夕暮れの空が茜色に染まり始める頃、ひみつきちの庭では、まだ遊び足りない子どもたちの声が弾んでいた。縄跳びの輪を軽やかに飛び越える子どもの姿は、まるでオレンジ色の空に舞う小さな火の粉のようだった。得意げな表情で前とび、後ろとびと技を披露する子、少し苦戦しながらも一生懸命に跳び続ける子、それぞれが自分のペースで楽しんでいた。
一方、草むらでは別のドラマが展開されていた。小さな手で慎重にバッタを捕まえようとする児童。緑色の葉っぱの間で、茶色いバッタがピョンピョンと跳ねる。焦らず、ゆっくりと近づき、素早く掌で捕まえる。成功すると、満面の笑みで友達に見せびらかす。その小さな手の中に収まったバッタは、まるで宝石のように輝いていた。
日が沈み、空には星が一つ、また一つと輝きを増していく。ひみつきちの庭には、縄跳びの輪やバッタの鳴き声はもう聞こえない。代わりに、静かに語りかける風だけが、今日一日を過ごした子どもたちの思い出を優しく包み込んでいた。明日もまた、この庭で、新しい発見と喜びが待っている。
縄跳び 昆虫取り
教室の毎日
25/06/19 08:39
