子どもが何かに近づけないとき、私たちはつい「どうしたら正面から入れるか」を考えてしまいます。でも、ときには正面玄関ではなく、裏口から始まる回復があります。誰にも見られず、安心できる人と、好きな音楽に触れること。そんな小さな入口が、やがて社会とつながる大きな一歩になることがあります。
ラブダイに通ってくれるお子様の中には、「学校に行けていないんです」と相談される方が本当に多くいます。
その背景は一人ひとり違います。集団が苦手な子もいれば、人の視線に強い不安を感じる子もいます。生活リズムが崩れている子、心のエネルギーが少なくなっている子、何かに興味を持つ力そのものが弱くなっている子もいます。
だからこそ、私たちがまず大切にしているのは、「学校に戻すこと」を急ぐことではありません。
最初に必要なのは、その子が来やすい環境をつくることです。
集団が合う子もいれば、個別のほうが安心できる子もいます。にぎやかな場所で元気になる子もいれば、静かな部屋で少しずつ心を開いていく子もいます。大切なのは、こちらが用意した形に子どもを合わせることではなく、その子が安心して一歩を踏み出せる形を一緒に探すことです。
そしてもう一つ大切にしているのが、よく寄り添うということです。
寄り添うというのは、ただ優しくすることではありません。その子が今どこに不安を感じているのか、何に少しでも興味を持っているのか、どんな距離感なら人と関われるのかを、丁寧に見ていくことです。
今の子どもたちにとって、スマホやSNSはとても身近な存在です。
大人から見ると、スマホばかり見ているように感じることもあるかもしれません。でも、その中にはその子の興味や憧れ、表現したい気持ちが隠れていることがあります。動画を見たり、自分で撮ったものを誰かに送りたくなったりする気持ちは、社会との接点になることもあります。
前回お話ししたように、スマホを通して動画を送ってきたくなる気持ちを、興味につなげていくこともあります。
「これ見てほしい」
「こういうの好き」
「自分もやってみたい」
そんな小さなサインを見逃さないことが大切です。
中学生ぐらいのお子様になると、ダンス動画を見て「私もこういうのをやってみたいな」と思うことがあります。家でこっそり練習して、ダンスだけは踊れるようになっている。人前に出るのは不安だけれど、好きな曲が流れると体が動く。
そういうことが、本当にあるんです。
ここで大切なのは、「じゃあみんなの前でやってみよう」と急がないことです。本人の中に「やりたい」という気持ちがあっても、集団の中に入ることや、人に見られることに強い不安がある場合があります。
だから、環境設定を工夫します。
たとえば舞台や部屋に入るときも、正面の扉からではなく、裏口を使うことがあります。周りの人に見られないように、本人のプライバシーを守りながら部屋に入る。先生の数も最小限にする。まずは、そこにいることに慣れてもらう。
それは決して特別扱いではありません。
その子が安心して自分を出せるための、必要な準備です。
子どもが前に進めないとき、必要なのは背中を押す力よりも、安心して立てる場所なのかもしれません。
好きなダンス、好きな曲、好きなアーティスト。
そうしたものを通して、指導員と少しずつコミュニケーションを取っていきます。最初は言葉が少なくてもかまいません。目が合わなくても、うまく話せなくても、その子の「好き」を一緒に大切にしていくことで、少しずつ関係が生まれていきます。
すると、心が少しずつ元気になっていくことがあります。
最初は誰にも見られたくなかった子が、だんだん「今練習しているダンスを発表会で披露してみたい」と言うようになることがあります。「イベントに出てみたい」と話してくれることもあります。
これは本当に大きな変化です。
なぜなら、その言葉の中には「人と関わってみたい」「外の世界に少し出てみたい」「自分を見てもらってもいいかもしれない」という気持ちが含まれているからです。
学校に行けていない状態だけを見ると、大人はどうしても心配になります。
このままで大丈夫だろうか。
社会から離れてしまうのではないか。
何とか早く戻してあげなければいけないのではないか。
もちろん、その心配は自然なものです。
でも、子どもたちの成長は、必ずしも大人が想像する順番通りには進みません。教室に戻る前に、好きなダンスを誰かに見せることが必要な子もいます。勉強の前に、安心できる大人と話せるようになることが必要な子もいます。集団に入る前に、裏口からそっと部屋に入る経験が必要な子もいます。
