こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も下旬に入り、子どもたちが待ちに待った夏休みが本格的に始まりましたね!連日の猛暑が続きますが、夕方の少し涼しくなった時間に公園へ出かけたり、お休みの日に大きなアスレチック施設へ遊びに行ったりするご家庭も多いのではないでしょうか。
そんな楽しいはずの外遊びの中で、お母さんやお父さんがふと「うちの子、ちょっと怖がりすぎじゃないかな?」と心配になるこんな光景はありませんか?
「お友達は楽しそうに滑り台やブランコで遊んでいるのに、うちの子は頑なに拒否して砂場から動かない」
「パパが『高い高〜い!』をしてあげた瞬間、この世の終わりのように泣き叫んでしがみついてくる」
「ちょっとした段差や、足場が揺れる吊り橋に行くと、足がすくんで一歩も動けなくなってしまう」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この「遊具や高さに対する極端な恐怖心」についてのご相談は非常によく寄せられます。
「大丈夫だよ、怖くないよ!」「ほら、お友達もやってるよ、男の子(女の子)なんだから頑張って!」
励まして無理に乗せようとすると大パニックになり、「なんでこんなに臆病なんだろう」「過保護に育てすぎたのかな…」と、周りの元気な子どもたちと比べて密かに落ち込んでしまうお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまがブランコや高さを激しく怖がるのは、決して「単なる臆病な性格」だからでも、「親の育て方が過保護」だからでもありません。
これには、耳の奥にあるセンサーと、脳が感じる「地球の重力」の受け取り方による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、「ちょっと揺れるだけ」でそこまでパニックになるのか?
大人の目には「安全で楽しい遊具」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような過酷な恐怖体験が起きています。
① 揺れを感じるセンサーの「超・過敏反応」(前庭覚の過敏)
私たちの耳の奥には、身体の傾きやスピード、揺れを感じる「前庭覚(ぜんていかく)」というセンサーがあります。
発達に凸凹のあるお子さまの中には、このセンサーが過剰に反応してしまう子がいます。大人にとっては「そよ風のような心地よい揺れ(ブランコ)」も、前庭覚が過敏なお子さまの脳にとっては、「ジェットコースターで真っ逆さまに落下している!」あるいは「大地震で地面が激しく揺れている!」というほどの『命の危険(重力不安)』として変換されてしまっているのです。命の危険を感じているのですから、泣き叫んで逃げるのは当然の防衛本能です。
② 足の裏が地面から離れることへの恐怖
自分の身体の輪郭や、手足の位置を感じるセンサー(固有受容覚)が未熟なお子さまは、「自分の足の裏が地面(地球)にしっかり着いていること」でギリギリ安心感を保っています。
そのため、「高い高い」をされたり、ブランコで足がフワッと宙に浮いたりすると、宇宙空間に放り出されたような強烈な不安に襲われ、パニックを起こしてしまいます。
今日から公園で即実践!「揺れの恐怖」を和らげる実用アプローチ
「慣れさせなきゃ!」と無理やりブランコに乗せて背中を押すことは、高いところが苦手な大人をバンジージャンプに突き落とすのと同じです。脳のトラウマとなり、公園そのものを嫌いになってしまいます。
今日から、以下の3つのアプローチで、脳に「揺れても安全だよ」と優しく教えてあげてください。
1. 足が「絶対に着く」高さからスタートする
足が浮くことが怖いのであれば、まずは「足の裏が地面にベッタリ着いた状態」で揺れを体験させます。
ブランコに座らせたら、お母さんが押すのではなく、お子さま自身の足で地面を蹴って「1センチだけ」前後に揺れる遊びから始めてください。自分でコントロールできる小さな揺れで、「足が着いているから怖くない」という成功体験を積むことが最優先です。
2. 揺れる前に「身体の土台」をギュッと固める
揺れの恐怖(前庭覚の過敏さ)を抑えるには、関節や筋肉に強い圧(固有受容覚)を入れるのが一番の近道です。
ブランコや滑り台に挑戦する前に、親子で「押し合いっこ(お相撲)」をしたり、お子さまの両手を持って「大根抜き!」と強く引っ張り合いっこをしたりしてみてください。身体の根っこに強い刺激が入ると、脳の興奮がスッと落ち着き、その後の揺れの刺激をマイルドに受け取ることができるようになります。
3. 「視点」を固定して脳の酔いを防ぐ
