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「ぺちゃんこ座り(W座り)」がやめられない子。身体の深い理由

こんにちは。
療育センターエコルドはぐみのおうち かすがいで、理学療法士をしています、内山隆範です。

6月も後半。雨の日が続き、おうちの床でブロックやミニカー、お絵かきなどをして遊ぶ時間が増えているご家庭も多いのではないでしょうか。

そんな日常の中で、お子さまが床に座っている後ろ姿を見て、ふとこんなふうに声をかけることはありませんか?

「ほら、足が変な形になってるよ。お行儀よく座りなさい」
「また『ぺちゃんこ座り』してる! 足の骨が曲がっちゃうよ!」
両膝を内側に折り曲げ、アルファベットの「W」のような形にして座る、いわゆる「W座り(とんび座り・女の子座り)」。

日々の療育の現場でも、そして我が家の子育ての中でも、この座り方は本当によく目にする光景です。
「将来、O脚やX脚になったらどうしよう」「歩き方がおかしくなるんじゃないか」と、親としては骨格への影響が心配になりますよね。見つけるたびに「足を前に出して!」と注意するけれど、気づけば数分後にはまたW座りに戻っている。そんなイタチごっこに、ため息をついてしまうお母さんたちのお気持ち、本当によく分かります。

でも、理学療法士として、そして同じ子育てに奮闘する親として、まず大切な事実をお伝えさせてください。

お子さまがW座りをしてしまうのは、決して「癖が悪い」からでも「言うことを聞かない」からでもありません。

これには、筋肉の張りと骨格のメカニズムによる、明確なエビデンス(医学的根拠)が存在します。お子さま自身も好きでやっているわけではなく、「そう座らないと遊べない理由」があるのです。

なぜ、何度注意しても「W座り」になってしまうのか?

大人の目には「関節が柔らかくて変な座り方」に見えますが、お子さまの身体の中では、「倒れないように必死で身体の土台を固めている状態」が起きています。

① 体幹の筋肉が弱く、関節を「ロック」して座っている

発達に凸凹のあるお子さまの中には、生まれつき筋肉の「ハリ」が弱く、体幹(お腹や背中)の力で姿勢をまっすぐ保つのが苦手な子がいます。
あぐらをかいたり、足を前に伸ばしたりして座ると、自分の筋力で身体を支えなければならず、すぐにグラグラと倒れてしまいます。そこで、両足を外側に広げる「W座り」にすることで、お尻と両足で大きな三角形(支持基底面といいます)を作り、股関節をガチッと「ロック」させているのです。
つまり、筋肉の代わりに「骨と関節」をストッパーにして、必死に倒れないようにしている生存戦略なのです。

② 手先を自由に使うための「代償動作」

W座りをすると身体の土台が物理的に安定するため、両手を床から離しても倒れません。体幹が弱いお子さまにとっては、ブロックを組み立てたりお絵かきをしたりと「手先の作業に全集中するため」には、このW座りで土台を固めることがどうしても必要不可欠なのです。

今日からおうちで即実践!W座りを減らす実用アプローチ

「ちゃんとした座り方にしなさい!」と無理に足を崩させることは、お子さまから「安定した土台」を奪うことになり、結果的に遊びへの集中力が途切れたり、姿勢が崩れてゴロゴロ寝転がってしまったりします。
注意するのを一度お休みして、今日からおうちで以下のアプローチを試してみてください。

1. 床ではなく「小さな椅子と机」の環境を作る
一番手っ取り早く、かつ効果的な方法です。床に座るからW座りになってしまうのであれば、遊びの環境ごと変えてしまいましょう。お子さまの足の裏がしっかりと床に着く高さの「小さな椅子とテーブル」を用意してあげてください。これだけでW座りは物理的に防げますし、足裏を踏ん張ることで自然と体幹も鍛えられます。

2. 声かけは「禁止」ではなく「別のポーズの提案」を
「W座りはダメ」と否定するのではなく、「忍者さんの座り方(あぐら)にしてみようか!」「足を前に伸ばす『長座』でどっちが長く座れるか競争ね!」と、ゲーム感覚で別の座り方を提案してみてください。お子さまが自分から姿勢を変えられたら、大げさなほど褒めてあげることがポイントです。

