10月は、特に理解言語、表出言語、イントラバーバルスキルに加え、ソーシャルスキル(社会的スキル)と集団指示の理解を強化するための活動を行いました。以下に、具体的な取り組み内容と成果を報告いたします。
1. 理解言語(Receptive Language)
目標: 指示や質問を理解し、適切に反応する力を強化。
• 活動内容:
•
個別および集団での活動において、色、形、物の名前を理解するための指示を中心に行いました。「赤いブロックを取って」「並んで座って」などの指示を実施し、児童が正しく従えるよう訓練しました。
• 特に、集団指示の理解を深めるため、全体の場面での指示(「みんな集まって」など)にも焦点を当て、集団行動の一貫性を持たせました。
成果:
• 8人中6人の児童が個別指示に正しく反応し、集団指示についても、全員が同時に動く場面での従順性が向上しました。
• 集団指示に対して、5人の児童がプロンプト(手助け)なしで行動できるようになりました。
2. 表出言語(Expressive Language)
目標: 短い文や単語を自発的に使用し、欲求や考えを表現できるようにする。
• 活動内容:
•
絵カードや身近な物を使用して、自己表現を促す活動を行いました。「○○をください」「○○が欲しいです」といったフレーズを習得し、適切な場面で自発的に使用する練習を行いました。
• 集団活動の中で他児とコミュニケーションを取りながら、言語での自己表現を促進しました。
成果:
• 5人の児童が「水ください」「おもちゃちょうだい」といったフレーズを自発的に使用することができました。
• 集団活動でも、会話のキャッチボールが増え、他児とのやりとりが活発化しました。
3. イントラバーバル(Intraverbal)
目標: 質問に対して関連する返答ができるスキルを育成。
• 活動内容:
• 歌や繰り返しのフレーズを使用したイントラバーバルの訓練を行い、「○○は何色?」「○○はどこ?」といった質問に正しく答える練習を行いました。
• 集団でのストーリータイムでは、話の内容に関連した質問に対する返答を全員で行い、会話の応答能力を高めました。
成果:
• 6人中4人の児童が、関連する質問に適切な返答をし、イントラバーバルスキルが向上しました。
• 質問に対する返答の正確さも向上し、集団の中での会話の相互作用が強まりました。
4. ソーシャルスキル(Social Skills)
目標: 他児との適切なコミュニケーションや協力行動を強化。
• 活動内容:
•
他児と協力して取り組むゲームや活動を通じて、順番を待つ、ルールを守る、相手に譲るなどのソーシャルスキルを学びました。特に、「順番待ち」の練習や「おもちゃをシェアする」練習に力を入れました。
• グループ活動の中で「どうぞ」「ありがとう」といった基本的な社会的挨拶を促し、相手に対する配慮を持つことを学びました。
成果:
• 7人中5人の児童が、他児に対して自発的に「どうぞ」と物を渡す行動を示し、順番を待つスキルも向上しました。
• 集団活動では、3人の児童が指導なしで「ありがとう」と返答できるようになり、社会的スキルの向上が確認されました。
5. 集団指示の理解(Understanding Group Instructions)
目標: 集団の中での指示を理解し、適切に従う力を育成。
• 活動内容:
• 「みんなで一緒に歌いましょう」や「全員ここに集まってください」といった集団指示を使って、集団行動の一貫性を持たせる練習を行いました。
• 全体の活動において、集団の指示に従う場面を多く設け、個々の協力性と協調性を養いました。
成果:
• 8人中6人の児童が集団指示に素早く従えるようになり、全体の行動に一体感が見られるようになりました。
• 集団活動での一貫性が高まり、全員が同じ指示に従う場面でのトラブルが減少しました。
総括
10月は、理解言語、表出言語、イントラバーバルスキルの向上に加え、ソーシャルスキルと集団指示の理解を重点的に強化しました。特に、集団の中での指示に従う力や他児との協力が進展し、児童たちはコミュニケーション能力と協調性を高めました。
「はるプラス港南」10月の活動報告
はるプラスだより
24/11/25 15:27