その一つひとつが、社会との関わりを取り戻すための大切なステップです。
可能性は、いつも大きな決意から始まるわけではありません。好きな曲をもう一度流してみる、そんな小さな動きから始まることもあります。
私たちは、子どもたちの可能性を信じています。
それは、「きっとすぐに学校へ行けるようになる」と楽観することではありません。その子の中にまだ残っている興味、憧れ、表現したい気持ち、人とつながりたい気持ちを信じるということです。
そして、その可能性が少しずつ広がっていくように、環境を整え、距離感を考え、好きなものを一緒に見つめていく。
正面から入れない日があってもいい。
裏口からなら入れる日があるかもしれません。集団はまだ不安でも、先生一人となら話せるかもしれません。言葉では伝えられなくても、ダンスなら表現できるかもしれません。
そこから始まる社会との関わりがあります。
子どもたちは、本当にすごいです。
大人が「ここまでかな」と思っていた場所を、ふとしたきっかけで超えていくことがあります。昨日まで不安で動けなかった子が、好きな音楽に支えられて、一歩前に出ることがあります。
私たちにできるのは、その一歩を急がせることではありません。
その子のタイミングで踏み出せるように、安心できる入口を用意しておくことです。そして、たとえその入口が正面玄関ではなく裏口だったとしても、「ここから始めていいよ」と伝え続けることです。
学校に行けていないという状態だけで、その子の未来は決まりません。
好きなものに出会うこと。
安心できる人とつながること。
自分のペースで場所に慣れていくこと。
そして、いつか「やってみたい」と思える瞬間を迎えること。
その積み重ねの中で、子どもの心は少しずつ外の世界へ向かっていきます。
だから私たちは、今日もその可能性を信じて関わっています。
正面の扉がまだ重たいなら、裏口からでいい。大切なのは、扉の種類ではなく、その子が自分の足で入ってこられたという経験です。その小さな経験が、やがて発表会やイベントや、もっと広い社会へとつながっていくことがあります。
子どもたちの可能性は、本当にすごい。
そして私たちは、その可能性が少しずつ見える場所まで、一緒に歩いていきたいと思っています。
ラブダイに通ってくれるお子様の中には、「学校に行けていないんです」と相談される方が本当に多くいます。
その背景は一人ひとり違います。集団が苦手な子もいれば、人の視線に強い不安を感じる子もいます。生活リズムが崩れている子、心のエネルギーが少なくなっている子、何かに興味を持つ力そのものが弱くなっている子もいます。
だからこそ、私たちがまず大切にしているのは、「学校に戻すこと」を急ぐことではありません。
最初に必要なのは、その子が来やすい環境をつくることです。
集団が合う子もいれば、個別のほうが安心できる子もいます。にぎやかな場所で元気になる子もいれば、静かな部屋で少しずつ心を開いていく子もいます。大切なのは、こちらが用意した形に子どもを合わせることではなく、その子が安心して一歩を踏み出せる形を一緒に探すことです。
そしてもう一つ大切にしているのが、よく寄り添うということです。
寄り添うというのは、ただ優しくすることではありません。その子が今どこに不安を感じているのか、何に少しでも興味を持っているのか、どんな距離感なら人と関われるのかを、丁寧に見ていくことです。
今の子どもたちにとって、スマホやSNSはとても身近な存在です。
大人から見ると、スマホばかり見ているように感じることもあるかもしれません。でも、その中にはその子の興味や憧れ、表現したい気持ちが隠れていることがあります。動画を見たり、自分で撮ったものを誰かに送りたくなったりする気持ちは、社会との接点になることもあります。
前回お話ししたように、スマホを通して動画を送ってきたくなる気持ちを、興味につなげていくこともあります。
「これ見てほしい」
「こういうの好き」
「自分もやってみたい」
そんな小さなサインを見逃さないことが大切です。
中学生ぐらいのお子様になると、ダンス動画を見て「私もこういうのをやってみたいな」と思うことがあります。家でこっそり練習して、ダンスだけは踊れるようになっている。人前に出るのは不安だけれど、好きな曲が流れると体が動く。
