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声の大きさについて(児童発達支援こうた先生)

教室の毎日
今回は「声の大きさ」についてお話をします。

当教室に通っている年中さんの男の子がいます。

その子は真面目でいつも明るく元気でハキハキとしています。

ただ、お友達とお話をしていたり、発表をしたりするときについつい声が大きくなり過ぎてしまいます。

お友達とお話をしているときは楽しい気持ちが強くなりすぎてしまい、気持ちや声のボリュームのコントロールが上手くできず声が大きくなってしまうことが多いです。

発表をするときは、その子の真面目な性格も相まって「発表しなくちゃ!」と気構えてしまい、声が大きくなり過ぎてしまいます。

どちらも結果として、声が大きくなり過ぎているのですが理由は異なります。

その都度「やさしい声で話そうね」と伝えますが、中々定着することは難しいです。

なぜ定着することが難しいのか。

それは、声の大きさは目に見えない物でとてもアバウトだからです。

「やさしい声」と言っても、人によって物差しは違うので自分にとってはやさしい声でも他人からしたら大きい声なことも多々あります。

その子にとっては、やさしい声で話しているつもりなのです。

一般的にどれぐらいのボリュームがやさしい声なのか。

これは大人でも難しいと思います。「これぐらい」という基準が目に見えて決まっていないからです。

日頃、様々な人とコミュニケーションを取っている大人でも難しいのですから、子どもたちに難しいのは当然です。

そもそもなぜ、近くに人がいるときに大きな声を出してはいけないのか理由を知らない子もいると思います。

そこで先日の授業では、なぜ近くに人がいるときに大きな声を出してはいけないのか理由をお伝えした後に、「やさしい声の大きさを習得すること」を目的とした伝言ゲームを行いました。

本来、伝言ゲームではお題を1つ決めて、後ろに並んでいる人にお題が分からないようにして小さい声で回していきますが、自分に回ってきたタイミングで突発的にお題を言ってしまったり、伝言する声が大きすぎて聞こえてしまったりするので、今回は列の前後を1メートル程余裕を持って空けて、且つランダムでお題カードを毎回引いてもらい、後ろの人に伝言してもらいました。

活動中、普段なら楽しい気持ちで声が大きくなりがちですが、やさしい声を意識して取り組んでもらうことで、その活動中には1度も大きい声を出さず、やさしい声で伝言することができていました。

今回の活動を通して、やはり目に見えない物。今回は声の大きさでしたが、適切な力加減等に関しては実際に体感をしてもらった方が習得するスピードが速いし分かりやすいと感じました。

伝言ゲームが終わったあとの遊びの時間や帰りの会の歌、帰りの送迎での車内でもやさしい声で過ごすことができました。

この内容は1週間で身につけることは難しいです。

繰り返し何度も何度も伝えていくことで自然と使い分けができるようになります。

声が大きいことが悪いわけではないです。

「場面や状況によっての声の大きさを使い分けができること」が重要です。

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