こんにちは!エコルド盛岡茶畑教室、作業療法士の菊地です。
前回は感覚特性“感覚探求”についてのブログでした。
今回は『②低反応』について詳しくお伝えします!!
低反応とは“感覚の鈍感さ”とも言われ、味や痛み・触覚などの感覚が鈍い感覚特性のことです。
感覚刺激が脳に届きにくい点は感覚探求に似ていますね。
しかし、
・いつもぼーっとしている、集中が続かない
・呼びかけに気づかない、聞き返すことが多い
・顔や洋服が汚れていても気づかない
・人や物にぶつかっても衝撃や痛みに気づかない など・・・
これらは感覚の鈍感さからくる特有の症状でもあります。
活動に参加せず1人でぼーっとしていたり、先生の話を聞いていなかったり…
やる気の問題と考えられがちですが、「しっかりしたいのに出来ない…!」そんなお子さんも多いんです。
“感覚が鈍いとどうしてぼーっとしてしまうの?”と疑問に感じる方もいらっしゃると思います。
そこには、覚醒(脳の目覚めの状態)が関係しています。
静かな空間にいると眠くなってきますよね?
逆に眠い時に名前を呼ばれたり、肩を叩かれたりすると目が覚めます。
このように、私たちは外的な刺激によって覚醒を保っています。
しかし、低反応の特性をもつお子さんたちは刺激の受け取りにくさから覚醒や注意を維持・調整することが難しくなっています。
わかりやすく言うと、常に眠い状態なんです。
そんな、感覚の感じ取りにくさから困り感を抱えているお子さんにどのような支援が出来るでしょうか?
それは、覚醒を適切な状態に引き上げてあげることです!
覚醒は『感覚刺激』と『興味・関心』の影響を強く受けると言われています。
その2点に重点を置いた活動を教室でも行っていますので、ご紹介します!
ご家庭でもできますので、ぜひ参考にしてください!
☆感覚刺激へのアプローチ☆
感覚の中でも特に『触覚』、『固有感覚・前庭覚』の刺激が豊富に含まれている活動を行い、感覚への気づきを増やしていくことが効果的です。
またこのタイプのお子さんたちは刺激に対してすぐに慣れてしまう傾向があるので、強さや速さなどの刺激の程度を変えたり、刺激のリズムを不規則にしてあげることがポイントとなります!
・こちょこちょ遊び(くすぐる部位や強さ、リズムを変化させる)
・抱っこしてぐるぐる回転する(速度に変化をつける・回転するリズムを不規則にする)
・たかいたかい(高さに変化をつける)
・シーツブランコ(左右と前後の揺れを織り交ぜる)
・バランスボールの上で跳ねる・トランポリン(何回かに1回大きくジャンプする)
☆興味・関心へのアプローチ☆
お子さんが好きなキャラクターを取り入れた遊びや、キャラクターになりきる活動で刺激を与えます。
これらのアプローチを継続して行うことで、
◎周囲の状況によく気づくようになり、友達との交流や活動への参加が活発になる
◎活動や勉強に対する集中力がアップする
◎おもちゃや友達の存在に気づけるようになり、ぶつかったり転んだりすることが減る
などの効果が期待されます!
エコルド盛岡茶畑教室では作業療法士・理学療法士の専門職が個別に観察・評価を行い、お子さんの困り事の原因を探りながら一人ひとりに適したアプローチを行っております!
気になる事がありましたら、いつでもご相談ください!
次回のブログは③感覚過敏についてです☆
感覚統合遊び~part2 低反応~
子どもの発達
22/10/10 10:09