今回は、成功体験と失敗体験についてお話しいたします。
お子さんは日々の生活の中で、たくさんの経験をしています。その体験がお子さんにとって、成功体験になるか、失敗体験になるかは、周りの大人の関わり方にも左右されています。
例えば、小5男子とお母さんが、漢字テストで100点を取ったらゲームソフト、90点以上だったらコントローラー、80点以上だったら1000円の課金カードを購入すると約束をしました。自宅学習では100点だったため、本人には自信がありました。そして当日、やってみると結果は75点でした。彼はその後、授業に参加できないくらい落ち込みました。
さて、その後皆さんでしたらどのように対応いたしますか?
①75点だったため、何も購入しない
②可哀想だから課金のカードを購入
③頑張っていた部分を認めゲームソフトを購入
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褒美でお子さんの行動を促すことには賛否両論あると思われますが、もし、成功体験を積ませるのであれば答えは③です。努力に対して褒美を与え、努力を促進します。①だと失敗体験となってしまいます。自己肯定感(自分を肯定する感覚)や自己効力感(やれば出来そうな気がする感覚)は下り、自分はダメだ、がんばってもどうせ上手くいかない、となってしまいます。
対策として、行動療法の一つでトークンエコノミー法というのがあります。スタンプラリーで何か出来たらスタンプを押し、目標を達成したら褒美を貰えるという仕組みを作ります。上述した例と同様、多少結果が出せなかった部分があったとしても、努力に対して褒美を与えます。「失敗は成功のもと」ということわざもあります。失敗をしながらも成功体験を積むことが成長につながるのではないでしょうか。トークンエコノミー法は、自己肯定感や自己効力感を高めながら、安定したメンタルを築き、成長も促せるかも知れません。
登校渋りの事例(小2)では、トークンエコノミー法で、登校を目標にウーパールーパーを褒美にしたことがあります(お母さんは、ウーパールーパーは苦手でした笑)。彼は、二週間がんばって登校していましたが、一日休んでしまいました。お母さんから相談を受けた際、褒美を購入するよう伝えました。がんばっていたからね、と。その後、彼は登校するようになりました。たかが一度の成功体験が色々なものに拡張され、成長していったのだと思います。
※トークンエコノミー法は、低学年くらいまでしか効果がないこともあります。
成功体験と失敗体験
教室の毎日
21/02/16 11:54