6月10日、時の記念日。「ひみつきち」では、いつもと少し違う賑やかな時間が流れていた。子供たちは、それぞれが持ち場を見つけ、思い思いに過ごしていた。
窓辺では、雨天の中で絵を描く子。机の上では、黙々と折り紙を折る子。ソファの上では、おしゃべりに花を咲かせる子たち。それぞれが、時間の流れを自分のペースで感じていた。
午後3時、デイサービスの職員が優しく呼びかけた。「みんな、集まってくれるかな?今日は、時間の大切さについて、一緒に考えてみようと思うんだ」
子供たちは、興味津々の表情で集まってきた。スタッフは、時計の模型を取り出し、ゆっくりと針を動かしてみせた。「見てごらん。この時計の針は、止まることなく、動き続けているよね。時間は、誰にとっても平等に流れているけれど、その使い方によって、感じ方は変わってくるんだよ」
子供たちは、真剣な表情でスタッフの話を聞いていた。普段は、ゲームや遊びに夢中になる子供たちも、時間の流れについて考える時間は、新鮮で興味深いものだった。
スタッフは、子供たちに質問を投げかけた。「もしも、一日だけ時間が自由に操れるとしたら、何をする?」
子供たちは、次々に自分の考えを話し始めた。「好きなだけレゴしたい!」「友達とずっと遊びたい!」「美味しいものをたくさん食べたい!」様々な声が飛び交った。
スタッフは、子供たちの意見を丁寧に聞きながら、時間の大切さを改めて教えていった。「時間は、無限にあるものではない。だから、大切に使うことが大切なんだ。今日一日を振り返ってみて、何に一番多くの時間を費やしたかな?そして、その時間は、本当に有意義だったかな?」
子供たちは、自分の行動を振り返り、考え込んだ。中には、時間を無駄にしてしまったことに気づき、反省する子もいた。
スタッフは、最後に子供たちに宿題を出した。「今日から一週間、自分の時間を記録してみよう。そして、一週間後、その記録を振り返り、時間の使い方が上手くなったかどうか考えてみよう」
子供たちは、それぞれにメモ帳とペンを受け取り、真剣な表情でメモを取り始めた。「ひみつきち」に、静かな時間が流れ始めた。時間の大切さを学んだ子供たちは、明日からの時間を、より大切に使うことを誓った。 そして、時の記念日の放課後は、子供たちの心に、深い感銘を残した。
時の記念日⏰
教室の毎日
25/06/11 14:29
