おしゃべりが不明瞭、聞き取りにくい音があるなど、お子さんの発音について心配されている親御さんもおられるのではないでしょうか?
今回は、「子どもの発音」についてと、「普段の生活の遊びの中で取り組める活動」についてお話をします。
口や舌、鼻、喉など声を出す器官でことばの音を作り出すことを、「構音」や「調音」と言います。ここでは、専門用語を避け発音と表現した箇所があります。
子どもの構音にも発達段階があり、日本語の音のすべてを正しく言えるようになるのは、5歳~7歳頃と言われています。
0~2歳:母音・わ・ヤ行・マ行・パ行・バ行・ちゃちゅちょなど
3~4歳:ナ行・ハ行・カ行・ガ行・ラ行・だでど・たてと
4~7歳:サ行・ザ行・つ
年齢や獲得順序は目安です。
実際には個人差があり、当てはまらないお子さんもいます。
成長とともに様々な発音を覚え、正しい音で話せるようになります。
特にサ行やラ行は6歳以上でも獲得するのは難しいと言われています。
音を獲得するまで、難しい発音を簡単な音で言い換えて発音します。
例:さかな→「たかな」「しゃかな」「ちゃかな」
普段の生活や遊びの中に、構音の発達を促す活動がたくさんあります。
①食事
食べることと話すことには、口や舌など共通した身体の器官を使います。食べる機能の獲得は、ことばを話す身体づくりに深く関係します。
食事の際は、しっかり口を閉じて食べる、よく噛んで食べる、咀嚼し食べ物を舌を使って食道へ送り込む、口の周りについた食べ物や飲み物を舌を伸ばして舐めるなど、口全体を動かす練習をしましょう。
これらの動きは、話すときにも使っている大切な動きです。
食後や歯磨き後の何気なく行っている「うがい」は、カ行を発音する時の動きになっています。
あめを舐める動作は口の筋肉と舌のトレーニングになります。
②吹く・吐く遊び
シャボン玉
吹き戻し
ラッパなど口で吹くおもちゃ
ストローでコップのお水をぶくぶく など
お子さんの興味がある遊びで楽しみながらやってみましょう。
③顔を使った遊び
いないいないばあ
にらめっこ
変顔遊び
顔じゃんけん
顔を使った遊びで、顔や口周りをよく動かしましょう。
④ぐるぐるマッサージ
顔に直接触れるのもおすすめです。
ほほを優しく包んで、顔を洗う時のようにぐるぐるとマッサージをします。
お子さんに感覚過敏がある場合には、顔をいきなり触るのではなく、お腹や肩など顔から遠いとこから徐々に近づき、少しずつ顔に触れるようにします。
ここまで家庭で遊びながら取り組める活動を紹介をしました。
お子さんの話し方や音の誤りが気になるとは思いますが、発音を気にせず、お子さんの話をゆっくりじっくり聞いてあげてください。
発音の誤りを注意したりせず、会話の中で正しい発音を聞かせてあげてください。
「伝わった!」という経験の積み重ねが、おしゃべりのモチベーションに繋がります。お子さんと遊びを通して楽しんで取り組んでみてください。
構音に関して気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。
参考・引用文献:絵をみてまねっこ!いっしょにできたねおしゃべりかーど
企画・監修 寺田奈々
気になる、子どもの発音 ことばの教室 みか先生
教室の毎日
25/06/26 17:45
