「笑顔で不登校」学校で頑張り続けた息子と私が、自宅療養を決断するまで

ライター:多原美加
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ADHDの次男が、中学1年で不登校になるまでのこと。紆余曲折し、「今は何が一番大事なのか」という視点をもったとき、子どもを守ることを決めました。その形が、我が家の場合「自宅療養」だったのです。

しぶしぶ通級を開始した小学校

次男は小学2年生でADHDと診断を受けました。

多動があり目線が合わない。手足のゴソゴソが目立ち、先生からの指示も理解しにくく聞いても忘れる。そして忘れ物が激しく、カタカナも覚えられない子でした。

主治医と相談しながらお薬を利用する事を決め、コンサータを飲みながら学校へ通い、心理士との定期のカウンセリングもスタート。

お薬が合っていたので、目立つ症状は落ち着きました。時々学校へ行きたがらなくてお休みする日もありましたが「明日は学校に行こうね」と言うと「分かった」と、翌日は元気に学校へ行っていました。

そして高学年になり、支援学級を考えるようになりました。本人にその事を伝えると「友達と同じがいい!」と言って支援学級へ行く事を拒否。

ならばと通級を利用しましたが、本人は通級にも抵抗があったようです。「友達と同じように過ごしたい」という思いは強かったようですが、通級を使いながら何とか小学校時代は過ごしました。
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普通級、支援級と頑張りつづけた中学校

中学校進学前、本人と支援学級について話し合いました。
「まずは皆と一緒に頑張る。もし駄目な時は…その時になったら支援学級へ行くよ」という本人の言葉を聞き、まずは普通級に決めました。

スクールカウンセラーも利用し、学校との連携を進め、先生と面談。万全な支援体制を整えたつもりでした。

進学後、最初は順調に思えましたが、1学期半ばから腹痛や頭痛が増えていき、夜に寝付けない日もありました。
勉強についていけない、でも友達といるために頑張らなきゃ、けど思うようにできない…そんなストレスがあったのかと思います。

もう普通級で続けていくのは無理だと判断した私は、支援学級へ入る手続きを取りました。次男もその事に同意。

支援学級で心機一転、学校生活を送り始めたものの、思うように先生に理解をしてもらえず、次第に学校に行けない日が増えていきました。
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困難さを知ってもらいたいと、先生とも何度も話しましたが、なかなか思うようにいきませんでした。

ある日の朝、制服に着替えようとしない様子にイラ立ち、私は思わず「頑張るんじゃなかったの!」と言ってしまいました。

次男は驚いた顔で私を見ました。そして私はその顔を見て、ハッとしました。

そうだ!この子は今まで頑張ってきたんだ。頑張りたいのに頑張れない、そんな自分に戸惑ってるんだ。これ以上頑張らせる事は今のこの子には酷だ、と気づきました。

私はすぐに「ごめんね、いっぱい頑張ったんだよね」と謝りました。するとウンウンと、頷きながら涙を流していました。

「この子の頑張りは周りから分かりにくいだけ。私がこの子の頑張りを認めてあげなくてどうするのだろう」そう思った途端、ふっと力が抜けました。

「学校休もう」そう伝えると次男は安堵の表情になりました。そこから完全に不登校となりました。

心から安心できる、自宅療養を

「療養」といっても、何かするわけではありません。生活リズムを整えて、心をゆっくりと休めることを一番に過ごしています。

親としては、本人を認めるような声掛けを心がけています。手伝いをしてくれた時に「ありがとう!おかげで助かったよ!」と伝えると、ドヤ顔で嬉しそうにします。そんな些細なことが、嬉しくて幸せです。

というのも、無理をし続けて学校に通っていた時は、家でも表情も暗く、八つ当たりの兄弟喧嘩も絶えなたっかたのです。

自宅療養をはじめてからは、よく笑い、よく話をしてくれるようになり、驚くほど表情も優しくなりました。

思えば私自身も、周囲の言う「子どもはちゃんと学校にいくものだ」という言葉にプレッシャーを感じながら、先生との連携やカウンセリングの手配をしていた様に感じます。

ここから私が学んだことは、親が苦しみながら子どもに無理をさせても、お互いに辛いだけ、ということ。

人生はいつからでもスタートできますから、自宅療養も焦らずに1年、2年と長い目でみて、見守っていようと思います。
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