子どもの反抗挑戦性障害とは?単なる反抗期とは違うの?症状やADHDとの関係性、対応方法まとめ

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大人や周囲の人に反抗的な態度をとってしまう反抗挑戦性障害。ADHDの二次障害としてもよく知られています。子どもの反抗期とはどう違うのでしょうか?主な症状や診断基準、周囲の対応方法などを詳しく説明します。

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目次
  • 反抗挑戦性障害(ODD)とは?
  • 反抗挑戦性障害の主な症状
  • 反抗挑戦性障害と反抗期の違い
  • 反抗挑戦性障害を発症しやすい人
  • 反抗挑戦性障害の主な原因
  • 反抗挑戦性障害の診断基準
  • 反抗挑戦性障害の合併症
  • ADHDの二次障害としての反抗挑戦性障害
  • 反抗挑戦性障害が気になったときの相談先
  • 反抗挑戦性障害の治療法
  • 反抗性挑戦性障害がある子どもへの対応方法・接し方
  • まとめ

反抗挑戦性障害(ODD)とは?

反抗挑戦性障害(ODD)とは、別名「反抗挑戦症」とも呼ばれ、親や教師など目上の人に対して拒絶的・反抗的な態度をとり、口論をしかけるなどの挑戦的な行動を起こしてしまう疾患です。

症状の現れ方によって過興奮型、すね型、マイペース型に分類される場合があり、症状を発症する場面・相手が多いほど重度であると診断されます。

反抗挑戦性障害が発達期を通じて何年間も続く場合、両親、教師、監督者などの目上の人だけではなく、同年代の友人、恋人ともトラブルを起こしてしまい日常生活にさまざまな障害が発生します。

反抗挑戦性障害は捉え方によって特徴が異なる疾患です。とくにアメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神疾患の診断・統計マニュアル』第5版)と世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)(※)では診断基準などが違う場合があるので注意が必要です。

※ICD-10について:2019年5月、世界保健機関(WHO)の総会で、国際疾病分類の第11回改訂版(ICD-11)が承認されました。日本国内ではこれから、日本語訳や審議、周知などを経て数年以内に施行される見込みです。

反抗挑戦性障害の主な症状

反抗挑戦性障害の症状には、大きく分けて3つのパターンがあげられます。

怒りっぽくイライラする:
周囲からの刺激に過剰に敏感になり、すぐにイライラしてしまいます。そのためしばしばかんしゃくを起こしたり、怒ったりしてしまいます。

周囲に挑発的な行動をする、口論が好き:
大人が決めたルールや権威のある目上の人物に積極的に反抗したり、口論をふっかけたりします。そしてわざと周囲の人をイライラさせ、自分の失敗、または失礼な行動の原因を他人のせいにしてしまいます。

意地悪で執念深い:
周囲の人との間に起こった出来事を根に持ち続け、他人に対して優しくなれない状態が半年に少なくとも2回発生します。

反抗挑戦性障害と反抗期の違い

通常子どもの健康な育成に反抗期は必要なものとされています。反抗期には誰でも親に反抗的な態度をとったり、イライラしたりするものです。そのため反抗期と反抗挑戦性障害を見きわめることは難しい場合があります。見分けるためには反抗的な行動がどのくらい続いているのか、どのくらいの頻度で発症するのかを考えることが重要です。

例えば第1次反抗期にあたる5歳未満の子どもの場合、周囲の人に対して怒る、乱暴な言葉を用いて反抗する、かんしゃくを起こすなどの行為が1週間に1回、少なくとも半年間続くことが、見分ける条件となっています。

しかし反抗挑戦性障害か見分けるためには、これらの条件だけではなく発達水準、性別、文化の基準などさまざまな条件を考慮する必要があります。これらすべての条件をふまえた上で発症頻度・症状の重さが通常の反抗期を超えている場合は、反抗挑戦性障害と診断されます。判断が難しい場合は専門家に相談することをおすすめします。

反抗挑戦性障害を発症しやすい人

反抗挑戦性障害は通常就学前に発症し、青年期初期以降の発症はあまりみられないといわれています。 

発症率の男女比は思春期以前は1.4:1となっており、男児のほうが発症率が約1.4倍高いです。しかし思春期以降は性別による発症率の差はあまりみられなくなります。

2~5歳児を対象とした調査において、反抗挑戦性障害を発症している人の割合は、それ以外の疾患を発症している人の割合より格段に多く、16.8%という研究結果がでています。そのうちの半数は重い症状があると診断されました。

反抗挑戦性障害の主な原因

反抗挑戦性障害の要因として、育った環境が関わっている場合があるといわれています。理由として、目上の人からの指示などに対して拒否する拒絶症状がこの障害の中核となっていることが挙げられます。

拒絶症状は一日で現れるものではなく、反抗心がだんだんと積み重なって発症すると考えられています。症状の出方は、主に幼少期の環境に左右されやすいのです。

保護者や周囲の人と対立してしまったときに、大人が次はこうしようかという改善策を提示せず、子どもをただ批判、非難することによって抑圧してしまうことはとても危険です。これにより、子どもが自分を守るために挑戦的で反抗的な行動をしてしまう可能性が生まれるのです。