3. 体幹を育てる「動物歩き遊び」を取り入れる
W座りの根本原因である「体幹の弱さ」にアプローチします。おうちの中で、四つん這いになって進む「クマさん歩き」や、お母さんが足を持って腕の力で進む「手押し車」をして遊んでみてください。これらは、お腹と背中の筋肉(抗重力筋)をダイナミックに鍛えることができるため、続けるうちに自然とあぐらや正座で座れる時間が長くなっていきます。

専門家(療育)に相談を考えてほしいサイン
成長とともに筋力がつけばW座りは自然と減っていくことが多いですが、長期間放置すると股関節や膝関節の変形、内股歩き(つま先が内側を向く歩き方)に繋がるリスクがあります。以下のような状態が見られる場合は、専門的なアプローチが必要です。

歩いたり走ったりするときに、よく自分の足がもつれて転んでしまう。
「膝や股関節が痛い」と訴えることがある。
W座り以外の座り方(あぐら、正座など)を極端に嫌がり、全く姿勢を保つことができない。

このようなときは、ご家庭だけで無理に直そうとせず、私たち専門家を頼ってください。

エコルドはぐみのおうちでは、理学療法士としての知見をフルに活かし、ただ「座り方を直す」のではなく、遊びの中で自然に体幹を育てるアプローチをしています。トランポリンやアスレチックなどの粗大運動(全身運動)を通じて、姿勢を保つための「根っこの筋肉」を無理なく強くしていきます。
床にペタンとW座りをしている我が子を見ると、「足が曲がっちゃう!」と焦ってしまうお気持ち、本当によく分かります。

でも、お子さまはわざと悪い姿勢をしているのではなく、自分の身体の弱さを無意識にカバーして、一生懸命遊ぼうとしている最中なのです。

「うちの子の座り方や姿勢、どうにかしてあげたいな」と思われた時は、いつでもエコルドはぐみのおうちへお気軽にご相談ください。専門家として、全力でお子さまと保護者様に寄り添わせていただきます。

【求人のお知らせ】一緒に働く仲間を募集しています!

そして最後に、エコルドから大切なお知らせがございます。
おかげさまで、現在大変多くの利用者様にご愛顧いただいており、子どもたち一人ひとりとより深く、丁寧に向き合っていくために、新たな「児童指導員」の仲間を募集することとなりました。

私たちは、単に「預かる」場所ではなく、今日お話ししたような身体のメカニズムや脳科学のエビデンスに基づいた療育を何よりも大切にしています。そのため、以下のような専門的な資格やバックグラウンドをお持ちの方の力を必要としています。

保育士・幼稚園教諭:子どもの発達段階を理解し、日常の遊びや関わりから成長を促せる方。
理学療法士(PT)・作業療法士(OT):姿勢や動き、粗大・微細運動の分析と、身体の根っこからのアプローチに強みをお持ちの方。
公認心理師・臨床心理士:子どもたちの心の動き、感覚統合の特性、そして保護者様への心理的サポートに専門性をお持ちの方。
大学または大学院で心理学を修了された方:心理学の知見を、実際の療育現場で活かし、探求したい方。

「まだ経験が浅くて不安……」という方も、ご安心ください。
エコルドでは、私のような理学療法士をはじめ、異なる専門性を持つスタッフがチームとなり、日々の療育についてエビデンスを元にディスカッションし、共に学び合う文化があります。あなたの専門性を、子どもたちの「できた!」の笑顔に変える場所が、ここにあります。
また、現在上記の資格取得を目指して勉強中の学生の皆さん。
教科書で学ぶ理論が、実際の療育現場でどのように子どもたちの身体や心の変化に繋がるのか、その「生きた学び」を、エコルドで一緒に体感してみませんか?アルバイトやインターンシップからのスタートも大歓迎です。
子どもたちの無限の可能性を信じ、身体の土台から人生を豊かにするサポートをしたい。そんな熱い想いをお持ちのあなたと、一緒に働ける日を楽しみにしています。


求人の詳細やご応募、ご見学については随時受け付けております。

ページ内の【電話でのお問い合わせ】または【問い合わせフォーム】より、お気軽にご連絡ください。まずは見学だけ、という方も歓迎です!

療育センターエコルドはぐみのおうち かすがい
理学療法士 内山 隆範
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