こんにちは、FORTUNAの公認心理師のKです。今回は、暴言・暴力が見られる児童の背景について、本日から3回に分けて心理学的な視点から考えてみたいと思います。
まず、要因を多面的に理解するために、医療領域で一般的に使われている生物・心理・社会モデル(以下BPSモデル)で考えます。これにより、生物的(医学・身体的)要因、心理的(目に見えない心の働き)要因、社会的(その人を取り巻く環境)要因の3つに分けて考えることで、1つの原因だけに捉われずに考えることができます。本日はその生物的要因について考えます。
<生物的要因>
生物的要因としては、自閉スペクトラム症(以下ASD)の特徴が関係していると考えられます。感覚刺激の過敏・鈍麻といった神経学的な特性や、気持ちの切り替え・抑制といった実行機能の苦手さがあります。また、感情といった目に見えないものを理解することが苦手といった特徴もあります。しかし日常生活は、暗黙のルールや自分や他者の感情といった、目に見えないもので溢れています。ASDを持つ子どもの中には、それに気付くことが難しいことで注意されることも多く、社会に理不尽さを感じることもあります。その理不尽さに対する自身の感情に気付くことも難しいため、暴言や暴力といった直感的な方法で表現されやすいと考えられます。
次回は、心理的要因について考えてみたいと思います。
都筑区放デイFORTUNA 心理学から見た子どもの暴言①
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25/05/13 19:10