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「工作やりたくない」児童発達支援 (みう先生)

教室の毎日
「えー、工作やりたくないよ」
放課後等デイサービスで勤務していた中で幾度となく言われた言葉です。

やりたくない理由を問うと、様々な理由を教えてくれました。
・ブロックで遊んでいる時間の方が楽しいからやりたくない
・今は気分じゃない
・接着剤や絵具で手が汚れるから不快
様々です。中でも一番多かったのは、「見本と同じにならないから」という理由でした。

“見本のように”きれいに粘土が丸まらないから
“見本のように”きれいに色が塗れないから
“見本のように”きれいに完成しないから

それを聞いて、「じゃ、工作やめようか」とはなりません。
むしろ、どうアプローチすれば工作に参加してくれるか考えます。

見本のように完璧に作らなければいけないとは思ってはいません。
工作に対する苦手意識がなくなれば参加する意欲に繋がると考えました。

「見本と同じ」ということは、模倣ができるかできないかに大きく左右されると思います。

以前、ブロックを組み立て、同じ形を作ってもらう工作をしました。
正面から目に見えているところは問題なく組み立てられましたが、動かさないと見えない反対側や側面を同じように作るのは困難なようです。

まずは立体より平面と思い、点つなぎを行おうと思いましたが、そもそも鉛筆を握ることにすら苦手意識が強く、思ったように進みません。

そこで、パターンボードを作成してみました。
パターンボードとは、穴が開いたボードに棒を立ててその棒に輪ゴムをひっかけて図形を作る教材です。
鉛筆を持たずに家の形や図形を作れることに興味が引かれた児童はいろいろな形を作ってくれました。
ある程度の抵抗がなくなってきたところで、パターンボードの中に図形の見本を作り、隣で同じ形を作ってもらいました。
輪ゴムをかける順番は違くても、形を再現することができた児童は、
「次はこの形を作って!」とリクエストをくれるようになり、
いろいろな図形をいろいろな向きから再現ができるようになりました。
次第に、輪ゴムを見本と同じ順番でかけることにもこだわりはじめ、順番を含めた模倣ができるようになりました。

ある日、試しに一枚の折り紙を渡し、「チューリップを折ってみようよ。」とお誘いしてみると、
「どうやって作るの?」と積極的に参加してくれ、そこから折り紙を通して、
物を作ることに抵抗感が薄くなっていたように感じました。

パターンボードや折り紙を通して指先の繊細な力加減を学習し、粘土や色塗りの力加減に活かすことができ、工作に意欲的に参加してくれるようになりました。


当施設でも、2種類のパターンボードを作成いたしました。
家の間取り図のような形を作り、これは防御のすごいお家だよ!!と教えてくれたり、輪ゴムがどこまで長く伸びるか限界をチャレンジしている児童もいます。

パターンボードでは、主に図形感覚や集中力を鍛えたり、「見る力」を向上、指先の力加減等の巧緻性の向上が期待できます。

嫌な事・苦手な事を紐解いていくと思いがけない理由が見えてくることがあります。
また、それを解決する方法を探っている間に、思いもよらなかった得意なことが見つかったりすることがあります。
ぜひ、なにかお困りなことがありましたら、ご相談ください!

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