しかし育った環境は決定的な要因ではなく、気性が荒い、我慢が苦手といったもともとの気質や、遺伝的要因なども関わり合うともされているため、原因ははっきりと解明されていないのが現状です。

反抗挑戦性障害の診断基準

アメリカ精神医学会の『DSM-5』(『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)による診断基準は以下の通りです。

A. 怒りっぽく/易怒的な気分、口論好き/挑発的な行動、または執念深さなどの情緒・行動上の様式が少なくとも一人以上の人物とのやりとりにおいて示される。

怒りっぽく/易怒的な気分:
(1)しばしばかんしゃくをおこす
(2)しばしば神経過敏またはいらいらさせられやすい
(3)しばしば怒り、腹を立てる

口論好き/挑発的行動:
(4)しばしば権威のある人物や、または子供や青年の場合では大人と、口論する
(5)しばしば権威のある人の要求、または規則に従うことに積極的に反抗または拒否する
(6)しばしば故意に人をいらだたせる
(7)しばしば自分の失敗、または不作法を他人のせいにする

執念深さ:
(8)過去6ヶ月に少なくとも2回、意地悪で執念深かったことがある
注:正常範囲の行動を症状とみなされる行動と区別するためには、これらの行動の持続性と頻度が用いられるべきである。5歳未満の子どもでは、ほかに特に記載がない場合、その行動は1週間に1回、少なくとも6ヶ月間にわたって起こっていなければならない(基準A8)。このような頻度の基準は、症状を定義する最小限の頻度を示す指針となるが、一方、その他の要因、たとえばその人の発達水準、性別、文化の基準に照らして、行動が、その頻度と強度で範囲を超えているかどうかについても考慮すべきである。

B.その行動上の障害は、その人の身近な環境(例:家族、同世代集団、仕事仲間)で本人や他社の苦痛と関連しているか、または社会的、学業的、職業的、またはほかの重要な領域における機能に否定的な影響を与えている。

C.その行動上の障害は、精神病性障害、物質使用障害、抑うつ障害、または双極性障害の経過中のみ起こるものではない。同様に重篤気分調整相の基準は満たされない。

■ 現在の重症度は
軽度:症状は一つの状況に限局している(例:家庭、学校、仕事、友人関係)
中等度:いくつかの症状が少なくとも二つの状況でみられる
重度:いくつかの症状が三つ以上の状況でみられる

出典:https://www.amazon.co.jp/dp/4260019074/

『DSM-5』と『ICD-10』の違い

『DSM-5』では、反抗挑戦性障害と素行症を別の疾患として定義しています。

素行症とは、周囲の人に反発して、学校のずる休みや繰り返しの嘘をつくなどの挑発的な行動をとったり、激しい喧嘩をしたりすることに加えて、放火や盗み、物に対しての破壊行為などの法律違反に当たる行動をとるものを指します。

一方、世界保健機関(WHO)の『ICD-10』(『国際疾病分類』第10版)では、反抗挑戦性障害は素行症という疾患のなかに含まれて定義されます。ここでは、反抗挑戦性障害はおよそ9~10歳未満の子どもに発症する行為障害(素行症)のうち軽度のものであると位置づけられています。

反抗挑戦性障害の合併症

反抗挑戦性障害の合併症

■素行症
反抗挑戦性障害の代表的な合併症として素行症が挙げられますが、これは小児期発症型の子どもによくみられる症状です。

合併する主な原因は、自分より偉い人との間に挑戦的な感情をもってトラブルを起こしてしまうという、共通の症状があることといわれています。反抗挑戦性障害が重度になるにつれて素行症の症状も現れてきてしまうのです。

しかし素行症には人を殴るなどの攻撃的な行動や、物の破壊、または盗みや詐欺などの違反行為がみられるため、反抗挑戦性障害とはしっかり区別することが重要です。

■ADHD(注意欠陥・多動性障害)
もう一つの代表的な合併症としてADHD(注意欠陥・多動性障害)が挙げられます。

ADHDとは、不注意(集中力がない)、多動性(じっとしていられない)、衝動性(考えずに行動してしまう)の3つの症状がみられる発達障害の一つです。 年齢や発達に不釣り合いな行動が社会的な活動や学業に支障をきたすことがあります。
ADHD(注意欠如・多動性障害)の3つのタイプとは?のタイトル画像

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ADHD(注意欠如・多動性障害)の3つのタイプとは?

ADHDを発症している子どもの20~56%は二次障害として反抗挑戦性障害を発症するとされ、発症する確率は3歳の子どもが一番高いといわれています。

他にも、不安症群やうつ病との合併のリスクも高いといわれています。反抗挑戦性障害の怒りっぽい、気分の波が激しいなどの症状が、これらの疾患と重複する傾向にあるからです。
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