癇癪を起こすのは母の前だけ?息子が「外では良い子」だった理由
ライター:林真紀
家で癇癪を起こし、切り替えがきかずにいつまでも怒り続ける息子。それなのに、私がいない場所では「手のかからない子」と言われていたりします。私の前での息子と、他の人の前での息子は全然違う!?これは実は、発達障害児の極端さからきていることでもあったのです。
息子が癇癪を起こすのは、私の前だけ?家と幼稚園では様子が違う…
発達障害のある子どもは、親からしてみると、育てづらい一面があります。
切り替えがうまくできなかったり、感情のコントロールが苦手だったり、激しい癇癪を起こしたり。
私の息子も、とても「育てづらい子」でした。特に、気持ちのコントロールができないときに炸裂する癇癪は、私にとって恐怖でしかありません。
ですが、1番困っていたのはそんな息子の特性を周りに説明しても信じてもらえないことでした。
自分の見ている息子の姿が周囲に理解されない…。
それもそのはず、息子は私がいない場所では、癇癪や感情的な爆発はなるべくコントロールして理性的に行動していたのです。
「家では癇癪を起して大変なんです」と私がいくら言っても、幼稚園の先生も習い事の先生も「そうなんですか~。お母さんはそうおっしゃいますけど、ここではとてもいい子なんですよ。お友達にも優しいし」と返してくるのです。
なぜ息子は、私の前でだけ「育てづらい子」になってしまうのか。
幼稚園や習い事では普通にできるのか、私は息子にとって自分は存在しなくてもいいのではないかという気持ちになりました。
切り替えがうまくできなかったり、感情のコントロールが苦手だったり、激しい癇癪を起こしたり。
私の息子も、とても「育てづらい子」でした。特に、気持ちのコントロールができないときに炸裂する癇癪は、私にとって恐怖でしかありません。
ですが、1番困っていたのはそんな息子の特性を周りに説明しても信じてもらえないことでした。
自分の見ている息子の姿が周囲に理解されない…。
それもそのはず、息子は私がいない場所では、癇癪や感情的な爆発はなるべくコントロールして理性的に行動していたのです。
「家では癇癪を起して大変なんです」と私がいくら言っても、幼稚園の先生も習い事の先生も「そうなんですか~。お母さんはそうおっしゃいますけど、ここではとてもいい子なんですよ。お友達にも優しいし」と返してくるのです。
なぜ息子は、私の前でだけ「育てづらい子」になってしまうのか。
幼稚園や習い事では普通にできるのか、私は息子にとって自分は存在しなくてもいいのではないかという気持ちになりました。
ある日、買い物に行った先で、その理由がわかった
そんなある日のことでした。
息子と一緒に買い物に出かけた先で、幼稚園のお友達にばったり会ったのです。私は、一緒にいたお母さんに挨拶して、少し立ち話をしていました。
そのときです。息子の顔色がだんだんと変わってきたのです。顔色の変化は、パニックに陥っている証拠でした。
息子は私の手をぐいぐいと引っ張り「お母さん、早く帰ろう。早く、早く、早く!」と言いました。
続けて「なんで?なんでお友達がここにいるんだよ。なんで?」と言いながら私の腕をひねり、その場から離れようとします。腕をひねる力が強く、あまりの痛さにびっくりしてしまいました。
息子がパニックになっている事自体はすぐにわかりました。でも理由が見つかりません。
その場を離れてから「さっき、お友達に何か嫌なことをされた?」と聞くと、あろう事か、息子自身から「お友達の前の僕は、お母さんの前の僕じゃないから」と、衝撃的な一言が返ってきたのです。
息子と一緒に買い物に出かけた先で、幼稚園のお友達にばったり会ったのです。私は、一緒にいたお母さんに挨拶して、少し立ち話をしていました。
そのときです。息子の顔色がだんだんと変わってきたのです。顔色の変化は、パニックに陥っている証拠でした。
息子は私の手をぐいぐいと引っ張り「お母さん、早く帰ろう。早く、早く、早く!」と言いました。
続けて「なんで?なんでお友達がここにいるんだよ。なんで?」と言いながら私の腕をひねり、その場から離れようとします。腕をひねる力が強く、あまりの痛さにびっくりしてしまいました。
息子がパニックになっている事自体はすぐにわかりました。でも理由が見つかりません。
