
みなさんこんにちは。
名古屋市昭和区にある児童発達支援事業所「フォレストキッズ八事教室」の代表の森です。
本日は、我が家の双子の兄弟、自閉症と知的障害をもつ我が息子と、定型発達の弟との間に生まれた、心温まるエピソードをご紹介させていただきます。
ある日の午後、ふとリビングから楽しそうな歌声が聞こえてきました。
そっとのぞいてみると、我が息子が大好きな絵本『とことこさんぽ』(杉山三四郎さんの歌付き絵本)を手に、ページをペラペラめくりながら、一人で歌っていたのです。
この絵本は、我が息子が療育園に通っていた頃、先生が歌いながら読み聞かせてくれていた思い出の絵本です。
大のお気に入りで、今でも大切にしています。母親がページごとにラミネート加工を施し、自分で紙芝居のようにめくりながら楽しめるように工夫してあります。
我が息子が一人で歌っていると、そこへ弟がやってきました。
弟はおもちゃのウクレレを手に取り、我が息子の歌を聞きながら、見よう見まねで一緒に歌い始めたのです。
私は驚きました。というのも、普段、弟は我が息子の世界にそっと寄り添いつつも、あえて深く関わることは避けるような距離感を保っていました。ところがこの日は、自ら進んで関わりに行ったのです。
さらに驚いたのは、我が息子の対応でした。
弟が歌詞を間違えると、「こうだよ」と言わんばかりに、自分の歌い方を強調してもう一度歌い直し、弟を導くような姿勢を見せたのです。
言葉で上手に伝えることが難しい我が息子ですが、その表情や声のリズム、目線の送り方にはしっかりと意図が込められていました。
そして弟もまた、それをしっかりと受け取り、我が息子と一緒に歌い直していました。
最後のページを歌い終えたとき、二人は顔を見合わせるようにして、自然と拍手をしていました。照れくさそうに笑う弟と、満足そうに笑う我が息子。その光景は、とても微笑ましく、そして心に残るものでした。
これまで、我が息子は一人遊びが中心で、弟と一緒に何かの遊びを楽しむという場面はほとんどありませんでした。だからこそ、この日の出来事は、私たち家族にとって特別な意味を持ちます。
何よりも感動したのは、我が息子がこの遊びを主導していたこと。そして弟が、我が息子のペースに合わせるようにして、共に歌い、共に楽しもうとしていたこと。お互いの存在を意識し合いながら、自然に関わりを育んでいた姿は、発達の違いを超えた「きょうだい」の絆を感じさせるものでした。
言葉だけがコミュニケーションではありません。ときに、表情や声、行動の中にこそ、相手への思いが詰まっています。今回のように「好きなこと」を介して関わることで、我が息子にとっても弟にとっても、無理のないかたちで心を通わせることができたのだと思います。
フォレストキッズ八事教室では、子どもたち一人ひとりの「好き」を大切にしながら、そこから生まれる関わりや学びを引き出していく支援を大切にしています。たとえ言葉が少なくても、自分の気持ちを表現する方法はたくさんあります。そして、その表現に寄り添い、受け止める存在がいることで、子どもたちは安心して成長していけるのだと考えています。
また、我が家のように、発達に違いを持つきょうだいがいるご家庭では、日々さまざまな葛藤や工夫があることと思います。当教室では、そうした保護者の皆さま同士が語り合える「保護者交流会」を毎月開催しています。ぜひ、お気軽にご参加いただき、お子さまのこと、ご家庭でのことを一緒に共有しあえる場になれば嬉しいです。
子どもたちの成長は、ある日突然大きく現れるものではありません。ふとした日常の中に、素敵な場面や小さな変化が現れます。私は子どもたちの、このような瞬間を感じ取り成長へと繋げていけるように日々過ごしています。今回の兄弟の姿も、そうした積み重ねの中で生まれた、かけがえのないひとときでした。
これからも、子どもたちの「今の楽しい!」を大切にしながら、一人ひとりの歩みに寄り添っていきたいと思っています。
ーーーーーーーーーー
フォレストキッズ八事教室
📞 TEL:052-846-5672
〈受付時間〉
平日 10:00~18:00
