アスペルガーと診断されて10年。やっとわかった「医師選びの極意」

ライター:ゴトウサンパチ
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ボクは現在45歳の高校教師。36歳の夏にADHD傾向の強いアスペルガー症候群と診断されました。でも、現在なら自閉スペクトラム症と診断されるでしょう。世の中は日々変化しており、診断名も変わるのです。今回の記事では、診断されてから約10年の日々で見つけた、自分にぴったりの「医師の選び方」をお伝えします。

アスペルガーの診断から10年。たくさんの医師との出会いを経て

皆さんこんにちは、高校教師のゴトウサンパチです。

ボクが36歳でアスペルガーと診断されてから、もうすぐ10年。今日までの間に、たくさんの医師や研究者と出会ってきました。診断の後すぐに周囲にカミングアウトし、自分のより良い生き方を見つけるために、動き回ったからです。
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おかげさまで、今では講演や執筆の機会をいただくこともあり、発達障害に関する悩み相談に乗ることも増えてきました。

そこで気になるのは、相談してくる方の多くは「診ていただけるお医者さんがいなかった」と言ってボクを訪ねてくることです。

ボクは、どんな人でも、自分にぴったりの「同志」とも呼べるような医師と出会えると思っています。
その過程で、自分にぴったりの「お気に入りの診断」を見つけることが出来るのだとも。

今日は、そんなお話をします。
36歳でアスペルガーと診断されて。高校教師の僕が今想うことのタイトル画像

36歳でアスペルガーと診断されて。高校教師の僕が今想うこと

医師と出会うたびに新しい診断をつけられる?

まずは参考までに、ボクが今までどんな診断を受けてきたか、その紆余曲折をお話しましょう。

最初に書いた通り、36歳ではじめて発達障害診断を受けた際の主治医は、ボクをアスペルガー症候群だと診断しました。

ですが、別のある医師にかかってみると「君はADHD だ。」と言うのです。また別の医師はボクを「少なくともアスペルガーではないだろう。」と言い、他の医師は、「ADHDでなはく、ADDですよ。」などと言い出します。

不思議でしょう?医師がそれぞれ、ボクをあたかも違う人のように見るんです。

また、ボクは幼い頃から文を読むことが苦手な上に暗算も苦手だったので、これはもしかしてLDかもしれないと思った時期もありました。しかし、実際にLDの方やディスレクシアの方とお話しするうちに、「どうやらボクはLDではなさそうだ」ということが分かってきます。

「LDではないのに文が読みにくいのは、いったいどうしてなのか!」
疑問は強くなるばかり。

「自分はどんなことが、どんな状況だから苦手なのか」
そうやって自分自身をより詳しく分析し、自分に当てはまる症状や診断探しに没頭するようになりました。

その結果出会ったのは、光に対する感覚過敏を指す「アーレンシンドローム」という診断名でした。ボクはさっそくスクリーニングを申し込んで検査を受けました。そしてその場で自分に合うカラーレンズを見つけ、アメリカに発注していただき、ボク専用のレンズをゲットしたのです。おかげで今はずいぶんと読書の負担が軽減しました。

また他にも、小児神経科の医師には、「ハイリーセンシティブパーソン」だと診断されました。医師はボクのことを「よく気がつく人だ」と褒めてくださったのです。

またある人はボクに「君は地球を助けに来た宇宙人だ!そんな人をインディゴチルドレンというのです」と教えてくれました。

医師と会うたびに新しい診断をつけられる日々。なんだか笑い話みたいでしょう?

そうなんです。人によっていろんな見解があるため、診断は決して一つじゃないのです。

色々な診断名がつくのは、ボクを多面的に見ている証拠

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かかる医師によって診断名が変わるのは、医師のレベルが高い、低いということではありません。これは、ボクたち人間に無限の可能性が広がっているということなのです。

出会いのタイミングが違うわけですし、医学や科学の進歩が影響していることも確かですが、それ以前に、ボクをどの角度から見るか、医師がどんなことに興味を持っているかが、診断の相違を招くのです。

見方を変えれば、医師の診断、研究者の見立て、学校の先生の直観、家族や友達との関係性によって、ボクは「今までの自分」を抜け出して、違う自分にだってなれるということです。

診断は医師にしかできません。昔はその医師が少なかった。でも、今は違います。 医師を選ぶ時代になったのです。

医師を選ぶとは、診断名を選ぶ時代になったとも言えます。診断名を選ぶということは、自分の特性を自覚して生かすということです。それはまさに人生を楽しくするコツですよね。
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