子どもがステージに立つ瞬間、大人たちはつい「うまくできるか」を見てしまいます。でも本当に大切なのは、振り付けを間違えないことよりも、人前に立つ緊張を感じながら、それでも一歩前に出てみることなのかもしれません。秋の野外ステージで踊る子どもたちの姿には、日々の療育の中だけでは見えない成長が、確かにありました。
継続が、子どもたちの自信になるまで
今年も、地域イベントに出演させていただきました。
私たちラフダイは、栃木県宇都宮市と鹿沼市に事業所を構えています。その中で、宇都宮市で毎年秋に開催される「宮っこフェスタ」に、もうかれこれ六年間、出演させていただいています。
会場は、宇都宮市にあるオリオンスクエア。大きな野外フェスも開催できるような開けた場所で、そこに子どもたちが立ち、ダンスパフォーマンスを披露します。
ステージに上がる子どもたちは、もちろん少し緊張します。普段の教室とは違う場所。見ている人の数も違う。音の響きも、空気も、視線の集まり方も違います。
でも、その「いつもと違う場所」に立つこと自体が、子どもたちにとって大きな経験になります。
私たちは、ただイベントに出演するために出ているわけではありません。子どもたちが地域と交流する機会をつくること。そして、親御様に「自分の子どもがステージで楽しく、頑張って踊っている姿」を見てもらうこと。
そこには、日常の支援とはまた違う意味があります。
親御様にとっても、子どもが人前で堂々と踊る姿を見ることは、とても嬉しい瞬間です。普段の生活の中では見逃してしまうような成長が、ステージの上でははっきりと見えることがあります。
「あ、こんなこともできるようになったんだ」
「こんな表情をするんだ」
「緊張しながらも、最後までやりきったんだ」
そういう発見が、親御様の心にも残っていくのだと思います。
そして子どもたちにとっても、外部イベントに出ることは大きな成功体験になります。
最初から完璧に踊れる必要はありません。大切なのは、緊張する場面に立ち、それでも自分なりにやってみることです。音楽が流れ、体を動かし、最後までやりきる。その経験が「自分にもできた」という感覚につながっていきます。
成功体験は、大きな結果だけから生まれるものではありません。少し緊張しながらも一歩前に出た、その瞬間から育っていくものです。
私たちが大切にしている「エンタメ療育」は、まさにそこにあります。
楽しさの中で、心と体が育っていく。ダンスやパフォーマンスを通して、表現する力、人と合わせる力、場に適応する力、自分を信じる力が少しずつ育っていく。
それは、机の上だけではなかなか育ちにくいものです。
体を使い、音に合わせ、仲間と一緒にステージに立つ。その中で、子どもたちはたくさんのことを感じています。うまくいった喜びも、緊張した気持ちも、少し悔しかったことも、拍手をもらった嬉しさも。
そのすべてが、成長の材料になります。
そしてこのイベントは、子どもたちだけの成長の場ではありません。私たちスタッフにとっても、大切なトレーニングの機会です。
外部イベントに出るということは、一定の緊張感があります。教室内で完結する活動とは違い、地域の方々、運営の方々、他の出演者、親御様、そして子どもたちが同じ空間にいます。
その中で、スタッフは常に周囲を見ていなければなりません。
目配り、気配り、心配り。
子どもたちが安心してステージに立てるように。親御様が安心して見守れるように。イベント全体の流れを乱さないように。そして、地域の中で私たちの活動を自然に受け入れていただけるように。
こうした場に出るたびに、スタッフ自身も鍛えられます。
現場でしか身につかない感覚があります。予定通りにいかないこともある。子どもたちの緊張が高まることもある。周囲の状況を見ながら、その場で判断しなければならないこともある。
それでも、そういう経験を積み重ねることで、支援者としての幅が広がっていきます。
振り返ると、六年前のことが懐かしく思い出されます。
最初の二年間は、私自身もまだ個人事業主として活動していました。当時はご利用者様もまだ少なく、出演する人数をそろえることも簡単ではありませんでした。
東京ラフダイの子どもたちに助っ人として来てもらい、なんとか形になるくらいのメンバーで踊っていた時期もありました。
今思えば、あの頃はあの頃で必死でした。
人数も少ない。経験も今ほど多くない。イベントに出るたびに、手探りで、緊張して、どうにか無事に終えることを目指していたように思います。
でも、その時期があったからこそ、今があります。
続けてきたから見える景色があります。六年目になり、今では安心して見守れる場面も増えてきました。南先生も、落ち着いて子どもたちを見守っていられる。そう思えること自体が、本当にありがたいことです。
継続とは、同じことを繰り返すことではなく、少しずつ安心できる土台を増やしていくことなのだと思います。
