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ご利用者様のお悩み② 挑戦と自信 (児童発達支援ゆうり先生)

教室の毎日
先週に引き続き、今回もご利用者様のお悩みと、支援、そして現在のご利用者様の状況についてお話いたします。

本日のお話の主人公は、年長さんのC君です。

C君は4月から当教室に通っているお子様です。
集団行動ができない。口頭指示が入らない。運筆が苦手。などのお悩みを抱えていらっしゃいました。

通い始めて真っ先にぶつかった壁は「運筆」でした。

当教室では、毎日短時間ではありますが、お勉強の時間を設けています。

そこでは、ご利用者様それぞれに合わせた学習内容を提供していますが、必ず初めに「運筆」に取り組むことになっています。
毎日少しずつ取り組むことで、「書く」と言う行為に慣れるだけでなく、自己表現の広がりや、文字への興味のきっかけとなります。

C君は、平仮名は問題なく読めますが、運筆の取り組みとなると表情が険しくなります。
それは、「文字の形を真似するのが苦手」と言う事だけではなく「上手に書けないからやりたくない」という気持ちのほうが大きいようでした。

なので、初めはなぞる文字を大きく印刷し、好きな色のクレヨンでなぞるように促していきました。

C君は、手首を支える力も弱いので、鉛筆で書くと線が曲がってしまい、より自己肯定感が低くなってしまうと感じたからです。

「自分で好きな色を選べる」

「大きな文字でなぞりやすい」

この2点で、運筆への拒否感が少し薄れたのか、C君は時間を掛けながらも挑戦し、1人でなぞり書きを終わらせることができました。
書き終えたことで達成感があったのでしょう。職員にキラキラした笑顔を見せ

「1人でできた!」

と伝えてくれました。私たちも嬉しくなって一緒に喜んでいると、隣に座っていたお友達が「すごいねえ」と声をかけてくれました。
それが本当に嬉しく感じたのと同時に、挑戦した結果から自信を得たようです。そこからのC君をどんどん成長していきました。

お勉強の時間の運筆を渋ることなく、進んで取り組めるようになりました。
自分の名前の文字の形を意識し始め、職員にプリントのマスに名前を書いてほしいと頼み、なぞり書きの練習するようになりました。
ある時は、幼稚園で自主的に書いてきた文字を見ながら、名前を練習する姿も見られました。

このどれも、こちらから促したことはなく、すべて自主的に取り組んでいました。素晴らしい努力家です。
そんな自主練習を繰り返すこと約一カ月。とうとう、見本を見ながら1人で名前を書けるようになりました!

ついこの間まで運筆に苦戦していたとは思えないほどの成長ぶりでした。


今回の出来事だけでなく、日常の様々な場面で新しいことに挑戦することが出てきます。
お勉強だけでなく、お友達との関わり方や、衣服の着脱など、挑戦することは山のようにあります。

一度で上手にできるなんてことはなく、何度も失敗と挑戦を繰り返して自分なりの突破口を見つけていくものです。
子どもだけでなく、大人もそうですが、どうしても失敗を恐れてしまう時があります。私自身も、失敗は怖いですし、新しく挑戦するということは何度でも緊張します。

ですが、勇気をだして何度も挑戦すると、その分だけ成長するきっかけが生まれ、自信がつきます。
何事も成長するには挑戦と失敗、そして自信がつく。の繰り返しです。
私たちも子どもに負けないように「挑戦してみよう!」と言う気持ちになれるように日々支援し、自信へ繋げていけるようにしていきたいと思います。

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