こんにちは。都筑区の放課後等デイサービスFORTUNAです。
一般的にASD児とよばれる子どもたちを見ていると、手指の巧緻性(手先の器用さ)が求められる場面や全身を使う場面など、幅広い身体活動場面で身体的不器用さがよく見られます。
ここでいう身体的不器用さとは、「日常的な運動技能が暦年齢や知能から期待されるレベルより著しく劣っており、それらが生活に支障をきたしている状態」と定義されています。
ASD児の身体的不器用さの特徴をまとめてみると、歩き方や走り方がぎこちない、姿勢やバランスが悪い、手先が不器用、模倣(まね)が出来ない(正確な模倣が難しく間違いが多い)、ボール遊びや縄跳びなどの複雑な運動が苦手などが挙げられます。
このように、ASD児の身体的不器用さは、微細運動から粗大運動まで広範囲にわたり、また日常生活で必要な基本的な運動課題から学校での体育やスポーツの場面で求められる高次な運動課題まで、多義にわたっていろいろなところで記述されてきました。
また、ご存じの方もおられると思いますが「スキャモンの成長曲線」というものが子どもの発達における神経系の説明によく用いられています。スポーツの世界では幼稚園児ぐらいの時期をプレゴールデンエイジ、5,6歳位~12,13歳位までの小学生の時期をゴールデンエイジと呼び、運動習得のための非常に重要な時期と位置づけられています。
このことはASD児においても同じであり、この時期に様々な運動に取り組ませることは有益であると考えられているのです。
特にASD児において感覚統合があまり出来ていない場合、感覚(視覚・聴覚・前庭覚・固有受容覚・触覚)の土台自体が不安定な場合が多くあります。
本来はその感覚の土台の上に積み上がっていくべきもの、すなわち姿勢・眼球運動、その上に粗大運動・ボディイメージ、その上に微細運動・言葉、その上に教科学習というのがあるのですが、土台がしっかりしていないため積み上げることが難しくなり困り事の原因となることもあります。
感覚統合とは、この感覚の土台を綺麗に並べ、積み重ねをしっかりとしていくことです。
近年、このような幅広い身体的不器用さの測定には、標準化されたアセスメントツールを用いる取り組みが発展してきています。その代表となるのがMovement ABCとMABC-2です。Movement ABCを用いた研究は、1990年代後半から現在に至るまで、DCD児のみならずASD児を対象として数多く研究や報告がなされています。
またMovement ABCは、手先の器用さとボール投補、またバランスという3つの上位項目によって構成されており、ASD児の身体的不器用さの状態を総合的に評価し、また個人内の得意、不得意を判断することが可能であり、効果的な支援のために活用することができるのです。
FORTUNAでは、時間的、費用的な問題等からそこまで実施することは出来ませんが、運動療育をするにあたり、このことを踏まえながら事前の勉強や準備をできる限り行い、理論的に子どもたちの運動を分析して、実践をできる限り広いグラウンドで行うように心掛けています。
特に感覚統合については、子どもたちが広々とした綺麗で安全な人工芝のグラウンド内を裸足で活動したり、自由に動き回りながら、ゴールデンエイジの子どもたちに新たな感覚刺激を入るためのプログラムを考えて活動しています。
次回もASD児の運動発達特性について説明します。
放課後等デイサービス FORTUNA
都筑区放デイFORTUNA 運動療育(ASD編3)
教室の毎日
25/05/27 19:04