こんにちは!
ChouChouの中川です😊
強度行動障害について第三回です。
強度行動障害の判定基準は?
ABC-Jによる評価とは?
強度行動障害は医学的な診断名ではなく、そのため医師による診断基準に基づくものではありません。
行政および福祉分野における支援判定のための基準が設けられており、主に支援者間で活用される概念です。
強度行動障害の具体的な種類、程度、および頻度を評価することで、個々のニーズに適した支援計画を策定・提供することを目的としています。
実際の支援対象者の判定基準として、以下で述べるような項目が利用されています。例えば、行動援護が必要とされる場合は、障害程度区分が3以上であり、かつ行動関連項目の点数が10点以上であることが条件となります。
行政における強度行動障害の判定基準
1. 強度行動障害判定規準項目
強度行動障害は、「ひどく自分の体を叩いたり傷つけたりする等の行為」や「激しいこだわり」といった項目において、行動の頻度と強度から評価されます。
11の項目において、それぞれの項目に1点、3点、5点の得点を割り当て、その合計得点が10点以上であれば、強度行動障害と定義されます。
現在、制度改正が進められつつあり、福祉型障害児入所施設では、強度行動障害児特別支援加算の判定基準としてこれが使用されています。
2. 行動関連項目
2014年度に導入された障害支援区分の認定調査項目の中で、「行動関連項目」は、行動援護、重度訪問介護、重度障害者等包括支援などの支給決定の基準点を算出するためのものです。
急発的な行動やコミュニケーションなどの12項目について、0~2点で評価し、その合計が10点以上の場合が対象となります。
ABC-Jによる評価
ABC-Jは、異常行動チェックリストの日本語版を指します。このチェックリストは、「興奮性」「無気力」「常同行動」「多動」「不適切な言語」というような項目を通じて異常行動を評価するためのツールになっています。
この検査は、治療の効果を評価する基準として行動障害に対して活用されています
強度行動障害のある方への対応で大切なこと
強度行動障害は、子どもの特性と周囲の環境の不調和が原因とされています。このため、子どもの生活環境や周囲の関わり方を適切に整えることが、強度行動障害のある子どもにとって非常に重要です。
他者に対しての暴力的な行動や自傷行動への対応において、叩き返すや力ずくで抑えるといった方法は虐待行為に該当します。このような誤った対応は、逆に行動障害を悪化させる可能性があります。
厚生労働省が提唱する「強度行動障害のある人を支えるための5つの原則」によれば、強度行動障害のある方が安定して過ごすためには以下の要件が大切とされています。
1安定して通える日中活動
2住内の物理的構造化
3ひとりで過ごせる活動
4確固としたスケジュール
5移動手段の確保
強度行動障害のある方は、一定のルールや進行の見通しがあると比較的落ち着くことが多いとされています。
1.安定して通える日中活動
強度行動障害のある方は、日中においては個別のスペースや決まった日課のある落ち着いて過ごせる場所が重要とされています。
自宅での安定した環境が難しい場合は、上述のような静かでリラックスできる場所に通うことが勧められています。
同時に、その場で過ごす際には、強度行動障害のある方を一人にせず、支援者などが健康や安全に気を配りながら適切な環境を提供することも求められています。
2.居住内の物理的構造化
強度行動障害を有する方にとって、日中は個別のスペースや明確な日課が設定された環境で安定して過ごすことが重要視されます。自宅での安定が困難な場合は、このような静穏で安心できる支援拠点への通所が推奨されます。また、滞在中は対象者を単独で行動させることなく、支援者が健康と安全に配慮しつつ、適切な環境整備と支援を提供することが求められます。
3.ひとりで過ごせる活動
一人で過ごせる場所を用意するだけでは、その場で何をすれば良いのか分からないため、部屋を出てしまったり、他者を巻き込もうとして行動の問題が悪化することがあります。そのため、場所だけでなく、一人で過ごす際の具体的な活動も提供することが重要です。これにより、本人が気持ちを整えたり楽しんだりできると同時に、周囲の人々も安心して見守ることができます。
4.確固としたスケジュール
強度行動障害のある子どもが繰り返し行う日課において、家族がそれを見守り、予定の変更が必要な場合には子どもが見通しを立てることができるような伝え方ができている状態が望ましいです。これにより、子どもが安定感を得られ、予測可能な環境で過ごすことができると同時に、家族もコミュニケーションを円滑に図りながら、子どもの日常生活をサポートすることが可能となります。
5.移動手段の確保
日中の外出時や活動において、強度行動障害のある子どもが少ない刺激や変化に接する状態で、安心できる移動手段が確保されていることも重要です。
これらの状態を確保するためには、家族だけでは難しい場合もあります。そのため、障害福祉サービスを活用しながら、子どもに最適な対応策を見つけていくことが良いでしょう。
家族のレスパイトケアも重要
また、強度行動障害のある子どもの家族にとって、「レスパイトケア」も極めて重要です。
「レスパイト」とは、「小休止」や「息抜き」を指し、自宅で介護などを担当する家族の精神的・身体的負担を軽減することを目的とします。
計画的にショートステイや行動援助などのサービスを活用することや、急な身内の事態で家族が自宅を離れる場合に、強度行動障害のある子どもが利用できる緊急一時サービスを確保しておくことは、家族の負担を軽減し、長期的なサポートを提供する一助となります。
強度行動障害のある方への支援
在宅で受ける支援
行動援護
自傷や異食といった行動により介護が必要な方に対しては、行動時の危険を回避するための支援や外出時の介護を提供します。
重度障害者等包括支援
多様な支援が必要で重度の障害がある方に向けて、居宅介護や行動援護など包括的なサービスを提供するのが特徴のサービスです。
重度訪問介護
高度な支援が必要な方に対して、入浴、排泄、食事などの身体介護、家族援助、コミュニケーション支援、外出時の移動介護などを包括的に提供します。
支援
施設入所支援
施設に居住している方へは、主に夜間において入浴、排泄、食事などの介護を提供するサービスです。
短期入所(ショートステイ)
介護者が不在の際、一時的に施設で預かり介護や支援を提供する事業所を指します。
これは、障害のある方だけでなく、家族など介護者の負担を軽減するための取り組みでもあります。
ChouChouの施設見学・面談は随時受け付けております💡
お気軽にお問合せ下さいませ🌈
〠536-0025
大阪市城東区森之宮1丁目5号棟106
☎06‐6786‐4418
✉eternitagroup.kids@gmail.com
強度行動障害③【全3回】
豆知識
25/06/17 10:31
