たった一つの「答え」を決める前に~発達障害児への投薬派と自然療法派の分断に寄せて

ライター:イシゲスズコ
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子どもが学校や家で困難に直面している。診断を受けたら投薬を勧められた。お医者さんは説明してくれたけど、でもちょっと抵抗がある…そんな風に悩む保護者は少なくないと思います。子どもへの投薬についてはネット上に色々な声もあり、情報を集めるほどますます不安になる日々。私もその一人でした。今回は、そんな不安のただ中にいた私に、友人と医師がかけてくれた言葉を紹介します。

次男の抱えていた困難と、勧められた投薬

次男がADHDと診断を受けたのは小学校3年生のころでした。

年度が替わった頃から教室での離席や他害が目立つようになり、色々と調べたりあちこちに相談したりしている中で「発達障害では」という可能性が浮上しての診療予約、発達検査と医師による診断でした。

診断結果を聴きに行った場で医師が提示した色々な対応策の中のひとつが、治療薬の投与でした。

我が子への投薬、「大丈夫なのかな…」という不安

子どもに対する精神薬の投与、という難題を前に、不安や怖さが募りました。

「もしやってみて、なにか息子に重大な問題が起こったらどうしよう…」

ネットで色々と情報を探してみましたが、子供への投薬を強く否定するものがどんどん目に入ります。
ホメオパシーやサプリメントなど、投薬以外の選択肢を勧めるものもたくさん。

情報が多すぎて混乱して悩んでいたときに、相談に乗ってくれた友人がかけてくれた言葉がありました。

「納得いくまで、聞けばいいんだよ」

友人はこう言いました。

「不安なら、飲ませるにせよやめるにせよ、とにかく納得がいくまで医者にちゃんと話を聞いてごらん。聞ける医者に出会うまで病院を替えてもいいんじゃない」

ハッとしました。

素人の私が、つたない知識や偏った情報だけで一人で全部決めるなんてそもそも無理だったんだ。それをやろうとしてたから混乱していたんだなぁと。

次の診察のときに、医師とゆっくり話す時間を取ってもらいました。

ネットで調べたことや本で読んだことをベースに、不安に思う部分やわからないことを聞き、最後に一番知りたかったことを尋ねました。

「先生、もし飲ませてみて子供や私が『いやだ』と感じたらやめてもいいんですか?」
次ページ「お薬はいつでも止められる、支援の方法は何度でも変えられる」

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