ADHD(注意欠如・多動性障害)の治療法・療育法は?治療薬は効果的なの?【専門家監修】

ライター:発達障害のキホン
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ADHDの治療法にはどんなものがあるのでしょうか?またどのような療育法が適しているのでしょうか?ADHDの治療薬の効果や副作用、薬以外の治療法としての療育などについてご紹介します。様々な治療法のメリット・デメリットを知り、本人が生きやすい環境を作るように心がけましょう。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 客員研究員
応用行動分析学をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のための様々なプログラムを開発している。
目次

ADHDの治療はいつから始めるべきなの?

どのような症状であれば治療が必要?

ADHDの人には、集中することができずにすぐに気が散ってしまう「不注意」、落ち着いてじっとしていることができず体を動かしてしまう「多動性」、そして順番が守れなかったり思いついたことを考えずにすぐに行動に移したりする「衝動性」の3つの特徴が表れます。

小さい子どものうちは、ADHDではなくてもこのような行動をとることもありますが、このような特徴が年齢や発達に不釣り合いなほど過度に見られ、社会的な活動や学業に支障が出る場合には、保健センターや子育て支援センター、児童発達支援事業所などの専門機関に相談することをおすすめします。
大人の場合には、同じミスばかり繰り返したり、大事な約束を頻繁に忘れてしまったり、整理整頓ができないなど、社会生活や日常生活に支障をきたす症状がある場合には、発達障害者支援センターなどの専門機関や精神科などの医療機関で相談してみましょう。

治療を始める年齢は何歳?

治療には、療育や教育といった心理・社会的アプローチと、薬物療法などの医療的なアプローチがあります。

ADHDは先天性の発達障害ですが、診断は症状が出てからとなるため、治療や療育をはじめる年齢はまちまちです。一般的には療育や教育は年齢には関係なく、いつからでも受けることができますが、困りごとが出てきたり、障害に気づいた時点で早めに取り組むことが大切です。

療育によるADHDの治療

ADHDの根本的な完治は現在の医療では難しいですが、ADHDの症状を緩和させるために療育という手法を取ることができます。療育とは、社会的な自立をめざしてスキルを習得したり、環境を整えるアプローチのことです。療育法で学ぶことは主に環境調整、ソーシャルスキルトレーニング、ペアレントトレーニングの3つです。今回はこの3つの具体的な内容をお伝えします。

■環境調整
この環境は、教育現場や家庭における環境をさします。たとえば集中が難しい場合は、机の周りに無駄な刺激物を置かないようにするなど、教室や身の回りの環境を調整します。片付けが苦手な子の場合に、元の位置に物を戻しやすいようにおもちゃ箱を工夫する、視覚過敏がある子の場合、照明を工夫する、などがあげられます。

■ソーシャルスキルトレーニング(SST)
ソーシャルスキルトレーニングは、略してSSTとも呼ばれます。ここでは様々な特性をもつ本人が社会や生活での適切な行動をうまくできるようにトレーニングしていきます。対人関係をうまく行うための社会生活技能を身につけるためのトレーニングを遊びなどを用いたロールプレイを通じて行います。

■ペアレントトレーニング
保護者が障害のある子どもとの関わり方や、子育ての工夫の仕方を学ぶプログラムです。注意の仕方、子どもの行動に対するアドバイスの仕方、本人の自己肯定感を育む褒め方など、子どもとの接し方を中心に学びます。

このような療育は、発達障害専門の病院や公立・民間の「児童発達支援」「放課後等デイサービス」などで学ぶことができます。療育によって、本人の生きづらさを緩和し、また良い部分を磨いていくことができます。

ADHDの薬物療法は?

治療薬でのADHDの治療は、不注意・多動性・衝動性の症状を緩和する効果があります。しかし、この効果は服薬している間にとどまります。薬の効き方は個人によって違いがあり、また副作用の出方もまた同様です。そのため、医師と相談しながら使用する必要があります。
ADHDで使われる主な治療薬は以下の3種類があります。

■ストラテラ(アトモキセチン)
ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(NRI)です。日本でADHDに効果効能があるとして承認されている薬のひとつで、効き目が出るまで約1ヶ月かかりますが、24時間効果が持続します。副作用としては食欲不振があると言われています。

■コンサータ(メチルフェニデート)
中枢神経を刺激して、脳内の神経伝達物質であるドーパミンやノルアドレナリンの調節をする薬です。飲んで2時間後ぐらいから効果を感じることができ、効き目は12時間程度持続します。副作用としては、頭痛・寝つきが悪くなる・食欲不振などがあると言われています。しかし服用を続けて薬に慣れてくると、副作用が軽減することもあるそうです。

■インチュニブ
症状に応じて、上記以外の薬が処方される場合があります。人によって合う合わないもあり、副作用が見られこともあります。薬に頼りすぎたり、また自己判断で服用をやめたりしないようにしましょう。医師としっかり治療方針を相談した上で、用法用量を守って使用することが大切です。また、薬物療法のみで子どもを落ち着かせるのでははく、環境調整や落ち着いている時にスキルトレーニングなどを行っていきましょう。(※1)
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