揺れている時に景色がビュンビュン動くと、脳は情報を処理しきれずに恐怖(あるいは乗り物酔い)を感じます。
滑り台を滑るときやブランコに乗るときは、「お母さんのお顔を見ててね」「あそこの赤い看板を見ながら滑ろう!」と、視線を一点に固定させてあげてください。視界がブレなくなるだけで、揺れに対する恐怖心は驚くほど軽減されます。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに感覚が統合され、少しずつ遊具を楽しめるようになっていくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、日常生活(階段の昇り降りなど)に大きな支障をきたすため、専門的なアプローチが必要です。
恐怖心が強すぎて、階段を立ったまま降りることができず、常にお尻をついてズリバイで降りようとする。
車の揺れや、親の自転車の後ろに乗るだけでも極端に怖がり、すぐに乗り物酔いをして嘔吐してしまう。
足場が少しでも不安定な場所(芝生、砂利道など)を歩くことを拒否し、親の抱っこから絶対に降りようとしない。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、トランポリンやスイング(布製のハンモックブランコ)、バランスボールなどの安全な環境で、お子さまのペースに合わせて少しずつ「揺れや傾き」の感覚を育てていきます。身体の土台がどっしり安定し、正しい揺れの感覚が入ることで、脳の「重力へのパニック」は不思議なほど自然に和らいでいくのです。
公園で、遊具で遊ぶ周りの子を横目に、ずっと砂場でしゃがみこんでいる我が子を見守りながら「もっと色んな遊びを楽しんでほしいな」と願っているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してワガママを言っているわけではなく、大人には分からない「未知の重力の恐怖」から、一生懸命に自分の身を守ろうとしているだけなのです。
「うちの子の極端な怖がり、もしかして感覚過敏が原因かも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまが笑顔で風を切って遊べるようになるためのサポートを一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな**「児童指導員」**の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、児童指導員および理学療法士をしています、内山隆範です。
7月も下旬に入り、子どもたちが待ちに待った夏休みが本格的に始まりましたね!連日の猛暑が続きますが、夕方の少し涼しくなった時間に公園へ出かけたり、お休みの日に大きなアスレチック施設へ遊びに行ったりするご家庭も多いのではないでしょうか。
そんな楽しいはずの外遊びの中で、お母さんやお父さんがふと「うちの子、ちょっと怖がりすぎじゃないかな?」と心配になるこんな光景はありませんか?
「お友達は楽しそうに滑り台やブランコで遊んでいるのに、うちの子は頑なに拒否して砂場から動かない」
「パパが『高い高〜い!』をしてあげた瞬間、この世の終わりのように泣き叫んでしがみついてくる」
「ちょっとした段差や、足場が揺れる吊り橋に行くと、足がすくんで一歩も動けなくなってしまう」
日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この「遊具や高さに対する極端な恐怖心」についてのご相談は非常によく寄せられます。
「大丈夫だよ、怖くないよ!」「ほら、お友達もやってるよ、男の子(女の子)なんだから頑張って!」
励まして無理に乗せようとすると大パニックになり、「なんでこんなに臆病なんだろう」「過保護に育てすぎたのかな…」と、周りの元気な子どもたちと比べて密かに落ち込んでしまうお母さんたちのお気持ち、痛いほどよく分かります。
でも、理学療法士(身体と脳の専門家)として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず一番に大切な事実をお伝えさせてください。
お子さまがブランコや高さを激しく怖がるのは、決して「単なる臆病な性格」だからでも、「親の育て方が過保護」だからでもありません。
これには、耳の奥にあるセンサーと、脳が感じる「地球の重力」の受け取り方による、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。
なぜ、「ちょっと揺れるだけ」でそこまでパニックになるのか?
