ことばの発達を担当しています言語聴覚士のTです。
今回は、ことばの発達と指先トレーニングのお話です。
テーマは、1歳前後のことばの発達。指差しから発語につなげる視点です。
お子さんと接していると、「ダーダーダー」や「マンマンマン」の喃語はよく聞くけど、「ワンワン」や「ブッブー」の発語が出てこないなあと感じることがよくあります。この時期、トレーニングでは、やりとりに配慮しながら、指差しを目指して、指先トレーニングを重点的に行っていきます。
指差しは、発語の周辺にあると言われます。言語学では、ことばは「意味するもの」と「意味されるもの」に分かれているとされています。そして、「意味するもの」とは、現実にあるもの、「意味されるもの」とは、現実にないものと解されています。例えば、りんごと発語した場合、「リンゴ」の音声は「意味するもの」、脳内でのりんごのイメージが「意味されるもの」にあたります。指差しにも同様、ことばの性質である「意味するもの」「意味されるもの」があるとされています。例えば、お子さんが犬を見て指差す場合、指差しの動作が「意味するもの」、犬のイメージが「意味されるもの」に当たります。このように、発語と指差しには「意味するもの」「意味されるもの」の共通性があるため、指差しは発語に近い状態にあると考えることができます。
指先トレーニングは、指差しを目的に行います。保育でよく行われる指先トレーニングの1つに、ひもとおしがあります。ここには、ひもは通すもの、穴は通されるものという関係性が含まれています。私の場合、穴の大きさについて、大きいものだけでなく、小さいものも混ぜて行っています。お子さんがなんとなくでなく、意識してひもをとおす過程で、通すもの、通されるものの関係性の理解が促されると考えているためです。この分けて考える視点の理解が、指差し・発語での「意味するもの」「意味されるもの」という分化の理解につながると考えています。このように、指先トレーニングには、同じ手の動作である指差しをとおして、発語につながる意義があります。
発達上、発語は喃語から大人の音まねを経て、1歳でみられるとされています。一方で、発語にはことばの性質があります。発語に至る発達過程では、音声だけでなく、指差し・ことばに内在する「意味するもの」「意味されるもの」の理解が行われていると考えるのが妥当です。これらのことから、トレーニングでは、指差しから発語につなげる視点として、指先トレーニングを大切にしています。
【参考文献】
秦野 悦子(1983).指差し行動の発達的意義.教育心理学研究,31,3,70-79
西村 辯作(1991).自閉症児の言語発達障害とその治療.聴能言語学研究8,209-215
育 海老江教室では、随時体験・見学を受け付けております。
お気軽にお問合せくださいませ!
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テーマは、1歳前後のことばの発達。指差しから発語につなげる視点です。
お子さんと接していると、「ダーダーダー」や「マンマンマン」の喃語はよく聞くけど、「ワンワン」や「ブッブー」の発語が出てこないなあと感じることがよくあります。この時期、トレーニングでは、やりとりに配慮しながら、指差しを目指して、指先トレーニングを重点的に行っていきます。
指差しは、発語の周辺にあると言われます。言語学では、ことばは「意味するもの」と「意味されるもの」に分かれているとされています。そして、「意味するもの」とは、現実にあるもの、「意味されるもの」とは、現実にないものと解されています。例えば、りんごと発語した場合、「リンゴ」の音声は「意味するもの」、脳内でのりんごのイメージが「意味されるもの」にあたります。指差しにも同様、ことばの性質である「意味するもの」「意味されるもの」があるとされています。例えば、お子さんが犬を見て指差す場合、指差しの動作が「意味するもの」、犬のイメージが「意味されるもの」に当たります。このように、発語と指差しには「意味するもの」「意味されるもの」の共通性があるため、指差しは発語に近い状態にあると考えることができます。
指先トレーニングは、指差しを目的に行います。保育でよく行われる指先トレーニングの1つに、ひもとおしがあります。ここには、ひもは通すもの、穴は通されるものという関係性が含まれています。私の場合、穴の大きさについて、大きいものだけでなく、小さいものも混ぜて行っています。お子さんがなんとなくでなく、意識してひもをとおす過程で、通すもの、通されるものの関係性の理解が促されると考えているためです。この分けて考える視点の理解が、指差し・発語での「意味するもの」「意味されるもの」という分化の理解につながると考えています。このように、指先トレーニングには、同じ手の動作である指差しをとおして、発語につながる意義があります。
発達上、発語は喃語から大人の音まねを経て、1歳でみられるとされています。一方で、発語にはことばの性質があります。発語に至る発達過程では、音声だけでなく、指差し・ことばに内在する「意味するもの」「意味されるもの」の理解が行われていると考えるのが妥当です。これらのことから、トレーニングでは、指差しから発語につなげる視点として、指先トレーニングを大切にしています。
【参考文献】
秦野 悦子(1983).指差し行動の発達的意義.教育心理学研究,31,3,70-79
西村 辯作(1991).自閉症児の言語発達障害とその治療.聴能言語学研究8,209-215
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