土・祝日 9:00~17:00
名古屋市昭和区にある児童発達支援事業所「フォレストキッズ八事教室」の代表の森です。
本日は、我が家の双子の兄弟、自閉症と知的障害をもつ我が息子と、定型発達の弟との間に生まれた、心温まるエピソードをご紹介させていただきます。
ある日の午後、ふとリビングから楽しそうな歌声が聞こえてきました。
そっとのぞいてみると、我が息子が大好きな絵本『とことこさんぽ』(杉山三四郎さんの歌付き絵本)を手に、ページをペラペラめくりながら、一人で歌っていたのです。
この絵本は、我が息子が療育園に通っていた頃、先生が歌いながら読み聞かせてくれていた思い出の絵本です。
大のお気に入りで、今でも大切にしています。母親がページごとにラミネート加工を施し、自分で紙芝居のようにめくりながら楽しめるように工夫してあります。
我が息子が一人で歌っていると、そこへ弟がやってきました。
弟はおもちゃのウクレレを手に取り、我が息子の歌を聞きながら、見よう見まねで一緒に歌い始めたのです。
私は驚きました。というのも、普段、弟は我が息子の世界にそっと寄り添いつつも、あえて深く関わることは避けるような距離感を保っていました。ところがこの日は、自ら進んで関わりに行ったのです。
さらに驚いたのは、我が息子の対応でした。
弟が歌詞を間違えると、「こうだよ」と言わんばかりに、自分の歌い方を強調してもう一度歌い直し、弟を導くような姿勢を見せたのです。
言葉で上手に伝えることが難しい我が息子ですが、その表情や声のリズム、目線の送り方にはしっかりと意図が込められていました。
そして弟もまた、それをしっかりと受け取り、我が息子と一緒に歌い直していました。
最後のページを歌い終えたとき、二人は顔を見合わせるようにして、自然と拍手をしていました。照れくさそうに笑う弟と、満足そうに笑う我が息子。その光景は、とても微笑ましく、そして心に残るものでした。
これまで、我が息子は一人遊びが中心で、弟と一緒に何かの遊びを楽しむという場面はほとんどありませんでした。だからこそ、この日の出来事は、私たち家族にとって特別な意味を持ちます。
何よりも感動したのは、我が息子がこの遊びを主導していたこと。そして弟が、我が息子のペースに合わせるようにして、共に歌い、共に楽しもうとしていたこと。お互いの存在を意識し合いながら、自然に関わりを育んでいた姿は、発達の違いを超えた「きょうだい」の絆を感じさせるものでした。
言葉だけがコミュニケーションではありません。ときに、表情や声、行動の中にこそ、相手への思いが詰まっています。今回のように「好きなこと」を介して関わることで、我が息子にとっても弟にとっても、無理のないかたちで心を通わせることができたのだと思います。
フォレストキッズ八事教室では、子どもたち一人ひとりの「好き」を大切にしながら、そこから生まれる関わりや学びを引き出していく支援を大切にしています。たとえ言葉が少なくても、自分の気持ちを表現する方法はたくさんあります。そして、その表現に寄り添い、受け止める存在がいることで、子どもたちは安心して成長していけるのだと考えています。
また、我が家のように、発達に違いを持つきょうだいがいるご家庭では、日々さまざまな葛藤や工夫があることと思います。当教室では、そうした保護者の皆さま同士が語り合える「保護者交流会」を毎月開催しています。ぜひ、お気軽にご参加いただき、お子さまのこと、ご家庭でのことを一緒に共有しあえる場になれば嬉しいです。
子どもたちの成長は、ある日突然大きく現れるものではありません。ふとした日常の中に、素敵な場面や小さな変化が現れます。私は子どもたちの、このような瞬間を感じ取り成長へと繋げていけるように日々過ごしています。今回の兄弟の姿も、そうした積み重ねの中で生まれた、かけがえのないひとときでした。
これからも、子どもたちの「今の楽しい!」を大切にしながら、一人ひとりの歩みに寄り添っていきたいと思っています。
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