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【児童発達支援・放課後等デイサービス】発達支援Labo ランプのブログ一覧

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第8回「ツール(道具)としてのABA(応用行動分析)」

療育の深み
こんにちは、発達支援Laboランプです。
ここでは、定期的に療育支援に関連するテーマについて、理論的な背景と合わせて発信をしています。

今回のテーマは「ツール(道具)としてのABA(応用行動分析)」です。

ABA(応用行動分析)は、行動科学に基づく効果的なアプローチで、個人の行動を観察し、データを収集して介入することで、特定の行動を強化し(増やし)したり、望ましくない行動を減少させたりします。ABAの技術は、その基本原則が柔軟であるため、さまざまな状況やモデルに適用することができます。今回は、ABAの医学モデル、社会モデル、ICFモデルへの適用について具体例を交えて探っていきます。

医学モデルにおけるABAの適用
 医学モデルは、障害を個人の問題として捉えると以前ご紹介しました(第 7回参照)。ABAは、特に自閉スペクトラム症(ASD)の治療において広く用いられ、具体的な行動改善を目指した介入が行われます。
 
具体例①ASD子どもへの介入
 ASDの子どもに対してABAを適用する場合、特定の社会的スキルやコミュニケーションスキルを強化するための個別のプログラムが設計されます。たとえば、ある4歳の男の子が、他者と目を合わせることができないという問題を抱えていたとします。この場合、目を合わせたときに褒めたり、好きな玩具を与えたりすることで、目を合わせる行動を強化し(増やし)ます。これを繰り返すことで、徐々に目を合わせる頻度が増え、相手の表情を見る機会、表情から情報を得る機会…と拡がっていきます。結果として他者とのコミュニケーション能力が向上することに繋がります。

具体例②他害行為への介入
 小学校において、頻繁にほかの子どもに攻撃的な行動を示す場合を考えます。まず、この行動の原因を分析していきます。すると攻撃的行動は教師やクラスメイトの注意を引くためのものであると分かりました。そこで、適切な行動を取った時に、注意や褒め言葉を与えることで、望ましい行動を強化するプランを設計します。攻撃的な行動が見られた場合には、応じないようにするか、落ち着くための代替行動(代わりとなる行動)を教えることで対応していきます。その結果として、攻撃的行動は減少し、教室での学習と友人関係がスムーズになっていきます。


社会モデルにおけるABAの適用
 一方、社会モデルは、障害を社会的な障壁や環境・社会の問題として捉えます。ここでは、社会や環境が障害を生み出していると考え、これらの障壁を取り除くことが重要です。

具体例①
 教育現場におけるABAの適用は、インクルーシブ教育の一環として、すべての生徒が最大限の学習機会を得られるようにすることを目的とするでしょう。たとえば、特別支援が必要な児童生徒に対して、行動支援計画を作成し、教室の環境を調整することが考えられます。ADHDの子どもが授業に集中できないという問題がある場合、その生徒の席を教室の前方へ移動し、学習タスクを小さなステップに分け、各ステップが完了するごとに褒めることで、集中力が高まるよう工夫します。その結果として、子どもの学習成果が向上し、ほかの生徒とのやりとりもスムーズになっていくことが期待されます。

具体例②
 学校で友達を作ることに困難を感じている小学生。この男児がほかの子どもたちとどのように関わっているかを観察し、適切な社会的スキルが不足していることを特定しました。たとえば、会話を始める方法や、ゲームに参加するための方法を教えるために、ロールプレイングや観察による学習を促します。さらに、うまくいった社会的なやりとりにはご褒美が与えられ、失敗した場合には改善のためのフィードバックを伝えます。これを繰り返し、友達を作るための社会的スキルを向上させていきます。

ICFモデルにおけるABAの適用
 ICFモデル(国際生活機能分類)は、個人の健康状態を「生活機能」と「障害」という視点から総合的に捉えます。このモデルでは、個人の活動や参加、環境因子等を含めた広い視点から「障害」を評価し、包括的な支援を行っていきます。

具体例①
 ICFモデルに基づくABAの適用では、家庭と学校の両方で一貫した支援が提供されることが重要です。両親や教師、周囲の大人が連携しあい、家庭でのコミュニケーションスキルの練習と学校での社会的相互作用の機会を増やす計画を立てます。家庭では、視覚的な支援も用いて言語的なスキルを強化し、学校では、グループ活動に参加するための支援を行っていきます。これにより、子どもは家庭と学校の両方で一貫したサポートを受け、コミュニケーション能力と社会的スキルの向上を目指すことができます。

具体例②
 日常生活のスキル(例:身だしなみ、簡単な家事等)が不足しているような場合。日常生活における自立を支援することを目指していきます。家庭環境の評価を行い、自立に向けスモールステップによる日常的なタスクの計画が作成されます。例えば、朝の身だしなみの手順を視覚的な手順カードを用いて教え、一つ一つのステップが成功するごとに褒めることで、自信とスキルを向上させていきます。時間は掛かりますが、日常生活の多くのタスクを自分でこなすことを目指します。

医学モデル、社会モデル、ICFモデルの違い
 医学モデルにおいては、個々の治療や症状管理に重点を置き、具体的な行動改善を目指します。個人に焦点を当てた介入は、迅速な行動変容を促し、個別のニーズに応じた支援を提供することができます。
 社会モデルにおいては、環境や社会的な要因に働きかけ、子どもがより良い生活を送るための支援を提供します。インクルージョンや環境調整を重視し、本人が社会参加しやすい環境を作ることが目的です。
 ICFモデルにおいては、個人の生活機能と障害を包括的に評価し、活動や参加、環境因子を考慮した総合的な支援を提供します。生活全般に渡る支援を通じて、個人の全体的な生活の質の向上を目指していきます。

ABAは、医学モデルと社会モデル、ICFモデルのいずれにおいても強力なツール(道具)として機能します。その基本原則は柔軟であり、個人の行動改善から社会的支援、総合的な生活支援まで幅広く適用することができます。どのモデルにおいても、ABAを通じてより良い生活の質を実現することができます。
 障害や行動の問題に対するアプローチは一つではありません。医学モデル、社会モデル、ICFモデルをそれぞれ理解し、メリットを活用することで、より豊かな生活を送るための道が開かれるのではないでしょうか。

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