そういうことが、本当にあるんです。
ここで大切なのは、「じゃあみんなの前でやってみよう」と急がないことです。本人の中に「やりたい」という気持ちがあっても、集団の中に入ることや、人に見られることに強い不安がある場合があります。
だから、環境設定を工夫します。
たとえば舞台や部屋に入るときも、正面の扉からではなく、裏口を使うことがあります。周りの人に見られないように、本人のプライバシーを守りながら部屋に入る。先生の数も最小限にする。まずは、そこにいることに慣れてもらう。
それは決して特別扱いではありません。
その子が安心して自分を出せるための、必要な準備です。
子どもが前に進めないとき、必要なのは背中を押す力よりも、安心して立てる場所なのかもしれません。
好きなダンス、好きな曲、好きなアーティスト。
そうしたものを通して、指導員と少しずつコミュニケーションを取っていきます。最初は言葉が少なくてもかまいません。目が合わなくても、うまく話せなくても、その子の「好き」を一緒に大切にしていくことで、少しずつ関係が生まれていきます。
すると、心が少しずつ元気になっていくことがあります。
最初は誰にも見られたくなかった子が、だんだん「今練習しているダンスを発表会で披露してみたい」と言うようになることがあります。「イベントに出てみたい」と話してくれることもあります。
これは本当に大きな変化です。
なぜなら、その言葉の中には「人と関わってみたい」「外の世界に少し出てみたい」「自分を見てもらってもいいかもしれない」という気持ちが含まれているからです。
学校に行けていない状態だけを見ると、大人はどうしても心配になります。
このままで大丈夫だろうか。
社会から離れてしまうのではないか。
何とか早く戻してあげなければいけないのではないか。
もちろん、その心配は自然なものです。
でも、子どもたちの成長は、必ずしも大人が想像する順番通りには進みません。教室に戻る前に、好きなダンスを誰かに見せることが必要な子もいます。勉強の前に、安心できる大人と話せるようになることが必要な子もいます。集団に入る前に、裏口からそっと部屋に入る経験が必要な子もいます。
その一つひとつが、社会との関わりを取り戻すための大切なステップです。
可能性は、いつも大きな決意から始まるわけではありません。好きな曲をもう一度流してみる、そんな小さな動きから始まることもあります。
私たちは、子どもたちの可能性を信じています。
それは、「きっとすぐに学校へ行けるようになる」と楽観することではありません。その子の中にまだ残っている興味、憧れ、表現したい気持ち、人とつながりたい気持ちを信じるということです。
そして、その可能性が少しずつ広がっていくように、環境を整え、距離感を考え、好きなものを一緒に見つめていく。
正面から入れない日があってもいい。
裏口からなら入れる日があるかもしれません。集団はまだ不安でも、先生一人となら話せるかもしれません。言葉では伝えられなくても、ダンスなら表現できるかもしれません。
そこから始まる社会との関わりがあります。
子どもたちは、本当にすごいです。
大人が「ここまでかな」と思っていた場所を、ふとしたきっかけで超えていくことがあります。昨日まで不安で動けなかった子が、好きな音楽に支えられて、一歩前に出ることがあります。
私たちにできるのは、その一歩を急がせることではありません。
その子のタイミングで踏み出せるように、安心できる入口を用意しておくことです。そして、たとえその入口が正面玄関ではなく裏口だったとしても、「ここから始めていいよ」と伝え続けることです。
学校に行けていないという状態だけで、その子の未来は決まりません。
好きなものに出会うこと。
安心できる人とつながること。
自分のペースで場所に慣れていくこと。
そして、いつか「やってみたい」と思える瞬間を迎えること。
その積み重ねの中で、子どもの心は少しずつ外の世界へ向かっていきます。
だから私たちは、今日もその可能性を信じて関わっています。
正面の扉がまだ重たいなら、裏口からでいい。大切なのは、扉の種類ではなく、その子が自分の足で入ってこられたという経験です。その小さな経験が、やがて発表会やイベントや、もっと広い社会へとつながっていくことがあります。
子どもたちの可能性は、本当にすごい。
そして私たちは、その可能性が少しずつ見える場所まで、一緒に歩いていきたいと思っています。