下記の記事は、理学療法士協会より転載しています。
1. 発達性協調運動症(DCD)って何?
からだの機能には問題がないにも関わらず、運動のぎこちなさと新しい運動スキルの獲得の難しさを主症状とする神経発達症の一つとして発達性協調運動症(Developmental Coordination Disorder: DCD)があります。DCDのあるお子さんでは運動のぎこちなさのために学校生活や日常生活に困難をきたしてしまいます。
2.DCDの症状とは?
ジャンプしたり走ったりが苦手、手先を動かすのが苦手、平均台や片足立ちができない、投げたり蹴ったりが苦手、等々
3.DCDの原因とは?
人間は運動に失敗した際、その経験をもとに運動を改善していくことができます。また、子どもは日常生活での多くの運動スキルを、両親や周囲の人の動きを観察し、真似をすることで身につけていきます。さらに、運動スキルは成功体験を積み重ねることで強化されていくものです。しかし、DCDのお子さんでは、こうした脳の運動学習機能が十分でないことがわかっています。
4.DCDのお子さんに生じやすい心の問題(図)
DCDのあるお子さんは、運動のぎこちなさから運動に対する楽しみや興味が低下しやすくなります。特に子どもにとって、運動が上手にできるかどうかは自己肯定感や自尊感情に大きな影響を与えます。さらに、学校での活動の約半分は書字活動であり、体育の授業、図画工作、運動会、新体力テストなど、運動のぎこちなさが明らかになる場面が多く存在します。このため、DCD のあるお子さんでは、自己肯定感や自尊感情が低下しやすくなります。また、子ども同士の遊びには、追いかけっこや遊具を使った遊び、サッカーや野球など、運動を伴うものが多くあります。DCDのあるお子さんは、これらの遊びについていけず、孤独感を感じることも少なくありません。さらに、DCDのあるお子さんでは全身の筋緊張が低いことが多く、一生懸命取り組んでいても「ダラダラしている」「怠けている」と誤解されがちです。そのため、先生や保護者などの大人から「もっとしっかりしなさい」「怠けるな」といった批判を受けることもあります。時には、「あの子は運動が上手なのに、どうしてあなたはそんなに運動神経が悪いの?」という心ない言葉をかけられることもあります。また、根性論に基づき、配慮のない指導を受けることもあり、繰り返し練習を強要されることがあります。こうした状況に加え、体育の授業などで友達から嘲笑の的にされたり、決して許されることではありませんがいじめの対象になったりすることもあります。DCDのあるお子さんでは、運動のぎこちなさに加えて、こうした周囲の環境の要因が加わることによって、しばしば不安障がいや抑うつなどの心の問題に発展することも少なくありません。
6. 運動スキルを向上させるコツ
・「できないから」という理由で目標を押し付けず、子ども自身が「本当にやりたい」「できるようになりたい」と思うことを目標にしましょう。
・上手になることを求めるのではなく、子どもが自分なりの方法を見つけられるようにサポートしましょう。指導者と子どもという一方的な関係性ではなく、共に目標に向かって進むパートナーとしての姿勢が大切です。
・初めのうちは成果よりも取り組む姿勢や努力を褒めましょう。また、「すぐにできなくても大丈夫」という安心感を与えることも大切です。
・褒める際には、何が良かったのかを具体的に伝えることも重要です。
・嫌いな運動をそのまま練習するのではなく、子どもの趣味や興味を活かして、楽しく練習できる工夫をしましょう。
・教えるときは「よく頑張ってるね」と褒めてから「こうしてみたらどうかな?」といった提案型の声かけをしましょう。「違う」「失敗」「間違い」といった否定的な言葉は避けましょう。
・運動スキルは短期間では獲得できません。子どもが毎回達成感を感じられるように、目標までの過程を細かいステップに分けて、継続的に取り組むことが大切です。
理学療法士は、上記の様な身体発達の問題に運動面を通じて、アプローチすることが得意です。
出来ないことも、その前段階の機能に着目し、どのような運動機能が不足しているのか等を評価しながら運動の獲得やスキルアップを目指すことが出来ます。
1. 発達性協調運動症(DCD)って何?
