子ども達の発達の凸凹を支えたい!支援ツールを作るとき、アイデアはどこからくる?

2016/07/25 更新
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「折角、素敵な凸凹があるんだもの。欠点克服ではなくて、苦手な凹は工夫して上手につき合えばいい」と考えて子育てしている私。今まで数多くのアイデア支援ツールを発明し、育児をしながら、楽々かあさんとして発信を続け、子育て本も出しました。でも、そんな私も実は「大人の凸凹さん」。得意なことだけでなく、苦手なことも沢山あるけど、凸も凹もどっちも大事にしています。

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私は、子どもの支援ツールを作って、情報発信をしています

私は子育てのかたわら、アイデア支援ツールを多数発明し「楽々かあさん」として、凸凹子育てや支援に役立つ情報の発信を続けています。

最近、「どうしたらそんなにアイデアが出るんですか?」という質問を、取材等で頂く機会が増えました。

子どもに合わせた支援ツールを作るコツは、

・子どもの話を否定せずによく聴く

・行動をよく観察し、困りや作業性に注目する

・使用感を確かめながら調節する

…ということになりますが、本当の理由は「体質的にアイデアが出やすい」から。

そう、実は私「大人の凸凹さん」なんです。

うちの子達と同じような凸凹傾向があり、得意なことがある反面、できないことや苦手なこともたくさんあるんです。

わが家は、片付けが得意な人が1人もいない!

我が家には、片付けの得意な人が1人もいません。家族5人+犬1匹、全て出しっぱなし、散らかしっぱなしです。

最低限の工夫、ゴミだけは拾い、無くすと困るものには専用BOXやヒモをつけて管理する、という事だけはしています。

そんな私は以前ネットで見た「天才は机が汚い?」といったまとめ記事を、とても励みにしています。スティーブ・ジョブズやアインシュタインなど、革新的なアイデアと創造性を持った著名人の多くは机の上が散らかっている、というのです。

「片付けられない」のは必ずしもマイナス面ばかりではない、と、ものの見方を変えるきっかけになりました。

実際の所、クリエイティブで革新的なアイデアのひらめきを得るには、モノが散らかっている状態は、理にかなっています。ハリウッドの脚本チームなどが用いる「ブレインストーミング」というアイデアを生み出す手法も、キーワードの書かれたカードをランダムに並べて、一見無関係な情報同士を結びつけ、斬新な発想を得ようとする試みです。

「片付けられない」人たちは自分の頭の中だけで、いつでも実行できてしまうのだと思います。部屋の散らかりは、単にその特徴の表れに過ぎないのです。

私は「片付けられない」のは、クリエイティブで発想力豊かな証拠だと思っています。
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我が家のクリエイティブなリビング。足場の悪い所を歩く療育にも。
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「情報が捨てられない」苦しさはあるけれど…

そして、私自身の頭の中も、情報の選別が苦手です。

視覚と聴覚両方に過敏性があり、長期記憶が得意なのであれこれと見聞きしたことは、大事なことも些細なことも、大量の情報を受け取ったまま、分別せずにストックし続けてしまいます。

つまり、記憶の整理整頓も苦手なんです。

これは、ちょっぴりしんどいことでもあります。

何十年も前のイヤなこと、腹の立つこと、悲しいこと、あるいは自分の失敗体験なども忘れることができず、ちょっとしたきっかけで、芋づる式に次々と頭の中で再生されて、その度に、何度も同じ気持ちを味わうからです。

そして、文字情報もまるごと受け取ってしまうので、大量の文字と一緒にそれを書いた人の苦しさなどの感情にも共鳴しやすく、文字の羅列に目が回ったり、一緒に胸が苦しくなってしまったりもします。

大量の「ちょっとほろ苦い情報」も、冷蔵庫の奥のパック寿司のオマケのショウガやわさびの小袋と同様、なかなか捨てられないのです。

でも、こういった膨大な情報のストックがあるからこそ、できることもあるんです。

そして、いつも頭の中は臨月の妊婦のごとくパンパンで苦しいので、「なんとかそれを形にして産み出して早く楽になりたい!」という気持ちも強いのです。

良い言い方だと、これは、「創作意欲」と呼ばれます。

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記憶の整理も苦手。雑情報が捨てられず、分別せずにストックし続けてしまう。
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誰しも、凸と凹はセット。苦手克服だけに頑張らない

