カサンドラ症候群とは?アスペルガー症候群の家族がいる人が注意したい症状・対処法まとめ

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カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群がある人の家族や身近な人が、コミュニケーションをうまく築けないために起こる二次障害です。現在、明確な診断基準は定められていませんが、カサンドラ症候群の症状を訴える人も増えているようです。この記事では、カサンドラ症候群の概要や症状、対処法についてご紹介します。

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目次

カサンドラ症候群とは?

カサンドラ症候群とは、アスペルガー症候群がある人とのコミュニケーションがうまくいかないことによって、家族や友人など、アスペルガー症候群の人の身近にいる人に心身の不調が生じる二次障害のことです。特に妻や夫といったパートナーに起こる場合が多いと言われています。対人での関係性による障害であることから、状態として捉えられることもあります。

2003年に心理学者がカサンドラ症候群と名付けましたが、まだ障害名としては確立しておらず、現在のところアメリカ精神医学会による診断基準である『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)などにも記されていません。そのため、カサンドラ症候群カサンドラ情動剥奪障害カサンドラ愛情剥奪障害などと呼ばれることもあります。

今回はカサンドラ症候群という名称を用いて、身近にアスペルガー症候群の人がいる人が陥りやすい不調や対人関係の問題と、その対処法などについてご紹介します。
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カサンドラ症候群の症状

カサンドラ症候群の症状としては、身体的なものと精神的なものがあります。症状の程度によっては、日常生活に困って医療機関を受診しなければならないほどまで、高いストレス状態に陥ってしまう場合があります。代表的な症状は以下のようなものがあります。

偏頭痛
体重の増加または減少
自己評価の低下
パニック障害
抑うつ
無気力
自律神経失調症 など

下記は、カサンドラ症候群に陥った方の体験談です。

最近思うのは、いよいよ私はカサンドラになってきたのかな。。。
(中略)
長男のアスペ&ASD、旦那の多分未診断ですが、アスペ&ASD、更にはモラハラ。
その二人を相手する私が、二人へのストレスが酷すぎて、鬱々させられ胃腸を悪くして、頭痛が続く毎日です。
私の体力と精神と我慢の限界

出典:https://h-navi.jp/posts/168229/

夫の理不尽な言動で心から追い込まれ…
夫の言動で過呼吸の発作…
夫が言う通り自分の考え方が悪いのかな…
自分に自信無い…
ストレスで胃が痛い…
内科医から心療内科勧められるけど夫が変わらないと何も改善しないし…
私カサンドラ症候群かも

出典:https://h-navi.jp/posts/12284/

カサンドラ症候群の原因

カサンドラ症候群を引き起こす発端には、身近な人のアスペルガー症候群の特性によるトラブルがあるといえます。では一体、カサンドラ症候群の発端となるアスペルガー症候群の特性とはどのようなものなのでしょうか。

アスペルガー症候群には3つの症状があります。「コミュニケーションの問題」「対人関係の問題」「限定された物事へのこだわり、興味」の3つです。

コミュニケーションの問題
表面上は問題なく会話できるのですが、その会話の裏側や行間を読むことが苦手です。明確な言葉がないと理解がむずかしく、比喩表現などをそのままの意味で鵜呑みにしてしまう傾向があるため、人の言葉を勘違いしやすく、傷つきやすい面があります。具体的な症状としては、曖昧な表現が苦手だったり、不適切な表現を使ってしまうことなどがあります。

対人関係の問題
場の空気を読むことに困難さがあり、相手の気持ちを理解したりそれに寄り添った言動が苦手な傾向にあります。そのため、社会的なルールやその場の雰囲気を平気で無視をしたような言動になりがちで、対人関係を上手に築くことが難しいです。具体的な症状としては、相手の気持ちを理解することが苦手なことから、相手を傷つけたり、自己中心的と思われる言動や行動をしてしまうことなどがあります。

限定された物事へのこだわり、興味
いったん興味を持つと過剰といえるほど熱中します。法則性や規則性のあるものを好み、異常なほどのこだわりを見せることがあります。その法則や規則が崩れることを極端に嫌う傾向があります。一方、この特性は逆に強みとして活かすこともできます。具体的な症状としては、自分のルールがあったり、興味のあることに対して話し続けてしまうことなどがあります。

周囲の人たちは、アスペルガー症候群の特性だとわかっていても、アスペルガー症候群の人と接していくうちに、うまくコミュニケーションが築けないことに自信をなくしてしまったり、周囲に相談しても理解をしてもらえないため、孤独感を感じてしまう場合があります。家族は毎日の生活の中で接する機会は多いですし、パートナーであればなおさら、愛する夫・妻と心を通わせたいと思う気持ちは強いでしょう。それが難しいときストレスを感じるのは、ある意味当然のことかもしれません。その結果、体調不良や抑うつ症状といった症状に陥ってしまうのです。

カサンドラ症候群になりやすい人は?