一回のイベントだけを見れば、それは数分間のステージかもしれません。
でも、その数分間の裏側には、日々の練習があります。子どもたちの積み重ねがあります。スタッフの準備があります。親御様の見守りがあります。そして、地域との信頼関係があります。
六年という時間は、決して短くありません。
最初は小さな活動だったものが、少しずつ地域の中に根づいていく。子どもたちがステージに立つことが、特別な挑戦でありながらも、少しずつ自然な経験になっていく。
そこに、継続の力を感じます。
もちろん、毎年まったく同じではありません。子どもたちも変わります。スタッフも成長します。環境も少しずつ変わります。
それでも、「今年もこの場所に立てた」という事実には、大きな意味があります。
地域のイベントに出演することは、私たちにとって単なる発表の場ではありません。療育が地域とつながる場であり、子どもたちの成長が社会の中で見える形になる場です。
教室の中で育まれたものが、外の世界に触れる。そこで拍手をもらい、見守られ、認められる。
その経験は、子どもたちの心の中に静かに残っていきます。
「できた」
「楽しかった」
「また出たい」
そんな小さな言葉の中に、大きな成長があります。
エンタメ療育を通して、子どもたちが心も体も成長していく機会をつくりたい。これは、私たちがずっと大切にしている思いです。
そしてその思いは、こうした地域の場に出ることで、より立体的になります。
子どもたちだけでなく、親御様も、スタッフも、地域の方々も、その時間を一緒に共有する。ステージの上と下で、それぞれが何かを受け取っている。
六年目のオリオンスクエアで、あらためて感じました。
続けることには力があります。
最初は不安でも、人数が少なくても、手探りでも、一年、また一年と積み重ねていくことで、活動は少しずつ形になっていきます。そして気づけば、かつて必死だった場所が、子どもたちの成長を安心して見守れる場所になっている。
ステージの上で踊る子どもたちの姿を見ながら、私はそのことを強く感じました。
これからも、こうした機会を大切にしていきたいと思います。地域とつながり、子どもたちが挑戦し、親御様が喜び、スタッフも学び続ける。そんな循環を、これからも育てていきたい。
六年前、なんとか形にしようとして立った同じ場所で、今は少し違う景色が見えています。
それは、特別な奇跡というより、継続が見せてくれた景色です。
そしてその景色の中心には、今年もやっぱり、緊張しながらも楽しそうに踊る子どもたちの姿がありました。
継続が、子どもたちの自信になるまで
今年も、地域イベントに出演させていただきました。
私たちラフダイは、栃木県宇都宮市と鹿沼市に事業所を構えています。その中で、宇都宮市で毎年秋に開催される「宮っこフェスタ」に、もうかれこれ六年間、出演させていただいています。
会場は、宇都宮市にあるオリオンスクエア。大きな野外フェスも開催できるような開けた場所で、そこに子どもたちが立ち、ダンスパフォーマンスを披露します。
ステージに上がる子どもたちは、もちろん少し緊張します。普段の教室とは違う場所。見ている人の数も違う。音の響きも、空気も、視線の集まり方も違います。
でも、その「いつもと違う場所」に立つこと自体が、子どもたちにとって大きな経験になります。
私たちは、ただイベントに出演するために出ているわけではありません。子どもたちが地域と交流する機会をつくること。そして、親御様に「自分の子どもがステージで楽しく、頑張って踊っている姿」を見てもらうこと。
そこには、日常の支援とはまた違う意味があります。
親御様にとっても、子どもが人前で堂々と踊る姿を見ることは、とても嬉しい瞬間です。普段の生活の中では見逃してしまうような成長が、ステージの上でははっきりと見えることがあります。
「あ、こんなこともできるようになったんだ」
「こんな表情をするんだ」
「緊張しながらも、最後までやりきったんだ」
そういう発見が、親御様の心にも残っていくのだと思います。
そして子どもたちにとっても、外部イベントに出ることは大きな成功体験になります。
最初から完璧に踊れる必要はありません。大切なのは、緊張する場面に立ち、それでも自分なりにやってみることです。音楽が流れ、体を動かし、最後までやりきる。その経験が「自分にもできた」という感覚につながっていきます。
成功体験は、大きな結果だけから生まれるものではありません。少し緊張しながらも一歩前に出た、その瞬間から育っていくものです。
私たちが大切にしている「エンタメ療育」は、まさにそこにあります。
楽しさの中で、心と体が育っていく。ダンスやパフォーマンスを通して、表現する力、人と合わせる力、場に適応する力、自分を信じる力が少しずつ育っていく。