つまり、私の「アイデアが出やすい」「創作意欲が強い」という長所は、「片付けができない」「モノが捨てられない」といった短所と、表裏一体なんです。

凸と凹は、セットです。

我が家の育児でも、苦手な凹の克服を頑張り過ぎてしまうと、せっかくの素敵な凸も消えてしまいます。

ですので、最低限、本人や周りの人が日常生活に大きく困らない程度の工夫をして、自分と上手につき合う方法を身につければいい、と考えています。

うちの子達が何かに困ったりつまずいたり、学校で何かやらかしたりすると、それをきっかけにアイデアを生み出すための「スイッチ」が入ります。

トラブルがあるから、アイデアが出るんですね。ピンチはチャンス、とはよく言ったものです。そして、「どうしたら」ハードルが下がるのか、伝わり易いのか、自信になるのか、と具体的に考えます。

そんな時に例えば、洗濯たたみなどの単純な動きの手作業をしながらぼんやり考えていると、過去の膨大な雑情報が次々と結びつき、ジグソーパズルのようにピタピタとアイデアのピースがはまっていきます。

そして、「いいこと思いついた!」という瞬間がやってきます。

でも短期記憶が弱く、すぐに大事なことを忘れてしまいがちな私は、その場でふせんにメモを書いて、A4の大きなスケジュール帳に、その都度貼っておくのです。

そんなことを家事の合間にしていると、いつも「ついうっかり」こんなことになります。
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ひらめきが降りた瞬間。何かを得るのと同時に、失うものも大きい。
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…同時処理の苦手な私は、うっかり者の長男のことを偉そうに注意できる立場ではないのです。

苦手なことが多いから、できない人の気持ちが分かる。

でも、そんな苦手なことや、短所・欠点・失敗も多い私だからこそ、子どもの凹の部分の「できない目線」に合わせることができます。

うちの子が何につまずいているのかが手に取るように分かり、どんな子にも分かりやすい工夫のアイデアが次々と浮かびます。

そして、アイデアが出やすいことを活かして「楽々かあさん」として、日々の発信や執筆活動を通し、多くのお子さん・お母さんの役に立つことができるのです。

反面、対人関係の苦手さや集中力の偏りもあり、環境に左右されやすく、メンタルも決して強くはありません。

だからこそ、「育児・療育を頑張り過ぎて疲れてしまう」「我が子が可愛いと思えない時がある」なんてお母さんのお悩みにも共感できるし、できない気持ちに寄り添うことができるのです。

「お母さんはいつも笑顔で!」「イライラしてはダメ!」ではなく、育児を毎日頑張っていればつい怒ってしまうのも、イライラするのも当たり前。

子ども同様、親にだって「頑張ってもできないこと」があるのを大前提にしながら、「どうしたら」怒らなくても子どもに伝わり易いだろうか、と日々考えています。

その考えが「声かけ変換表」を作ったり絵や図で説明したり、道具を工夫し、子どもやお母さんたちのハードルを下げることにつながっています。

育児を頑張りすぎて疲れてイライラしてしまう時、「どうしたら」コンディションを持ち直すことができるのか?

他の人の力をどう借りていけばいいのか?という具体的な対処法も伝えることができます。

言葉の選び方へのこだわりも強いので、デリケートな育児をしているお母さんたちに、思いやりのある表現で文章を書くことができます。

このように、私は自分の凸の部分と同じくらい、凹の部分を財産のように思っています。

凸も凹も、どっちも大事。

両方あるからこそ、私の「アイデア支援ツール」が、次々と生まれて来るんです。

この記事を書いた人の著書

発達障害&グレーゾーンの3兄妹を育てる母の毎日ラクラク笑顔になる108の子育て法
大場美鈴(著),汐見稔幸(監修)
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