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[第4回]

難聴でも迷わず挑戦できるのは、いつも背中を押してくれる親がいたから

女優の津田絵理奈さん。これまでのインタビューでは、ろう学校を卒業し、家族の元を離れ女優として活動をしながら1人暮らしをスタートさせたことをお伺いしました。

夢に向かって思い切って挑戦できたのは、父の言葉のおかげ

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編集部:今回は、親子関係についてお伺いできればと思います。

例えば進路を決める時期は保護者も本人も保守的になりやすいと思うのですが、女優という挑戦を伝えた時は、ご両親はどんな様子でしたか?

津田:そうですねえ。
でも私はいつも長い将来のことまでは全く考えていないく、その場その場で決めてた気がします。

でも、家族がちゃんとサポートしてくれた。その安心感があるから挑戦しやすかったんだと思います。

編集部:挑戦しやすさ、ですか。

津田:今思えば、父は将来私の仕事場を作ることを考えてくれていたのではないかと思うんです。

「コーヒー屋やろうかなあ、そしたら絵理奈も働けるしなあ」なんて。
そんな風に「働ける場所は作るから、安心して好きなことしなさい」というようなメッセージをよく会話の中で言ってくれていたような気がします。

父ははっきりと言わないのでもしかしたら違うのかもしれないけど、私はそう感じていました。

編集部:そうなんですね。

津田:だからあまり「出来なかったらどうしよう」とは考えていませんでしたね。

編集部:それは、事務所に応募するときも…?

津田:多少迷いましたけど、聞こえない女優さんのロールモデルもいたらから「このひとがいるなら、うちもやれるわ」って踏み切れました。

憧れの人との共演、自分の気持ちを信じて良かった

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津田:ロールモデルというのは、難聴で女優の忍足亜希子さん。高校の廊下にお芝居のポスターが貼ってあり、踏み出すキッカケになりましたね。

女優として初めて舞台に挑戦した際に共演した方が、忍足さんに会う機会をつくってくださって…

編集部:え!憧れの方にお会いできたんですね!

津田:はい、それはもう嬉しくて嬉しくて。あの時勇気だして応募して本当によかった…そう思いましたね。食事に連れて行ってもらったんですけど、緊張しすぎて何を話したかは全く覚えていません(笑)

編集部:あはは(笑)

親が怒るのは、応援してくれている証拠だから

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編集部:現在津田さんは子育て中なんですよね。お子さん、インタビュー開始から約1時間ほど、とても静かに待ってくれて…

津田:普段はもっとやんちゃなんですけど「今は仕事なんだ」ってわかっているのかもしれませんんね(笑)

編集部:子育てで大事にされている事はなんですか?

津田:今はまだ小さいのでいっぱい話しかけることを意識していますけど、将来はたくさんの選択肢を見せてあげたいなって思います。

編集部:選択肢、ですか?

津田:はい、私の親がそうだったように子どもには色んな道を見せてあげたい。少し覗いてから、本人が自分で選べばいいと思うんです。

編集部:なるほど。

津田:私は、学校と家だけの生活が長かったので、友達との間に居場所がないと感じて不登校の時期もありましたけど、親はどんな時も味方でいてくれました。

味方といっても、怒られることも、意見が違うこともありました。

それは良いんです。そういうの含めて「親だけは絶対に応援してくれている」そう感じていました。心強くて、とても幸せで嬉しかったです。

だから、私もそんな親でありたいなと思っています。

【完】
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