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応用行動分析(ABA)では、問題行動が起きるよりも前に、起きなくて済む様々な工夫をします。
この工夫のことを先行介入といいます。
だいたい、問題行動が起きるポイントがわかっているということは多いですよね。
例えば、
幼稚園で、お母さんと離れる時にしゃがみこんで動かなくなるんだよな・・・
嫌いなおかずだと、投げちゃうんだよな・・・
おもちゃを片付けようって言われると、泣いて暴れるんだよな・・・
といった具合です。
そうなることが予測される場面で、問題行動より前に様々な働きかけや、環境設定などを行い問題行動をしなくて済むようにしていきます。これには、絶対的な決まった方法はありません。一定、効果が知られている工夫はいくつもありますが、お子さんとその時に状況によって何が良いかは変わってきます。アイデア次第でいくつでも考えられるものです。
先日、我が家の知的障害のある子、ケイちゃんの起床時のトイレの話題を出しました。
ケイちゃんは、朝一番のトイレがだるさも相まって行きたがりません。
前回はタイムタイマーにカードを貼り付けて、自分で動くのを待ったのですが、それも続きませんでした。
そもそも朝一番にトイレに行かなくても、失敗したらそれはそれで学習するか・・・と諦めるか迷ったのですが。
最近図書館で借りて、お気に入りとなった本のことを思い出しました。
保育園の男の子3人組が、消防隊に扮してトイレの火事をおしっこで消しに行く。
トイレが間に合わず漏らしてしまった子も、楽しくトイレに行けたという話。
そしてYoutubeで、最近本人が気に入っているのが、消火訓練の動画。
ということで、これを利用する事にしました。
朝の着替えが終わると、ホースに見立てたソフトワイヤーを持ってもらい、消火訓練の掛け声を掛けます。
「トイレが火事です! 放水係、ホース用意! よし、出発!」
ノリノリでトイレに行くのでした。
このような作戦は、比較的感情豊か、みたて遊び・ごっこ遊びが好きなタイプのお子さんに向いています。
ケイちゃんはまさにこのタイプで、親が一緒に楽しんでくれるということも嬉しく、行動を前向きにする要因となります。
一方、こうしたごっこ遊びは苦手、楽しいと感じないお子さんも多くいらっしゃいます。
自閉性の比較的強いお子さんでは、スケジュールに沿って動く、毎朝決まったスケジュールで動くというような、ルーチンを利用する方が上手くいく場合もあります。 自閉性のあるお子さんでは、いつも同じがいいという同一性保持が生じるお子さんがたくさんいらっしゃいます。時に、彼らの生きづらさになるのですが、時にこれを利用させてもらって生活をスムーズにすることもあります。
よく、専門家からも
「こういう問題行動がおきたら、どう対応するのがいいのですか?」
というような言葉が出ることがあります。
しかし、問題行動がおきる前のタイミングでできることが実はたくさんあります。
お子さんが、なぜその問題行動を起こす必要があるのか。
お子さんの特性から、どんな先行介入が考えられるか。
専門家と一緒に考え、試行錯誤してみませんか。
ケイちゃんの例でもそうですが、1回の工夫で上手くいかない事は専門家でも多々あります。しかし、試行錯誤して親子が笑顔で問題行動が起きるはずだったタイミングを乗り越えられた時、親としての自己効力感を感じます。また、次もこうやって乗り越えられるという見通しは、親の子どもへの目を否定的なものから、肯定的なものへと変えていってくれるはずです。
そのサイクルは、きっとお子さんにも良い影響を及ぼすでしょう。
お子さまについて、心配事、ご相談がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
見学、体験も随時行っております。ぜひ気軽に足をお運びください。
お問い合わせは、電話 026-219-6045
【TODAY東和田】アイデア勝負・先行介入
教室の毎日
23/06/13 18:03