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児童発達支援・放課後等デイサービス いきるちから1のブログ一覧

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オススメ本〜その7〜

コラム
8月に入っても、一向に暑さが緩んでくれませんね。
焦げそうだし、溶けそうな毎日。(´Д`;Λ)☀💦
YELLOWも、連日暑さと闘いながら生きながらえています。

さて、今日はまた新しい本をご紹介したいと思います。
その本のタイトルは、『ここは、日本でいちばん患者が訪れる 大人の発達障害診療科』。

著者は、東京大学および昭和大学の名誉教授で医学博士。
2008年に昭和大学付属烏山病院に大人の発達障害専門外来を開設された方です。
以前もお話したように、私は大人の発達障害の研究から始めたので、この著者が書かれた専門書も、これまで結構たくさん読んできました。
今日ご紹介するのは、今年2月に発売されたものです。
目の前のお子さんはまだ小さくても、10年後、20年後の姿を想像しておくことは大切なことですので、是非ご一読されることをオススメします。

随分長い記事になってしまいますが、この本の中から是非お母さん方にお伝えしたいことをご紹介したいと思います。

*****

念を押しておきますが、養育環境が発達障害の発症に関わることはありません。
その前提を踏まえたうえで申し上げますが、養育環境が適切か不適切かによって、発達障害のある子どもの予後が変わる可能性はあると考えられます。(略)
では、発達障害のある子どもにとって適切な養育環境とはどのようなものでしょうか。(略)

大切なことは2つしかありません。
ひとつは、発達障害をもつ子どもの特性を認め、受け入れて、その特性を変えようとしないこと。
もうひとつは、その子どもの得意なこと、好きなことを見つけ出して、それに没頭できる機会を存分に与え、その能力を伸ばしてあげられるようなサポートをすること。
この2点に尽きます。

逆に、不適切な養育環境とは、本人がもちあわせている発達障害の特性を変えよう(定型発達の子どもに近づけよう)として、苦手なことや不得意なことをあげつらい、それらの克服や矯正に取り組ませようとすることです。
そのあげくに、子どもが得意なことや好きなことに打ち込む機会を取り上げてしまうことは、ぜひ避けていただきたいと思います。

日本の社会では、子どもの頃から学校教育の場で、他人と同じように振る舞い、仲間と足並みをそろえて協調することが正しいと教えられます。(略)
また、そうした学校教育にどっぷり浸かってきた親の世代も、同じ価値観から、子どものでこぼこをならして、できるだけ平均的な人間にさせようとしがちです。
集団のなかで、他人と同じ行動をとり、同調できるような大人にならなければ、社会になじめないだろうという“親心”から、発達障害の子どもを厳しく叱責したり、好きなことに没頭しすぎないように規制をしたりするケースが少なくないのです。
その結果、子どもがストレスやフラストレーションをため込み、安心できる居場所を失い、精神的に追いつめられてしまう事例もあります。
そうした事例では、本来、素直で純粋な特性を持っている発達障害の子どもが、自分の思いを受け入れてくれない親を拒絶したり、恨んだりする場合があります。(略)

*****

保護者さんのご希望は、著者が訴えるものと相違しているかもしれません。
しかし、長年大人の発達障害者と関わって来られた著者が出した結論が、この2点なんです。

・子どもの特性を認め、受け入れて、その特性を変えようとしないこと。
・子どもの得意なこと、好きなことを見つけ出して、それに没頭できる機会を存分に与え、その能力を伸ばしてあげられるようなサポートをすること。

子どもたちが授かっている素晴らしい才能を見つけ、それを伸ばしたいとの思いで、いきるちから1のスタッフは日々頑張ってサポートをしています。

目の前のお子さんはまだ幼いかもしれません。
しかし、10年後、20年後を見据えて、彼らのこの先の人生が“親御さんにとっての幸せ”ではなく、“彼らにとって本当に幸せ”なものとなるために、今何をすべきかを真剣に考えてみてください。
お子さんの凹を忌み嫌わず、凸に目を向けてあげてください。

驚くようなスピードで、技術は進歩しています。
だからきっと彼らが社会に出る頃には、これまで考えられなかったような就業体系ができていると思います。
毎日会社に通勤し、嫌な同僚たちと一緒に机を並べて働くなんて、「古臭い」ものになっているかもしれませんよ。

著者はこうも書いています。

****

特にASDの特性があると、いわゆる“親心”を察することはできません。
親が、わが子が大人になったときに苦労しないように、との思いで、(略)苦手なことを克服させようとし、好きなことだけに没頭させないようにしてきたことを、当事者が大人になってもずっと恨み続け、親が亡くなっても悲しむどころか、むしろ「ホッとした」と言ってはばからないケースもあるのです。

****

皆さんは、お子さんとどのような関係性を築きたいですか?
自分が亡くなったとき、お子さんに「ホッとした」と思われたいですか?
どうか、お子さんをまるごと、そのまま受け入れてあげてください。

もちろん、日々色んなストレスが溜まると思いますので、私たちでよければいつでも吐き出してください。
発達障害をもつお子さんを育てている親の会もありますので、そちらに参加するのもお勧めです。
同じ苦労を経験している者同士、共感を得られて少し気持ちが楽になると思いますよ。

まずは、いきるちからに来てくれているお子さん、そして、そのお子さんを愛しんで育ててくださっている親御さん、みんなが幸せな人生を歩めますように...と祈らずにはいられないYELLOWでした。

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