「普通、これくらいできるよね」
「普通、こんなことじゃ泣かないよ」
「普通〇〇だよね?」と思うこと、たくさんありませんか?
そもそも「普通」とは何でしょうか。
私は、「普通」について考える出来事がありました。
私は、大人になってから、首を振るチック症状が出るようになりました。
思い返せば、子どもの頃にも疲れた時や不安な時に
自然と首を振っていた記憶があります。
その時は特に気にすることなく過ごしていました。
ところが、大人になって症状が酷く現れ、
「普通の生活が送れない自分」
に焦りや不安を感じるようになりました。
思い切って家族に打ち明けたものの、
言葉が足りず、
「病気なら薬を飲めばいいんじゃない?」
と言われました。
私は、
「分かってもらえなかった」
と感じ、心を閉ざそうとしてしまいました。
それでも少しずつ話し合い、
家族も症状について調べ、理解しようとしてくれました。
今では症状も落ち着き、日常生活も問題なく送れるようになりました。
それができたのは、家族をはじめ、
私を理解しようとしてくれる人がそばにいたからだと思います。
初めて症状を見る人の中には驚く方もいます。
それでも、理解しようとしてくれる姿に何度も救われてきました。
お子さんと関わる中で、
理解しづらい言動に戸惑うことがあるかもしれません。
私自身、
「早く治さないと “普通” じゃなくなる」
と思って焦っていた時期もありました。
でもあるとき、ふと思ったのです。
「そもそも “普通” ってなんだろう?」
確かに、「急に首を振る」ということは、
一般的には、
「普通ではない」かもしれません。
私も最初は自分自身を受け入れられませんでした。
しかし、今は「首を振ること」も含めて、
それが、「私の普通」なんだ
と思えるようになりました。
当たり前のことですが、
人によって「普通」と感じることは違います。
その違いが、すれ違いや誤解を生むこともあります。
でも、
「この子にとっての普通はなんだろう?」
と想像してみること、
それが、子どもたちが自分らしく生きる第一歩になると思います。
お子さんに期待を寄せるからこそ、
つい叱ってしまうこともあると思います。
それは決して悪いことではありません。
しかし、期待の中に
「この子の “普通” に寄り添う気持ち」があるだけで、
子どもはもっと安心して、前に進んでいけると思います。
自分の気持ちを伝えることが難しい子もいます。
心の中は見えない為、分かり合うことは簡単ではありません。
それでも私は、
「ちょっと違う自分」を受け入れてもらえた経験から、
理解しようとする気持ちがどれだけ大きな力になるのかを知りました。
他人の「普通」ではなく、
自分自身や目の前にいる子どもたちにとっての
「普通」を大切にすること。
簡単なことではありませんが、それができたら、
子どもたちも私たちも自分らしく生きていけるのではないかと思います。
「普通」って何だろう? 児童発達支援(すずな先生)
教室の毎日
25/05/19 11:06
