不機嫌そうに宿題に取り掛かるといった調子です。
なんとかせねばこのままズルズルとルーズな生活が続いてしまう。
そんな危機感を感じていました。
こういう時って出来ていないことについ目を向けがちなんですよね。
どうやったら出来るようになるか?力ずくで方向修正?もちろんそういうのも大事なのですが、Tくんの場合はちょっと違うかなと。
これは普段、接している人にしか分からない肌感覚とでも言いましょうか。いわゆる押すだけではダメなタイプ。北風と太陽なら間違いなく太陽。待つことが成功の鍵を握っていると予測をたてました。
そこで、まずはT君の強みに目を向けることに。
Tくんの強み
・最低限の約束は守れる
・視覚的なものは認識しやすい
こうした強みを踏まえ、分かりやすいスケジュールを提示することで見通しを立てさせ、活動への意欲を掻き立てる作戦ことにしました。
【Tくんのデイ利用時の心得】
1.デイに着いたらスケジュールを確認させる
2.全体の活動の内容を必要があれば詳しく伝える
3.おやつの内容も必要があれば詳しく伝える
4.宿題をいつやるのか職員と約束する
このような流れでデイでのスケジュールを確認し、見通しを立てさせることにしました。
このボードを導入後、2回ほど利用のあったTくんですが、全体活動の参加率はなんと100%!今のところ成果が出ている様子です。
苦手なことはコントロールできた方が絶対にいい。見通しが立たないことは視覚的に分かるようにすれば不安もなくなり怒ることもない。
Tくんがこの先より生きやすいよう、自分の気持ちをコントロールできる術を伝えていけたらいいなと思います。
北風と太陽なら太陽タイプ。待つことが成功の鍵を握る
教室の毎日
19/12/07 20:53