アスペルガー症候群は、比較的男性に起こりやすい障害です。そのためカサンドラ症候群が起こるのは、アスペルガー症候群の男性を夫やパートナーに持つ女性に多いといわれています。

しかし、夫婦やパートナー間のみにカサンドラ症候群が起こるのではなく、家族や友人、会社の同僚など、アスペルガー症候群がある人に関わる身近な人にも、カサンドラ症候群が起こる可能性があります

カサンドラ症候群の対処法はあるの?

カサンドラ症候群の症状であるうつ病の症状を緩和するために薬物療法が行われることがあります。しかし、カサンドラ症候群はコミュニケーションという対人関係から起こるものなので、薬物によって症状の緩和ができても、根本的な解決につながっているとは限りません。ここではカサンドラ症候群の対処法についてご紹介します。

お互いを理解しようとする

お互いが相手の立場を理解しあうことが大切です。たとえば、アスペルガー症候群の人が察することを求めすぎず、「夫(妻)は相手のことを察することが苦手」だということを理解したり、発達障害専門のプログラムや病院での受診などを通して、本人がアスペルガー症候群であることを理解して受け入れることなどがあります。発達障害専門のプログラムを行っている病院などもあります。

自助グループを活用する

カサンドラ症候群は、周囲に悩みを相談しても理解してもらえず、孤独感を感じてしまうものですが、同じような悩みや辛さを抱えた者同士が、お互いに支え合い、励まし合うことで、問題の解決や克服を図る活動があります。それを自助グループといいます。自助グループではセミナーやワークショップなどを行っており、個別相談を行っている自助グループもあります。

ネットで意見交換をする

また、同じ体験をしている人のブログなどから、アスペルガー症候群との向き合い方を理解しようとしている人もいます。ブログだけではなく自助グループのように、同じ悩みや辛さを抱え散る人たちがお互いに励ましあっている方たちもいます。

専門機関や病院へ相談する

アスペルガー症候群について理解していてもつらい場合も多いでしょう。体調が悪い、ストレスが強いときは、一人で抱え込まないことが大切です。心療内科や精神科といった医療機関、お近くの発達支援センターでも相談ができるので、まずは相談をしてみることをおすすめします。

距離を置いてみる

他にも、ある程度の距離を置くことで、症状が改善する人もいます。夫婦や家族の場合、別居という形をとるなどしてストレスのもととなる対人関係から離れることで、気を休めることだけではなく、冷静になったり状況を見つめ直したりすることができる場合もあります。

まとめ

カサンドラ症候群は、アスペルガー症候群がある人とのコミュニケーションにおいて、家族や友人などの身近な人に起こる二次障害だといわれています。また、アスペルガー症候群がある人との向き合い方で悩んでいたり、カサンドラ症候群の症状があらわれている人は増えてきています。

正式な診断名がないこともあり、自分とアスペルガー症候群がある人、二人の間の個人的な問題であると捉えられて理解が得られず、ひとりで悩みやつらさを抱え込む方も多いようです。もし、抱えている悩みやつらさがあったら、専門機関や自助グループを活用することをおすすめします。

カサンドラ症候群は、どちらか一方が悪い、どちらか一方が正しいというものではないため、自分や相手を責めたり背負いすぎず、お互いに理解しあうための一歩を踏み出してみましょう。
夫がアスペルガーと思ったときに妻が読む本
宮尾 益知 (著), 滝口 のぞみ (著)
河出書房新社
あの人はなぜ相手の気持ちがわからないのか―もしかしてアスペルガー症候群!? (PHP文庫)
加藤 進昌 (著)
PHP研究所
旦那(アキラ)さんはアスペルガー 奥(ツナ)さんはカサンドラ
野波 ツナ (著), 宮尾 益知 (監修)
コスミック出版
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