それは、机の上だけではなかなか育ちにくいものです。
体を使い、音に合わせ、仲間と一緒にステージに立つ。その中で、子どもたちはたくさんのことを感じています。うまくいった喜びも、緊張した気持ちも、少し悔しかったことも、拍手をもらった嬉しさも。
そのすべてが、成長の材料になります。
そしてこのイベントは、子どもたちだけの成長の場ではありません。私たちスタッフにとっても、大切なトレーニングの機会です。
外部イベントに出るということは、一定の緊張感があります。教室内で完結する活動とは違い、地域の方々、運営の方々、他の出演者、親御様、そして子どもたちが同じ空間にいます。
その中で、スタッフは常に周囲を見ていなければなりません。
目配り、気配り、心配り。
子どもたちが安心してステージに立てるように。親御様が安心して見守れるように。イベント全体の流れを乱さないように。そして、地域の中で私たちの活動を自然に受け入れていただけるように。
こうした場に出るたびに、スタッフ自身も鍛えられます。
現場でしか身につかない感覚があります。予定通りにいかないこともある。子どもたちの緊張が高まることもある。周囲の状況を見ながら、その場で判断しなければならないこともある。
それでも、そういう経験を積み重ねることで、支援者としての幅が広がっていきます。
振り返ると、六年前のことが懐かしく思い出されます。
最初の二年間は、私自身もまだ個人事業主として活動していました。当時はご利用者様もまだ少なく、出演する人数をそろえることも簡単ではありませんでした。
東京ラフダイの子どもたちに助っ人として来てもらい、なんとか形になるくらいのメンバーで踊っていた時期もありました。
今思えば、あの頃はあの頃で必死でした。
人数も少ない。経験も今ほど多くない。イベントに出るたびに、手探りで、緊張して、どうにか無事に終えることを目指していたように思います。
でも、その時期があったからこそ、今があります。
続けてきたから見える景色があります。六年目になり、今では安心して見守れる場面も増えてきました。南先生も、落ち着いて子どもたちを見守っていられる。そう思えること自体が、本当にありがたいことです。
継続とは、同じことを繰り返すことではなく、少しずつ安心できる土台を増やしていくことなのだと思います。
一回のイベントだけを見れば、それは数分間のステージかもしれません。
でも、その数分間の裏側には、日々の練習があります。子どもたちの積み重ねがあります。スタッフの準備があります。親御様の見守りがあります。そして、地域との信頼関係があります。
六年という時間は、決して短くありません。
最初は小さな活動だったものが、少しずつ地域の中に根づいていく。子どもたちがステージに立つことが、特別な挑戦でありながらも、少しずつ自然な経験になっていく。
そこに、継続の力を感じます。
もちろん、毎年まったく同じではありません。子どもたちも変わります。スタッフも成長します。環境も少しずつ変わります。
それでも、「今年もこの場所に立てた」という事実には、大きな意味があります。
地域のイベントに出演することは、私たちにとって単なる発表の場ではありません。療育が地域とつながる場であり、子どもたちの成長が社会の中で見える形になる場です。
教室の中で育まれたものが、外の世界に触れる。そこで拍手をもらい、見守られ、認められる。
その経験は、子どもたちの心の中に静かに残っていきます。
「できた」
「楽しかった」
「また出たい」
そんな小さな言葉の中に、大きな成長があります。
エンタメ療育を通して、子どもたちが心も体も成長していく機会をつくりたい。これは、私たちがずっと大切にしている思いです。
そしてその思いは、こうした地域の場に出ることで、より立体的になります。
子どもたちだけでなく、親御様も、スタッフも、地域の方々も、その時間を一緒に共有する。ステージの上と下で、それぞれが何かを受け取っている。
六年目のオリオンスクエアで、あらためて感じました。
続けることには力があります。
最初は不安でも、人数が少なくても、手探りでも、一年、また一年と積み重ねていくことで、活動は少しずつ形になっていきます。そして気づけば、かつて必死だった場所が、子どもたちの成長を安心して見守れる場所になっている。
ステージの上で踊る子どもたちの姿を見ながら、私はそのことを強く感じました。
これからも、こうした機会を大切にしていきたいと思います。地域とつながり、子どもたちが挑戦し、親御様が喜び、スタッフも学び続ける。そんな循環を、これからも育てていきたい。
六年前、なんとか形にしようとして立った同じ場所で、今は少し違う景色が見えています。
それは、特別な奇跡というより、継続が見せてくれた景色です。
そしてその景色の中心には、今年もやっぱり、緊張しながらも楽しそうに踊る子どもたちの姿がありました。