からだの機能には問題がないにも関わらず、運動のぎこちなさと新しい運動スキルの獲得の難しさを主症状とする神経発達症の一つとして発達性協調運動症(Developmental Coordination Disorder: DCD)があります。DCDのあるお子さんでは運動のぎこちなさのために学校生活や日常生活に困難をきたしてしまいます。
2.DCDの症状とは?
ジャンプしたり走ったりが苦手、手先を動かすのが苦手、平均台や片足立ちができない、投げたり蹴ったりが苦手、等々
3.DCDの原因とは?
人間は運動に失敗した際、その経験をもとに運動を改善していくことができます。また、子どもは日常生活での多くの運動スキルを、両親や周囲の人の動きを観察し、真似をすることで身につけていきます。さらに、運動スキルは成功体験を積み重ねることで強化されていくものです。しかし、DCDのお子さんでは、こうした脳の運動学習機能が十分でないことがわかっています。
4.DCDのお子さんに生じやすい心の問題(図)
DCDのあるお子さんは、運動のぎこちなさから運動に対する楽しみや興味が低下しやすくなります。特に子どもにとって、運動が上手にできるかどうかは自己肯定感や自尊感情に大きな影響を与えます。さらに、学校での活動の約半分は書字活動であり、体育の授業、図画工作、運動会、新体力テストなど、運動のぎこちなさが明らかになる場面が多く存在します。このため、DCD のあるお子さんでは、自己肯定感や自尊感情が低下しやすくなります。また、子ども同士の遊びには、追いかけっこや遊具を使った遊び、サッカーや野球など、運動を伴うものが多くあります。DCDのあるお子さんは、これらの遊びについていけず、孤独感を感じることも少なくありません。さらに、DCDのあるお子さんでは全身の筋緊張が低いことが多く、一生懸命取り組んでいても「ダラダラしている」「怠けている」と誤解されがちです。そのため、先生や保護者などの大人から「もっとしっかりしなさい」「怠けるな」といった批判を受けることもあります。時には、「あの子は運動が上手なのに、どうしてあなたはそんなに運動神経が悪いの?」という心ない言葉をかけられることもあります。また、根性論に基づき、配慮のない指導を受けることもあり、繰り返し練習を強要されることがあります。こうした状況に加え、体育の授業などで友達から嘲笑の的にされたり、決して許されることではありませんがいじめの対象になったりすることもあります。DCDのあるお子さんでは、運動のぎこちなさに加えて、こうした周囲の環境の要因が加わることによって、しばしば不安障がいや抑うつなどの心の問題に発展することも少なくありません。
6. 運動スキルを向上させるコツ
・「できないから」という理由で目標を押し付けず、子ども自身が「本当にやりたい」「できるようになりたい」と思うことを目標にしましょう。
・上手になることを求めるのではなく、子どもが自分なりの方法を見つけられるようにサポートしましょう。指導者と子どもという一方的な関係性ではなく、共に目標に向かって進むパートナーとしての姿勢が大切です。
・初めのうちは成果よりも取り組む姿勢や努力を褒めましょう。また、「すぐにできなくても大丈夫」という安心感を与えることも大切です。
・褒める際には、何が良かったのかを具体的に伝えることも重要です。
・嫌いな運動をそのまま練習するのではなく、子どもの趣味や興味を活かして、楽しく練習できる工夫をしましょう。
・教えるときは「よく頑張ってるね」と褒めてから「こうしてみたらどうかな?」といった提案型の声かけをしましょう。「違う」「失敗」「間違い」といった否定的な言葉は避けましょう。
・運動スキルは短期間では獲得できません。子どもが毎回達成感を感じられるように、目標までの過程を細かいステップに分けて、継続的に取り組むことが大切です。
理学療法士は、上記の様な身体発達の問題に運動面を通じて、アプローチすることが得意です。
出来ないことも、その前段階の機能に着目し、どのような運動機能が不足しているのか等を評価しながら運動の獲得やスキルアップを目指すことが出来ます。