その場を離れてから「さっき、お友達に何か嫌なことをされた?」と聞くと、あろう事か、息子自身から「お友達の前の僕は、お母さんの前の僕じゃないから」と、衝撃的な一言が返ってきたのです。
息子が自分で決めた「厳格な使い分け」が、息子自身を追い詰めていた
同じ発達障害児を持つ親御さんからは、「特に母親の前で特性が強く出る」というような話を聞くこともあります。
しかし、息子の場合は、甘えているとか、リラックスしているとか、そういったものではありませんでした。
「母親の前での自分」と「幼稚園での自分 」、「習い事での自分」などを厳格に使い分けているのです。
その結果、私と買い物中に幼稚園のお友達に会ってしまったり、幼稚園にいるときに突発的に私が来たり、使い分けていた自分が混ざってしまう状況になると、パニックに陥るのでした。
それは「その場の空気に自分を合わせてコミュニケーションをとる」というものではありません。
「Aさんに対するコミュニケーション」「Bさんに対するコミュニケーション」というように、接する人物ごと、コミュニケーションのパターンを使い分けているイメージです。
このように厳格な使い分けをしていると、様々な場面で融通が効かず、発達障害の特性である「予期せぬ状況に対してのパニック」が誘発されてしまうのです。
人間関係において、ある程度の態度の使い分けはもちろん大切です。
ですが、それ自体が将来息子を追いつめてしまうことのないよう、今から少しずつ「差」を埋めていくことも大切かもしれません。
そのためには、このような極端な態度の使い分けがどこからくるのか考えていくのが大切だと思っています。
発達障害のある子どもは、人間関係や相互やりとりを柔軟に捉えるのが苦手な場合がありますが、息子は「先生に叱られる」=「僕はダメな人間だ」というような極端な考え方をしています。
このような思い込みが、「先生の前ではこういう態度を取らなければならない」というような思考に繋がっているのだと考えています。
単純に「人間関係をどうやって円滑にするか」を考えるのではなく、「どんな思い込みがあるか、どうして躓いているのか」をじっくり観察するように心がけています。
息子の極端な思い込みや、自分で決めてしまったルールを少しずつ修正していくことで、人間関係は少しずつ楽になっていくのだと思っています。
しかし、息子の場合は、甘えているとか、リラックスしているとか、そういったものではありませんでした。
「母親の前での自分」と「幼稚園での自分 」、「習い事での自分」などを厳格に使い分けているのです。
その結果、私と買い物中に幼稚園のお友達に会ってしまったり、幼稚園にいるときに突発的に私が来たり、使い分けていた自分が混ざってしまう状況になると、パニックに陥るのでした。
それは「その場の空気に自分を合わせてコミュニケーションをとる」というものではありません。
「Aさんに対するコミュニケーション」「Bさんに対するコミュニケーション」というように、接する人物ごと、コミュニケーションのパターンを使い分けているイメージです。
このように厳格な使い分けをしていると、様々な場面で融通が効かず、発達障害の特性である「予期せぬ状況に対してのパニック」が誘発されてしまうのです。
人間関係において、ある程度の態度の使い分けはもちろん大切です。
ですが、それ自体が将来息子を追いつめてしまうことのないよう、今から少しずつ「差」を埋めていくことも大切かもしれません。
そのためには、このような極端な態度の使い分けがどこからくるのか考えていくのが大切だと思っています。
発達障害のある子どもは、人間関係や相互やりとりを柔軟に捉えるのが苦手な場合がありますが、息子は「先生に叱られる」=「僕はダメな人間だ」というような極端な考え方をしています。
このような思い込みが、「先生の前ではこういう態度を取らなければならない」というような思考に繋がっているのだと考えています。
単純に「人間関係をどうやって円滑にするか」を考えるのではなく、「どんな思い込みがあるか、どうして躓いているのか」をじっくり観察するように心がけています。
息子の極端な思い込みや、自分で決めてしまったルールを少しずつ修正していくことで、人間関係は少しずつ楽になっていくのだと思っています。
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