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今日は保護者の方から伺ったお子さんの様子から、少し内容を変えてご紹介します。
【保護者の方から】
前はお手伝いをしてくれたのに、最近は「嫌だよ!」と言うことが多くなってしまった
お手伝いができて、言葉も比較的よくでるお子さんです。
この、”嫌だよ!”と、お子さんが言う行動が増えているということは、この行動になんらかのメリットがあって行動が強化されていると考えます。この時の状況によって、対応は少し違ってきます。
この場合の可能性は3つ考えられます。
① お手伝いの中に、本当にやりたくない課題がある。「嫌だよ」と言うことで、やりたくない課題を回避できている
(=逃避のための行動)
② 「嫌だよ」と答えると・・・
お母さんが『どうして、そんなこというの?』『前はやってくれたじゃない』『これだけやったら、おやつにしようよ』
などと、たくさん会話を返してくれ、お母さんからの注目が得られる。
(=注目を得るための行動)
③ お手伝いの内容が良く理解できない。自分には難しいと感じている。
「うまくできないと思うから嫌だ」と説明できないことの代わりとして「嫌だよ」と言っている。
結果、不安な課題をすることを回避できている。
これも、意味合いは少し違いますが行動の機能という意味では①と同じ、逃避のための行動となります。
まず、③は保護者の方は、およそお子さんにとって理解が簡単かどうか想像がつくのではないでしょうか。
もし、③に該当する可能性があれば、一緒にやってみる。課題の一部だけをまずはやってみるなど、チャレンジしやすくすることが有効です。
①の逃避のための行動はどうでしょう。子どもというのは本来苦行はできません。
本人が興味の持てるお手伝いに内容を変えることが対策の1つです。
また、お手伝いにポイントシールなどをつけて、たまると何か特別なおやつを買いに行けるなど意欲を改善する対策も有効です。
単に、お手伝いをした後に、本人の楽しい活動を予定する事だけでも効果があります。
逆はあまり効果がありません。いっぱい遊んだのだから、お手伝いをしてねというのは難しいことがわかっています。
本人がごくごく簡単にできるお手伝いを2つほど先にいれて、できた!完了!などと気分をあげて、三番目のお手伝いに繋げるなども、気持ちを支えるテクニックです。
②注目を得るための行動はどうでしょうか?これ、意外と多いです。
<すんなりお手伝いをした場合>
お母さん; 「ありがとう!けいちゃん。」
けいちゃん; 「うん」
<嫌だよと言った場合>
お母さん; 「なんで嫌なの?」
けいちゃん; 「えー、だって嫌だもん」
お母さん; 「前はしてくれたでしょう?」
けいちゃん; 「前はね。でもさー、いまはそういう感じじゃないから」
お母さん; 「そんなこと言わないで。お母さん、やってくれたら助かるな」
明らかに、嫌だといった時の方が、会話のターンが多いですね。
そして、「どうして嫌なの?」と聞いてもたいていは、あまりはっきりとした答えがきかれず、ネガティブな言葉が続き、ついそれに保護者が答えているというパターンが多くなりがちです。
えっ?そんなことで注目を得ても、楽しくないじゃない?!と思われたでしょうか。
しかし、意外と注目を得るために、望ましくない行動を繰り返すお子さんは多いです。
心当たりが、あれば・・・・
まず、嫌だねと言われたら「そう」と流して視線も合わせません。さっさとお母さんは、お手伝いの内容をやってしまいましょう。
「なんでー!僕がやろうと思ったのに」などと聞かれたら心の中でガッツポーズをしましょう。
それこそ、良い行動に注目するのです!
「えっ!やってくれるの?嬉しい!!」
「おー!さすが!」
などと、いっぱい注目しましょう。
今日はできなくても、別の日にできた時、またはお手伝いでなくてもお子さんの注目すべき良い行動は、日常にたくさんあります。そうした行動に目をとめ、注目をしましょう。そうすると、「嫌だよ」といって注目を得る必要性がなくなっていくのです。
そもそも、やってくれていたお手伝いをやらなくなってくる場合に、最初は感動してくれていた保護者の反応が薄くなり、行動の原動力が失われたために、お手伝いをしなくなるということも多いです。
もしろん、せっかくやっているお手伝いの中、ちょっとした失敗に険しい顔や、声掛けはご法度です。
「もう~!何やってるの!」
こうしたことは、一度でもお手伝いをしなくなるには十分です。
失敗には、どう対処するのかを優しく、肯定的に示して対応しましょうね。
でもでも・・・生活の中で、本当に大変なことであることも十分承知しています。
保護者の方も、冷静に対応できた時は、自分をほめてあげましょうね!
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教室の毎日
23/06/13 17:50