「中学には行かない」娘の決意を伝えると、学校から思いもよらぬ言葉が…

ライター:ヨーコ
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娘は小2から不登校でした。そんな娘が不登校のまま中学に進学するには中学校の理解は欠かせません。辛い思いもしましたが、何度も中学に足を運んでよかったと思っています。私の話し合いの体験と、その中でつかんだコツをご紹介します。

不登校の娘が中学へ進学。さて、何から準備すればいい?

アスペルガー症候群の診断が出ている娘は、小2から不登校です。6年生の夏休みが終わり、もうじき卒業を考えなくては…と思った私は、早めに中学校へ見学に行こうと考えました。

小学校の先生に「娘が小学生のうちに、中学を一緒に見学したい」と希望したところ、なぜかスクールカウンセラーと面談することになりました。9月になり、娘が通う予定の中学校に、まずは私だけで伺いました。ちなみにそこは私の母校でもあります。

スクールカウンセラーの方はとても話しやすい雰囲気で、不登校の経緯、肌の過敏性のために制服は着られないかもしれないこと、本人に通学の意思はないけれど「1日だけ行ってみたい」と言っていること、私もそれで了承していることを話しました。

娘が行く気になったときに、すぐ受け入れてもらえるよう、登校した場合の打ち合わせを、今度は保健教諭や生活指導の先生とすることに。

カウンセラーの方の話によると、空いた教室を使って別室登校している生徒がいること、その子たちは休み時間を外して登下校しているとのことでした。不登校の子たちの様子やスクールカウンセラー室の様子がわかり、なかなか有意義な訪問となりました。

いよいよ中学の校長先生と面談。これまでの経緯を伝えると、思いもよらぬ言葉が…!

その後、卒業式を目前に控えた2月に、私1人で中学校の校長と面談をすることになりました。
不登校の経緯、発達診断の結果、学校への要望をまとめた資料を持参して、以下のことを話しました。

●小学校3年のときに支援学校に転籍したけども、それが決定的な心の傷になって学校へ完全に行かなくなったこと
●勉強は全くしていないこと
●心が辛いと身体症状が出ること
●本人には通学する意思がなく、私もそれを認めていること

すると、校長先生からこんな言葉を投げつけられました。

「子どもはどんどん成長するからねぇ、刺激を与えないとこのままではだめだね。
お母ちゃん、1人で考えてない?市の教育サポートセンター行ってる?勉強はさせてないの?まったく?そりゃあかんわ~。

でもお母さん、学校に通わせる義務はあるんですよ。まぁ、子どもさんが無理なときはしょうがないですけどね。通信制っていいはるけど、そんな簡単に入れませんよ。

学校への希望に、勉強や学校の話はしないでくれって書いてますけど、これは無理ですなぁ。小学生じゃないんだから、ちゃんと刺激も与えないといけませんし。甘いことは言ってられませんよ。小学校じゃないんですからね。

本当は支援学級に入ってもらった方がいいんやけど。欠席連絡はね、担任と話し合ってください。担任が納得せんと、私らは何も言えませんから。」
そして、最後に感覚過敏があって着られる服に限りがあることを話すと、
それはお母ちゃん、甘やかしすぎやわ。週に1回くらいは靴下と靴履かせてどこか通わせなぁ」

こうして、校長先生のあまりにも一方的な言い方に、私はすっかり落ち込んでしまい、それから3日間寝込んでしまいました。
その後、すがる思いで普段相談に乗ってもらっている親の会へ、校長先生との話を相談しに行ったのです。

私が参加しているのは「登校拒否を克服する親の会」です。参加して4年ほどですが、ここには大阪府の組合に参加している教員、現役の先生なども参加し、親たちを支援してくれているのです。

娘のことをよく知る教育相談のA先生に、中学校での話をするととても驚き、「これはひどい。僕も同席してまた一緒に話しに行こう」と言ってくれました。

2度目の話し合い。すると、中学校側の態度に変化が

中学校の始業式の前日に、A先生についてきてもらい、中学校へ話し合いに行きました。
前回、校長先生と話したのがよかったらしく、学年主任をはじめ、学年の先生全員が出席する中での話し合いとなりました。

小学生のときから私が更新しながら作っている、「不登校の軌跡と娘の特性、学校へのお願い」という資料を回覧してもらいながら、資料の内容を口頭でも説明しました。

この資料には時系列で以下の内容を書いています。

【生育歴】
・家庭環境(幼少期〜現在まで)
・人生の大きな節目(離婚やいじめなど)、その時の娘の気持ちなど
・娘の学校との関わり(小1~現在まで)

【学校に把握しておいて欲しいこと、お願い】
・発達障害の診断が出ていること、神経症で通院していること
・欠席の連絡はしない(行くことがあれば連絡する)
・学校からの連絡は月2回程度にしてほしい
・子どもと会ったときには登校刺激をしないように
・役員の仕事はできない(親も障害があること、コミュニケーションが苦手で繊細であること)
この資料は、毎回説明するのが大変なので、娘が小学生の頃からずっと私が書き溜めていたものです。子どものことや家庭環境を1から説明し、理解してもらうことは、大変な労力が必要です。

先生方は、口をはさむこともなく、時々質問を挟みつつも黙って真剣に私たちの話を聴いてくれました。

校長先生と最初に話した時には、「単なる甘えでは?」という否定的な印象がありましたが、この資料と話し合いにより、少しだけ理解が深まっているようでした。

学校の方針としては、私の希望通り娘のペースで、娘が会いたいときに担任やスクールカウンセラーなどに会ってみる、登校刺激、勉強刺激はしないということで、小学校と同じようなペースで過ごせそうでひと安心しました。

A先生は、私が学校への希望を言い忘れていることを指摘したり、先生方に「お母さんとの間に誰か立つ必要があれば私がやりますし、みんなでこの子のことを考えていきたい」と言ってくれました。

A先生のおかげで、落ち着いて話すことができて、本当によかったです。
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