こんにちは。
児童発達支援事業所STELLA KID(ステラキッド)鶴ヶ峰教室です。
今日はお子さんの『偏食』についてお話ししたいと思います。
ー偏食とは何だろう?ー
「偏食」とは何でしょうか?
好き嫌いが激しいこと?
これだけしか食べられないというこだわりが強いこと?
いいえ違います。
実は偏食なんてものはそもそも存在しないのです。
…などというと少し極端かもしれませんが、偏食とは昭和33年に行政指導として広まった「栄養改善普及運動」によって、「6大栄養素をバランスよく摂取しなければいけない!」という価値観が一般化したため、その基準と比較して多くのご家庭が「うちの子は偏食かもしれない」と考えるに至ったことが成り立ちです。
もちろん、この考え方は正しく、これらの考え方が普及したことによって日本の健康寿命も伸びてはいますが、世のお母さんたちが頭を悩ましている「偏食」とはこうした経緯があってのことだということを一つお話ししておきたいと思います。
ー野菜嫌いはどうしてなるの?ー
たしかに、栄養バランスは成長や健康維持を考える上でとても大切です。
特に人間は青物を嫌う傾向にあるため、野菜嫌いのお子さんはとても多く、不安になるお母さんも多いと思います。
こんな調査結果があります。
ある調査によりますと、子どもの好きな野菜は
1位 とうもろこし
2位 じゃがいも
3位 えだまめ
4位 さつまいも
となっており穀類・芋類・豆類と炭水化物が上位を独占しています。
これらの食品は子どもとって甘みがあるためとても食べやすく、安全であり、日々の活動や成長に必要な栄養素を効率よく摂取できる野菜です。
また、子どもの嫌いな野菜では
1位 なす
2位 ピーマン・シイタケ
3位 水菜
4位 オクラ
となっています。
これらの野菜は味に苦味があったり香りが強いものや、色が青々としているという特徴があります。
これらの結果から子どもの野菜嫌いのヒントが見えてきます。
ー子どもは感覚器官の塊ー
自然界において危険とされるものは主に、「色」「匂い」「味」で判別されます。
子どもー。特に乳幼児期の小さなお子さんは自身の「手」「目」「鼻」「口」などの感覚器官をフル稼働して身の回りの環境に触れ、多くの情報を吸収するため、自身の身を危険に晒す可能性のあるものに対して危険を察知して避ける機能を有しています。
そこで先ほどの嫌いな野菜を振り返ってみましょう。
1位のナス。
子どもがナスを嫌いな理由としてあげられるのは、アクの強さのようです。
アク抜きをしないと苦味や渋みもあります。
自然界において酸っぱ味や苦味などは腐っているものや熟していないもののサインであるため、子どもは本能的にそれらの味を避ける傾向にあります。
続いて2位のピーマン。
ピーマンを苦手とする理由もやはり独特の苦味によるところが大きいようです。
また、ピーマンの青々とした色も未成熟を象徴する色であり、生き物が本能的に食べることを避ける対象となります。
3位のシイタケ。
シイタケを嫌う理由はクセのある風味と独特の歯ざわりにあるようです。
シイタケは酸味や苦味ではありませんが、他にはない独特の風味が他の食べ物と一線を画すようです。
4位のオクラ。
鮮やかな青色もそうですが、表面に生えているうぶ毛も十分な処理をしておかなければ口当たりも悪く、安全な食べ物として判断しにくい食材です。
このように、「色」「匂い」「味」に、その身を危険に晒す恐れのある特徴やそれに類似した特徴がある食材を子どもは本能的に避け、「嫌いな野菜」とする傾向にあると言えます。
更に言えば、飽食の時代とも言われる現代において、これらの野菜は豊富な栄養素を有してはいるものの、必ず食べられるようにならなければならないものではありません。
もちろん、これらの野菜を食べられるようになれば、その分豊かな食生活を楽しむことができますが、小さなお子さんの場合に関しては、これらの食材を本能的に避けることができる感覚を備えていることは健康的である証でもあるのです。
このように、「うちの子は好き嫌いが多いから偏食だ」と焦る気持ちはわかりますが、偏食かどうか以前に、お子さんが「色」「匂い」「味」などで食べ物を区別できているのかどうかを見てあげてください。
小さいうちに色々な体験をさせることは大切ではありますが、好き嫌いは成長の過程で少なくなっていくものですので、あまり無理強いをせず見守ってあげることをお勧めします。
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雑記
19/08/23 17:35