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22.手が出てしまう子の背景と関わり

マイスペ×スパークBlog
親御様からのご相談でよく頂くのが
「お友達に手を出してしまう」
「暴言をやめてほしい」 
というもの。


ということで今回は、
手を出したり暴言を吐いたりと、攻撃性の強いお子さんについて、

1.なぜそのような行動に出てしまうのか
2.どう伝えていけばいいのか

の2点に分けてお話ししていきます。


1.なぜそのような行動に出てしまうのか

そもそもこうしたお子さんたちは、
どうして暴言や暴力といったいわゆる衝動的な問題行動を起こしてしまうのでしょうか?

まずこうしたお子さんの背景のひとつには、
先天的な脳の特性上の理由が挙げられます。

暴力や暴言といったような衝動性は、
生まれつき感覚刺激を求めていることによるものの可能性があるからです。

そこに、
行動を抑えるような働きかけや、反対に放任的な関わりが加わりストレスになることで、
さらに問題行動が悪化してしまいます。


2.どう伝えていけばいいのか

こうしたお子さんと関わっていく時、
私たちは行動を押さえつけたりご褒美などを使って表面上の行動を正すのではなく、
長い目で見ていく必要があると考えています。

先ほど書いたように、
そもそもの背景は感覚刺激への欲求とストレス。

まずはその欲求を、問題行動から得られるもの以外の刺激で満たしつつ、
ストレスを下げていくことが大切です。


やるべきことは大きく分けて3つ。

①感覚刺激を満たしストレスを下げる
②感情の整理、感情表現のサポート
③行動の善悪を伝える

です。


①感覚刺激を満たしストレスを下げる

実は、ストレスを下げ、衝動的な感覚刺激を満たす1番の方法が、
運動なんです。

運動をしている時というのは、
触覚、聴覚、視覚など、その他にもたくさんの感覚を味わい、
常に感覚刺激を受けている状態です。

運動から感覚刺激をたくさん受けることによって、
まずはその衝動的な欲求を満たしていきます。

同時に、笑顔や共動・共感の声掛けで、お子さんのストレスを下げていきます。


②感情の整理、感情表現のサポート

①の関わりをして常にストレスがない状態であれば、
基本的に衝動性が問題行動として表れることはあまりありません。

しかし、こうしたお子様の多くは
情動(瞬間的に生まれる感情)を自分で調整することが苦手です。

その力を付けていくために、
大人がサポートしていくことが大切です。

まずは一緒にその感情を整理すること。

例えばお子さんがカッとなった瞬間。
何に対してその感情が生まれたのか?
玩具を取られて嫌だった。ゲームに負けて悔しかった。

さまざまなシチュエーションがあると思います。

そこを理解し、共感する。

そしてそのお子さんの感情を、まずは私たちが言葉にして相手に伝えていきます。

「なんで取るんだよ〜!返してよ」
「悔しい〜〜!悔しいからもう一回やろうよ!」

というように。

お子さんが自分の感情を理解し、
どう折り合いをつけ調整すれば良いのか。

大人が実際に表現したり代弁していくことで、
お子さんはそのやり方を知っていきます。


③行動の善悪を伝える

ここまできて初めて私たちは、
その行動が良いことなのかそうで無いのかを伝えて交渉します。

例えば、よく人を叩く子が居たとします。

まずは①、
背景にあるかもしれないストレスに配慮し、
運動やりとりでストレスを下げる。

そして②、
もしもそのお子さんの叩く行為が、情動の変化(カッとなった等)によるものだったならば、
そこを理解し共感してから、その気持ちを一緒に表現する。

最後に③、
叩かれて痛かった、悲しかったということを伝え、
代替案を提示したりしながら別の興味を探して、同じ目線に立って交渉する。


衝動性は数日で劇的に変化・改善するものではなく、
半年から1年ほどかけて少しずつ変わっていくものです。

この関わりを通して、実際にこうした問題行動が見られることは殆どなくなり、
笑顔が増え、気持ちの切り替えも上手になったお子様も居ます。


ひとつひとつの過程を丁寧に重ねながら、
お子さんと関わっていきたいですね!

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