放課後等デイサービス

エンタメ療育スタジオ Rough&Diamondsのブログ一覧

  • 土日祝営業
NEW

力を教える前に、感覚を育てる療育

子どもが「そんなつもりじゃなかった」と言うとき、大人はつい「もっと優しく」と言いたくなります。でも本当は、その子は優しくしたくないのではなく、自分の力が相手にどう届いているのかをまだ感じ取れていないだけかもしれません。力加減は、言葉で教えるものというより、身体で少しずつ覚えていくものなのだと思います。

トレーニングの中で、「うまくいった対応事例」や「成功事例」をご紹介します。
その中でもよく出てくるのが、力加減に関する相談です。
本人にはそんなつもりがないのに、相手から見ると強く叩いてしまっている。遊びのつもりなのに、押し方が強すぎる。声をかけても、なかなか調整ができない。
大人からすると、「もう少し優しく」「力を抜いて」と言いたくなる場面です。

でも、そこで見落としてはいけないことがあります。

力をコントロールできない子どもは、単に乱暴にしているわけではありません。多くの場合、その前段階として必要な身体の感覚や、簡単な機能の使い方がまだ育ちきっていないことがあります。
つまり、力加減を学ぶには、まず「自分の力がどれくらい出ているのか」を感じる経験が必要なのです。

「優しくして」と言われても、本人の中に優しさの強さの目盛りがなければ、調整のしようがありません。

だからこそ、トレーニングではゲームを使います。

遊びながら、自分の力を感じる。相手の動きに合わせる。強くしすぎるとどうなるのか、弱すぎるとどうなるのかを、身体で確かめる。
これは、ただ楽しく遊んでいるように見えて、実はとても大切な学びです。
たとえば、先生や友達と一緒にタオルを持ち、その上にボールを乗せます。
そして、ボールを落とさないように、相手と息を合わせながら動かしていく。
一見すると簡単な遊びです。

でも、この中にはたくさんの要素が含まれています。

自分だけが強く引っ張ると、タオルは傾きます。相手の動きに気づかないと、ボールは転がってしまいます。力を入れすぎても、抜きすぎても、うまくいきません。

そこで必要になるのが、相手を見ることです。

先生がどう動いているのか。友達がどのくらいの力でタオルを持っているのか。ボールがどちらに転がりそうなのか。
自分の力だけでなく、相手の力も感じ取る必要があります。
力加減とは、実は「自分を抑えること」だけではありません。
相手と向き合い、相手に合わせながら、自分の身体を調整していくことです。
その感覚は、注意されるだけではなかなか育ちません。
むしろ、失敗しても安全な遊びの中でこそ育っていきます。
ボールが落ちたら、もう一度やればいい。強く引っ張りすぎたら、次は少し弱めてみればいい。相手とタイミングが合わなかったら、今度は顔を見て動いてみればいい。
そうした小さな試行錯誤の積み重ねが、子どもの中に「これくらい」という感覚をつくっていきます。

大人ができることは、ただ正しい力加減を指示することではありません。
子どもが自分で感じ、気づき、調整できる場面を用意することです。

「強すぎるよ」と言う前に、その子が自分の強さを感じられる経験を持っているかを考えてみる。
「優しくして」と伝える前に、優しさを身体で覚える機会があったかを見てみる。
そこに、トレーニングの意味があります。
子どもは、うまくできないことを責められるよりも、うまくできるための感覚を育ててもらうことで変わっていきます。
そしてその変化は、タオルの上の小さなボールのように、最初はとても繊細です。
少し強く引けば転がってしまう。少し気を抜けば落ちてしまう。
でも、相手を見て、自分の力を感じて、もう一度合わせてみる。
その繰り返しの中で、子どもは少しずつ学んでいきます。
力をどう使うか。
相手とどう関わるか。
そして、自分の身体が世界にどんな影響を与えているのか。

力加減は、叱って身につけるものではなく、感じながら育てていくものです。
そのための入り口は、案外、タオルとボールのような小さな遊びの中にあるのかもしれません。
チェックアイコン

現在この施設は、発達ナビでの問い合わせを受け付けていません。
近隣施設をまとめてお問い合わせしませんか?

【無料】発達ナビ会員登録して便利にサービス利用!
会員登録するとこんなに便利!
  1. 気になる施設を自分だけのリストに保存
  2. 問い合わせ時に一部情報入力が不要
  3. 送迎有無などのこだわり条件を保存
  4. コラムやQ&Aが読み放題
無料会員になる

掲載情報について

施設の情報
施設の情報は、株式会社LITALICOの独自収集情報、都道府県の公開情報、施設からの情報提供に基づくものです。株式会社LITALICOがその内容を保証し、また特定の施設の利用を推奨するものではありません。ご利用の際は必要に応じて各施設にお問い合わせください。施設の情報の利用により生じた損害について株式会社LITALICOは一切責任を負いません。


利用者の声
利用者の声は、施設と関わりをもった第三者の主観によるもので、株式会社LITALICOの見解を示すものではありません。あくまで参考情報として利用してください。また、虚偽・誇張を用いたいわゆる「やらせ」投稿を固く禁じます。 「やらせ」は発見次第厳重に対処します。


施設カテゴリ
施設のカテゴリについては、児童発達支援事業所、放課後等デイサービス、その他発達支援施設の3つのカテゴリを取り扱っており、児童発達支援事業所については、地域の児童発達支援センターと児童発達支援事業の両方を掲載しております。