【大人のADHD】仕事での困りごと・対処法まとめ【専門家監修】

ライター:発達障害のキホン
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大人になってからADHD(注意欠如多動症)の特徴との付き合い方を困難に感じる人は多いそうです。仕事や日常生活のさまざまな場面で出会う困難に、どう対処すればよいのでしょうか。ADHD(注意欠如多動症)の大人が仕事で困っていることや、困りごとに対して行っている対処法を紹介します。

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監修: 井上雅彦
鳥取大学 大学院 医学系研究科 臨床心理学講座 教授
LITALICO研究所 スペシャルアドバイザー
ABA(応用行動分析学)をベースにエビデンスに基づく臨床心理学を目指し活動。対象は主に自閉スペクトラム症や発達障害のある人たちとその家族で、支援のためのさまざまなプログラムを開発している。
目次

ADHD(注意欠如多動症)で働いている人はどのくらいいる?

ADHD(注意欠如多動症)は英語でAttention-Deficit Hyperactivity Disorderの略で、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる発達障害のことです。

ADHD(注意欠如多動症)のある大人がどのくらいいるのか、日本でのデータはほとんどありません。ですがそのなかには、自分がADHD(注意欠如多動症)であるという自覚がなく、就職して働いている方も少なくないと考えられます。そのためADHD(注意欠如多動症)の方の就職率は具体的に数値として出てはいませんが、社会に出て民間企業などで働いている人も大勢いると言えるでしょう。

ADHD(注意欠如多動症)の方々の不注意、衝動性、多動性という3つの特徴はネガティブにとらえられることが多いです。しかしこれらの特徴をポジティブにとらえると、「積極性がある」「柔軟性がある」とも考えられます。特性を活かしやすい天職に就くことができると、大きな成果が出せる可能性もあります。周りの人が環境を整え、本人の良い部分を伸ばしていける環境を作っていくことが大切です。
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ADHD(注意欠如多動症)の3つのタイプとは?【専門家監修】

大人のADHD(注意欠如多動症)、いつ診断された?きっかけは?

昔からADHD(注意欠如多動症)のような症状に悩む人はいましたが、障害名としては比較的新しく、世の中に広く知られるようになったのはこの20年ほどと言えます。そのため、子どものころにADHD(注意欠如多動症)の症状が見逃されていて、大人になってから気づく人も多くいます。また、いまだに発達障害であることに気づかず、苦しんでいる人も多いと考えられています。
大人になって診断を受けた人の場合、幼いときから何となく他の人と違うなと感じており、仕事面や生活面での失敗から疑いを持ち始め、医療機関で判定を受ける人が多いそうです。
障害のあるなしにかかわらずいえることですが、人によって仕事の向き不向きがあります。しかしこの方のように理解のある職場・上司に出会えることによって充実した働き方をしているケースもあります。

ADHD(注意欠如多動症)の人が向いている仕事は?向いていない仕事とは?

ADHD(注意欠如多動症)の人が得意といわれていること

・興味のあることに対して情熱を持ち、集中することができる
・アイデアが豊富で、固定概念にとらわれず自由に考えられる
・行動力がある
・素晴らしいひらめきをすることができる
・独特の感性をもち、考えることができる など

上記の点から、研究職や、行動力を生かして働ける営業職や販売職、独特の感性を発揮できるコンピュータ・プログラマー、CGアニメーター、広告関係、デザイナーなどが向いているといわれている職業です。

ADHD(注意欠如多動症)の人があまり得意ではないといわれていること

・単調なことの繰り返し
・持続的に集中力が必要なこと
・一度に多くのことに注意を向けること
・時間やルールが厳しいこと
・ミスが許されないこと など

上記の点から向いていないとされる職業は、製品検査などの確認作業、長時間のデスクワーク、本の校正などです。しかし、これらはあくまで傾向でしかありません。ADHD(注意欠如多動症)の症状は人それぞれで、当然得意なこと、苦手なことも人によって変わってきます。自分の傾向を見極め、得意なことや興味のある職業に就くことで、仕事でもやる気が出て、成果を出しやすくなります。
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