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言葉と非言語的コミュニケーション

⚫︎SSTとは

SST(ソーシャルスキルトレーニング:Social Skills Training)とは、社会で生活していくために必要なスキルの考え方や行動、方法を学び、身につけるための支援です。相手の気持ちや考え、自分の考えや気持ちの伝え方、協力して取り組む方法といった日常生活で必要となる力を身につけることを目的です。

たっちでは、年齢に合わせて取り組みを行っていますが、小学4年生以上の利用者さん対象には、具体的に課題設定してグループワークとしてのSSTを行っています。

さて、「ありがとう」「ごめんなさい」「お願いします」など、挨拶や要求、お礼を伝える言葉はコミュニケーションを行う上で重要であり、多くのお子さんが幼児期に身につける言葉かと思われます。年齢が上がるにつれて「相手を見る」「関係性によっては丁寧語を用いる」などのスキルが求められ、場や状況によって使い分けられる必要があります。

では、目上の人にお願いをするときに、「やって」と伝えても良いのでしょうか?

お友達のものを壊してしまったときに、「ごめん」と笑いながら伝えても良いのでしょうか?

そんなことをしたら怒られたり、喧嘩になってしまったり、せっかく伝えても相手に意図や意味が伝わらないということが起きてしまいます。しかし、発達に特性のあるお子さんたちは、同じやり方を好み、自分と他者の違いについて気づくことが苦手であり、相手や状況に合わせて表現を変えることが難しいとされます。そのため、たっちのSSTでは「同じ言葉でも態度や表現の違いによって受け取る印象が変わること」を考えました。


⚫︎言葉と非言語的コミュニケーション

自分の気持ちや考えは言葉で相手に伝えることはできますが、加えて「表情」「態度」「声のトーン」「視線」などの非言語的コミュニケーションを伴ったほうが相手に対し、より適切に自分の意図を伝えることができます。

今回のSSTでは、「ごめんなさい」と「ありがとう」「お願いします」の言葉の適切な非言語的コミュニケーションを伴って伝えた場合と、怒ったり、ふざけたりして伝えた場合の違いをロールプレイで行いました。

利用者さんはそれを見て、適切な表現では「許してあげる」「やってあげようと思う」と考えることができました。一方で、不適切な表現については「こんな言い方されたら自分は嫌だと思う」「許せない」「何をしたいか分からない」「困る」と答えていました。ただ、中には「謝れば別にどんな表現でもいいと思う」という子もいました。特性のあるお子さんの中には、「自分は別にされてもいいから」という考えに陥りやすい傾向があります。これは相手の立場で物事を考えることが苦手で、自分視点で物事を考えやすい特性によるものです。

活動のまとめとして、言葉では謝ったりお願いをしても、怒った言い方や恥ずかしいからと言ってモジモジしていると、「謝るつもりがない」と受け取られてしまいやすいので、今回のロールプレイを通して、みんなが良いと思った表現方法で伝えられると良いと説明しました。

表情や態度、声のトーンといった非言語的コミュニケーションは、相手の様子を見て気づくことはできても、特性のあるお子さんは自分の今の振る舞いが相手からどう見えるのか、どう思われるのかといった視点に気づきにくい特徴があります。そのためにも、俯瞰して見る力や想像力が必要とされます。

たっちでは、他者とより良いコミュニケーションを図れるように、特性を踏まえたSSTを行っていきます。
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