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褒めて伸ばす?(心理部 あきら先生)

教室の毎日
子どもの成長には「褒める」ことが大切だとよく言われませんか?

子どもは褒められると当然嬉しい気持ちになり、また褒められるために同じことを繰り返そうとする傾向があります。
そもそも褒められることが嫌いな人はほとんどいないでしょう。

では実際に褒める時、どういった言葉かけが良いのでしょう。

過去にこんな実験がありました。

まず400人の子どもたちに簡単な問題を解かせます。
半数の子どもには「頭がいいね」と才能を褒め、もう半数の子どもには「本当によく頑張ったね」と努力を褒めました。

そしてその後に難しい問題に挑戦するか簡単な問題を解くか選ばせたそうです。

子どもたちはどちらを選ぶと思いますか?

「頭がいいね」と才能を褒められたグループの子どもたちの3分の2が簡単な問題を選び、
一方で「よく頑張ったね」と努力を褒められたグループは9割もの子どもが難しい問題を選んだそうです。

なぜこういった違いが出たのでしょうか。

才能を褒められた子どもたちは、難しい問題を解いて仮に不正解だった際に「頭がいい」というレッテルが剝がれてしまう恐れがあったためだと考えられています。

逆に努力を褒められた子どもたちは「努力すること」に重きを置いたため、難しい問題に積極的にチャレンジしたのだと推察することが出来ます。

そして問題を選ばせた後どちらを選んだかによらず、かなり難しい問題が出されたそうです。

その難しい問題に対する反応もグループごとに異なっていて、
才能を褒められたグループは自分が問題を解けなかったのは「自分の頭がよくない」「問題を解く才能がない」と自分の知能や才能がないことを原因と捉えてしまいました。

そして自己肯定感が落ち、その後簡単な問題を出されても自信は回復せず成績も実験前よりも落ちてしまったそうです。

努力を褒められたグループは難しい問題に対して、才能を褒められたグループより積極的に問題に取り組み、たとえ解けなくても自信を喪失することはなかったそうです。

努力を褒められたことで「頑張って考える」「難しいものほど面白い」と捉え、問題が解けたかどうかの結果よりもそれまでの過程での労力、つまり努力を惜しまなかったといいます。
そして実験前よりも自己肯定感も成績が上がったそうです。

この実験の結果から、どういった褒め方が良いと言えるのか。

それはもちろん「頑張った過程を褒める」ことが望ましいです。

たとえ間違っていたりうまくいかなかったとしても「ここまで頑張って考えたんだね」「一所懸命やったんだね」といった声掛けをすることで、「頑張ってやることに意義がある」と伝えることができます。

もちろん良い結果になったことを褒めてはいけない、というわけではありません。

結果を褒めてあげたい時は、なぜ良い結果になったのかを同時に伝えてあげると良いでしょう。

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