児童発達支援のお子さんを対象とした秋の療育活動では、発達年齢に応じた発達段階を考慮しながら、少しずつ難易度を上げていくことで、子どもたちの言語スキルを効果的に伸ばすことを狙います。ここでは、3歳から5歳までの幅広い年齢層に適した活動を紹介します。
1. 多様な語彙の拡張
• テーマ別語彙学習:
秋に関連するテーマ(例:果物、木の葉、天気)ごとに語彙を学びます。発達段階に応じて、基本的な名詞(例:りんご、葉っぱ)、形容詞(例:赤い、まるい)、動詞(例:拾う、落ちる)も含めて教えます。
• 語彙ゲーム:
「これは何?」というような質問形式のゲームや、「〇〇を探して」のような指示に従って物を探す活動を通じて、語彙の理解を深めます。年齢が上がるにつれて、より複雑な語彙や組み合わせ(例:「大きな赤い葉っぱ」)に取り組みます。
2. 言語理解と表現の強化
• 質問応答の幅を広げる:
発達年齢に応じて、Yes/Noで答えられる簡単な質問(例:「これはかぼちゃですか?」)、選択肢から選ぶ質問(例:「これはりんごとぶどう、どちら?」)、少し長い説明を求める質問(例:「なぜ葉っぱの色が変わるの?」)を行います。
• 自己紹介と自己表現:
年齢に応じたレベルで自己紹介や自己表現の練習を行います。発達段階に応じ、名前や好きなものを言う練習、好きな活動について話す練習、もう少し詳しく自分の考えや意見を表現する練習をします。
3. シークエンスと指示理解の発展
• シークエンス活動:
発達年齢に応じて、出来事の順番を理解する活動を行います。2〜3ステップのシークエンス(例:葉っぱを拾う、カゴに入れる)から始まり、4ステップ(例:りんごを取る、洗う、切る、食べる)、5ステップ以上のシークエンスを理解し、説明する練習を行います。
• 複雑な指示の理解:
発達年齢に応じ、単純な指示(例:「この葉っぱを拾って」)、2つの指示を組み合わせたもの(例:「かぼちゃを見つけて、テーブルに置いて」)、3つ以上の指示を組み合わせた活動(例:「りんごを拾って、洗って、お皿に置いてね」)を行います。
4. ストーリーテリングとリテラシースキル
• 絵本の読み聞かせとリテリング:
秋をテーマにした絵本を読み聞かせし、その内容を年齢に応じてリテリング(話を言い直す)します。簡単なフレーズから始まり、少し長い文、主要な出来事を順序立てて話す練習とスモールステップでトレーニングします。
• 創作活動:
簡単な物語の続き(例:「ある日、小さなドングリが・・・」)を考える、4歳児には短い話を作る、5歳児にはキャラクターや出来事を含めたストーリーを組み立てる活動を行います。
5. 日常会話と社交スキル
• ロールプレイ:
秋のイベント(例:ハロウィン、収穫祭)を使って、簡単な挨拶や「ありがとう」と言う練習、短い会話(例:「お菓子をください」、「どうぞ」)、質問に答える(例:「何が好き?」)など、より複雑なやり取りを練習します。
• 感情と言葉:
発達年齢に応じ、「楽しい」「悲しい」といった基本的な感情の表現、「嬉しい」「寂しい」のようなもう少し複雑な感情、「驚いた」「感動した」などの感情を表現する練習を行います。
まとめ
児童発達支援のお子さんを対象とした秋の療育活動では、年齢と発達段階に応じて活動内容の難易度を調整しながら、語彙の拡張、言語理解、指示に従うスキル、ストーリーテリング、日常会話のスキルを育みます。それぞれの年齢に合わせたサポートを通じて、子どもたちが楽しみながら言語スキルを伸ばすことができるようにしています。
「はるプラス港南」9月の活動報告
はるプラスだより
24/09/30 19:30