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療育ラフダイが台風の日に大切にしていること

台風が近づく朝には、街全体が少しだけ緊張します。学校は休校になるかもしれない。仕事は行くべきなのか、休んでいいのか。子どもをどうするか、予約をどうするか、誰に連絡すればいいのか——そんな小さな不安が、家の中にも職場にも一気に広がっていきます。けれど、こういう日こそ、組織が日頃から何を大切にしてきたのかがよく見えるのです。

台風の日に見える、組織の本当の力

台風6号が日本に接近している。
大型の台風が来るとなると、日本列島のあちこちで予定が変わる。学校が休校になったり、幼稚園では1号認定の子がお休みになったり、2号認定・3号認定の子は自由登園になったりする。
そのたびに、ご家庭では急な対応が必要になる。
仕事はどうなるのか。
休んでいいのか。
行かなければならないのか。
子どもは誰が見るのか。
どこかに預けられるのか。
たぶん多くの人が、悩ましい朝を迎えている。
でも、私はこういう時に少しワクワクする。
もちろん、災害そのものにワクワクしているわけではない。危険があるなら安全を最優先にするべきだし、無理をして動く必要もない。
私がワクワクするのは、こういう不確実な状況の中で、これまで積み重ねてきた経験や判断力が試されるからだ。
ラフダイは2020年、コロナ禍の真っ只中にスタートした。
最初は対面でやっていたものが、いきなりオンラインになった。世の中全体が「どうしたらいいのか」を毎日のように考えていた時期だった。
今日やるのか。
明日はできるのか。
対面でいいのか。
オンラインにするのか。
誰に、いつ、どう伝えるのか。
正解が見えない中で判断しなければならない場面が、何度もあった。
その時は本当に大変だったけれど、今になって、その経験がものすごく生きている。本当に生きている。
今回の台風対応でも、まさにそうだった。
台風が直撃するのか、それとも逸れるのか。朝になってみないとわからないことはたくさんある。もしかしたら何も起きないかもしれないし、思った以上に影響が出るかもしれない。
けれど、だからこそ大切なのは「早めの判断」だと思っている。
今回、ラフダイでは前日の朝の時点で動いた。
まず、ご利用者様に状況を説明した。午前中にご予約いただいている方には、午後以降へのお振替はいかがでしょうか、とご案内した。
学校や園への訪問が入っている場合も、台風の影響が考えられるので、別日にリスケさせてくださいと段取りを取った。
そして、その次は従業員への対応だった。
午前中のタスクの中には、在宅でもできることがある。であれば、無理に出社しなくてもいい。
前日の昼の時点で、「午前中は自宅で在宅ワークOKです」と判断した。
こういう時、判断が遅れるほど不安が増える。
明日どうなるんだろう。
朝になってから連絡が来るのかな。
電車が止まったらどうしよう。
子どもが休みになったらどうしよう。
利用者さんには何て伝えればいいんだろう。
その不安を抱えたままだと、目の前の通常業務にも集中しにくくなる。
だからこそ、早く決める。

早めに決めることは、ただの効率化ではない。人の不安を先回りして減らす、ひとつのやさしさだ。

これは、コロナ禍でオンライン対応をしていた時にも何度も学んだことだった。
当時、私は栃木から東京に毎週日曜日に通っていた。天気が怪しい日もあった。明日は雨かもしれない。台風が来るかもしれない。東京まで行けるのか、行けないのか、朝にならないとわからない。
でも、「行けるかもしれないし、行けないかもしれない」という曖昧な状態は、関わる人全員に負担をかける。
だから、早めにオンラインへ切り替える判断をするようにしていた。
もちろん、台風というのは意外と読めない。
午前中にザーッと来て、午後には晴れてしまうこともある。朝は大荒れだったのに、昼過ぎには何事もなかったかのように空が明るくなることもある。
だからこそ、「台風ナウ」のタイミングで慌てて決めるのではなく、前日にできるだけ段取りをしておくことが大切になる。
午前のレッスンを午後に移せるなら、前日のうちに動く。
訪問予定を変更するなら、先に連絡する。
出社判断も、できるだけ早く伝える。
この6年間で、ラフダイはそういう判断の筋肉を鍛えてきたのだと思う。
そして今回も、その経験が生きている。
今の予報を見る限り、台風は午前中には逸れていきそうな気配もある。そうなると午後には動ける可能性も出てくる。
でも、ここで終わりではない。
台風が逸れたとしても、家庭の事情はすぐには元に戻らない。
学校や園が休みになっていれば、保護者の方は子どもを一日見なければならないかもしれない。家でずっと過ごすことに、子ども自身が退屈してしまうかもしれない。仕事の予定を変えながら、どうにか一日を乗り切ろうとしているご家庭もあるかもしれない。
だったら、午後に何かできることはないだろうか。
たとえば、ラフダイで臨時の特別枠レッスンを設ける。空き枠があることを案内する。困っている方に対して、「もし必要であれば、ここに選択肢がありますよ」と伝える。
それは大きなことではないかもしれない。
けれど、こういう時に必要なのは、完璧な解決策よりも、少しでも寄り添おうとする姿勢だと思っている。
自分たちの安全を守る。
従業員の不安を減らす。
ご利用者様に早めに連絡する。
そして、困っているご家庭にできることを考える。
台風の日の対応というのは、単なるスケジュール調整ではない。
そこには、その組織が何を見ているのかが出る。自分たちの都合だけを見ているのか。それとも、関わる人たちの生活や不安まで想像できているのか。

ピンチの時に必要なのは、特別な才能ではなく、目の前の人の不安を想像する力なのだと思う。

コロナ禍で始まったラフダイは、たくさんの予定変更と、オンラインへの切り替えと、見えない不安の中で育ってきた。
その時に身につけたものは、今も確かに残っている。
早めに決めること。
無理をしないこと。
でも、止まらないこと。
状況に合わせて、できる形を探すこと。
台風の日は、日常が少しだけ乱れる。
けれど、その乱れの中にこそ、普段は見えにくい力が現れる。判断する力。段取りする力。人に寄り添う力。そして、不安な朝を少しでも安心に変える力。
さて、ここから従業員のみんながどう動いてくれるのか。
令和のたこ社長として、楽しみに待っている。

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