大人の目には「安全で楽しい遊具」に見えますが、お子さまの身体と脳の中では、以下のような過酷な恐怖体験が起きています。
① 揺れを感じるセンサーの「超・過敏反応」(前庭覚の過敏)
私たちの耳の奥には、身体の傾きやスピード、揺れを感じる「前庭覚(ぜんていかく)」というセンサーがあります。
発達に凸凹のあるお子さまの中には、このセンサーが過剰に反応してしまう子がいます。大人にとっては「そよ風のような心地よい揺れ(ブランコ)」も、前庭覚が過敏なお子さまの脳にとっては、「ジェットコースターで真っ逆さまに落下している!」あるいは「大地震で地面が激しく揺れている!」というほどの『命の危険(重力不安)』として変換されてしまっているのです。命の危険を感じているのですから、泣き叫んで逃げるのは当然の防衛本能です。
② 足の裏が地面から離れることへの恐怖
自分の身体の輪郭や、手足の位置を感じるセンサー(固有受容覚)が未熟なお子さまは、「自分の足の裏が地面(地球)にしっかり着いていること」でギリギリ安心感を保っています。
そのため、「高い高い」をされたり、ブランコで足がフワッと宙に浮いたりすると、宇宙空間に放り出されたような強烈な不安に襲われ、パニックを起こしてしまいます。
今日から公園で即実践!「揺れの恐怖」を和らげる実用アプローチ
「慣れさせなきゃ!」と無理やりブランコに乗せて背中を押すことは、高いところが苦手な大人をバンジージャンプに突き落とすのと同じです。脳のトラウマとなり、公園そのものを嫌いになってしまいます。
今日から、以下の3つのアプローチで、脳に「揺れても安全だよ」と優しく教えてあげてください。
1. 足が「絶対に着く」高さからスタートする
足が浮くことが怖いのであれば、まずは「足の裏が地面にベッタリ着いた状態」で揺れを体験させます。
ブランコに座らせたら、お母さんが押すのではなく、お子さま自身の足で地面を蹴って「1センチだけ」前後に揺れる遊びから始めてください。自分でコントロールできる小さな揺れで、「足が着いているから怖くない」という成功体験を積むことが最優先です。
2. 揺れる前に「身体の土台」をギュッと固める
揺れの恐怖(前庭覚の過敏さ)を抑えるには、関節や筋肉に強い圧(固有受容覚)を入れるのが一番の近道です。
ブランコや滑り台に挑戦する前に、親子で「押し合いっこ(お相撲)」をしたり、お子さまの両手を持って「大根抜き!」と強く引っ張り合いっこをしたりしてみてください。身体の根っこに強い刺激が入ると、脳の興奮がスッと落ち着き、その後の揺れの刺激をマイルドに受け取ることができるようになります。
3. 「視点」を固定して脳の酔いを防ぐ
揺れている時に景色がビュンビュン動くと、脳は情報を処理しきれずに恐怖(あるいは乗り物酔い)を感じます。
滑り台を滑るときやブランコに乗るときは、「お母さんのお顔を見ててね」「あそこの赤い看板を見ながら滑ろう!」と、視線を一点に固定させてあげてください。視界がブレなくなるだけで、揺れに対する恐怖心は驚くほど軽減されます。
専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに感覚が統合され、少しずつ遊具を楽しめるようになっていくことが多いですが、以下のような状態が見られる場合は、日常生活(階段の昇り降りなど)に大きな支障をきたすため、専門的なアプローチが必要です。
恐怖心が強すぎて、階段を立ったまま降りることができず、常にお尻をついてズリバイで降りようとする。
車の揺れや、親の自転車の後ろに乗るだけでも極端に怖がり、すぐに乗り物酔いをして嘔吐してしまう。
足場が少しでも不安定な場所(芝生、砂利道など)を歩くことを拒否し、親の抱っこから絶対に降りようとしない。
このようなときは、どうかご家庭だけで抱え込まず、私たち専門家を頼ってください。
エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、トランポリンやスイング(布製のハンモックブランコ)、バランスボールなどの安全な環境で、お子さまのペースに合わせて少しずつ「揺れや傾き」の感覚を育てていきます。身体の土台がどっしり安定し、正しい揺れの感覚が入ることで、脳の「重力へのパニック」は不思議なほど自然に和らいでいくのです。
公園で、遊具で遊ぶ周りの子を横目に、ずっと砂場でしゃがみこんでいる我が子を見守りながら「もっと色んな遊びを楽しんでほしいな」と願っているお母さん、本当にお疲れ様です。
お子さまは決してワガママを言っているわけではなく、大人には分からない「未知の重力の恐怖」から、一生懸命に自分の身を守ろうとしているだけなのです。
「うちの子の極端な怖がり、もしかして感覚過敏が原因かも?」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添い、お子さまが笑顔で風を切って遊べるようになるためのサポートを一緒に考えてまいります。
【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!
そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな**「児童指導員」**の仲間を募集することとなりました。
私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。
保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を専修する学科・研究科を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。
「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。
求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。
ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
児童指導員・理学療法士 内山 隆範