みなさんこんにちは。
フォレストキッズ八事教室の代表の森です。
名古屋市昭和区にある当教室では、発達に特性のあるお子さま一人ひとりの個性や気持ちに寄り添いながら、安心できる環境の中で「できた!」を積み重ねる支援を行っています。
さて、今回は私自身の家庭での出来事から、少しだけプライベートなお話を綴らせていただきます。テーマは「きょうだい児」です。
以前のブログでも何度かこのテーマを取り上げさせていただきました。
兄である「我が息子」は、知的障害を伴う自閉症の特性を持っています。
弟は定型発達ですが、日々の生活の中で、兄とともに多くの経験をしています。
そして私はいつも思っていることがあります。
兄弟として育つこの弟は、どんな思いで毎日を過ごしているのだろうか。
そして、兄の姿を見ながら、どんな風に育っていくのだろうかと。
最近、そんな弟の姿にちょっと感動した出来事がありました。
それはある日の夜、お風呂でのひとコマでした。
先にお母さんが浴室に入っていて、子どもたちを呼んでいました。
弟はすぐにやって来たものの、「我が息子」はいつものように寄り道をしてなかなか現れません。
しびれを切らした母親が、やや苛立ち気味に「早く来て!」と声をかけたところ——
その時、弟がこんなふうに言ったのだそうです。
「そんなに怒っちゃダメだよ。怒ってもお兄ちゃんにはビックリするだけだよ。僕がつれてくるから、怒らないでね」
その言葉を聞いたとき、思わず母親の方がドキっとしたそうです。
まるで立場が逆転しているようなそのやりとりに、少し恥ずかしさを感じつつも、弟の内側に育ってきた「思いやりの芽」に、胸が熱くなりました。
弟は最近、セサミストリートに登場する自閉症の女の子「ジュリア」に関心を持っています。
その影響もあってか、「自閉症って、ちょっと違うだけなんだね」「困っていたら助けてあげるんだよね」と、彼なりに理解を深めているようです。
ただ、やはり日常の中で、実際に兄が困っている時にいつでも助けられるかというと、それはまた別の話。
なぜなら、弟自身もまだまだ甘えたい時期なのです。
「お母さん、見て!」「お母さん、来て!」と、自分の気持ちを受け止めてもらいたい瞬間が、兄のことよりも先に出ることだってあります。
そんな葛藤を抱えながらも、弟は弟なりに日々考え、感じ、育っているのだと、今回の出来事を通して実感しました。
子どもは環境や人との関わりから多くを学びます。
そしてその中で、自らの力で成長していくのだということを、あらためて教えられました。
兄の姿を通して、弟が感じていること。
弟の存在によって、兄が引き出されていく力。
そのどちらもが、かけがえのない「家族のかたち」なのだと思います。
これからも、弟の中に芽生えてきている優しさや、時に戸惑いながらも兄に向き合おうとする姿を、無理強いせず、そっと見守っていきたいと思います。
そして以前ご紹介した近藤直子先生の言葉が頭をよぎりました。
「子どもは意味を感じたことに主体性をもち、自分らしさを求めて自ら自分を変えていく」
まさに、弟の中で“兄の特性を理解すること”に意味が生まれ、それが行動につながった瞬間だったのだと思います。
親が教えたというより、弟自身が感じたことから、自らの在り方を少しずつ変えようとしているのだと感じました。
フォレストキッズ八事教室では、このようなご家庭での日々の小さな出来事にこそ、大きな気づきや成長の種があると考えています。
保護者の皆さまと、その想いを丁寧に共有しながら、私たち支援者も共に悩み、喜び、学び合っていく姿勢を大切にしています。
これからも、ご家庭でのお子さまの育ちの様子を共有させていただきながら、保護者の皆さまに寄り添い、共にお子さまの成長を見守る保護者支援に取り組んでまいります。
ーーーーーーーーーー
フォレストキッズ八事教室
📞 TEL:052-846-5672
〈受付時間〉
平日 10:00~18:00
土・祝日 9:00~17:00
我が息子67「兄と共に育つ弟の心」発達障害 親の気持ち
その他のイベント
25/06/24 16:20
