発達障害の子どもが通常学級に進級する場合、先生やママ友に伝えておくべきことは?
ライター:立石美津子
知的発達に遅れがない発達障害の子どもの場合、通常学級への在籍を選ぶご家庭も少なくないでしょう。近年では通級による取り出し指導も充実してきていますし、障害者差別解消法の施行により、合理的配慮も求めやすくなりました。ですが、通常学級はやはり大人数の集団指導であること、担任の先生も発達障害支援の専門家ではないことを前提に、保護者の側からも情報発信することが重要です
一斉指導の通常学級、発達障害への配慮は期待できるの?
こんにちは。『子どもも親も幸せになる 発達障害の子の育て方』著者の立石美津子です。
知的発達に遅れはないけれど学習や行動面で困難があり、発達障害の可能性のある子どもたちは、日本の小中学校でおよそ6.5%いると言われています。
とはいえ、現行の制度では、毎日朝から夕方まで発達障害児童だけが通う専用のクラスや学校は存在しません。新しく小学校に進学する発達障害児童の進路は、「通常学級」「特別支援学級」「特別支援学校」の3つの選択肢から選ぶことになります。
また、通常学級に籍を置きながら、月に数日、数時間、課題に合った支援・指導を受けられる「通級」という制度を利用することもできます(東京都では、「特別支援教室」という形での巡回指導体制の整備も徐々に進んでいます)。
障害者差別解消法も施行され、障害のある子どもが学びやすくなるための、合理的配慮を求めやすくなっています。
こうした状況から、知的発達に遅れがない発達障害の子どもの場合、通常学級への在籍を選ぶご家庭も少なくないでしょう。
ですが、通常学級は定型発達児が90%以上いるなかでの一斉指導であるという、大前提の現実を忘れないでほしいのです。
一斉指導のなかで、あまりにも細かい配慮を担任に求めるのには限界がありますし、先生としても何をどうして良いか分からないと困っているかもしれません。
ですから、「通常学級に入ることができた。やったー」と安心するのではなく、限られた環境のなかで、最大限の配慮をしてもらえるように、親の側からも働きかけを工夫することが大切です。
知的発達に遅れはないけれど学習や行動面で困難があり、発達障害の可能性のある子どもたちは、日本の小中学校でおよそ6.5%いると言われています。
とはいえ、現行の制度では、毎日朝から夕方まで発達障害児童だけが通う専用のクラスや学校は存在しません。新しく小学校に進学する発達障害児童の進路は、「通常学級」「特別支援学級」「特別支援学校」の3つの選択肢から選ぶことになります。
また、通常学級に籍を置きながら、月に数日、数時間、課題に合った支援・指導を受けられる「通級」という制度を利用することもできます(東京都では、「特別支援教室」という形での巡回指導体制の整備も徐々に進んでいます)。
障害者差別解消法も施行され、障害のある子どもが学びやすくなるための、合理的配慮を求めやすくなっています。
こうした状況から、知的発達に遅れがない発達障害の子どもの場合、通常学級への在籍を選ぶご家庭も少なくないでしょう。
ですが、通常学級は定型発達児が90%以上いるなかでの一斉指導であるという、大前提の現実を忘れないでほしいのです。
一斉指導のなかで、あまりにも細かい配慮を担任に求めるのには限界がありますし、先生としても何をどうして良いか分からないと困っているかもしれません。
ですから、「通常学級に入ることができた。やったー」と安心するのではなく、限られた環境のなかで、最大限の配慮をしてもらえるように、親の側からも働きかけを工夫することが大切です。
担任の先生にドーンと専門書籍を渡すのは、NGです!
発達障害のある子どもの保護者の方は、とても勉強熱心な方も多いです。知識をつけたあまりに、担任の先生にも「発達障害とは何か?」を解説した分厚い専門書籍をドーンと手渡して、「先生もこれぐらいは理解してください!」と要求するような保護者を見たことがあります。
ですが、たくさんの生徒を抱えていて、ただでさえ多忙な先生にそこまでプレッシャーをかけるのは、ちょっと酷だと思います。
また、「教員だから発達障害の知識は当然あるだろう」といった思い込みや、「うちの子どもは障害があるのだから、要求を聞いてもらって当然だ」といった強い態度での要求や主張も、控えた方が良いでしょう。
学校の先生は、障害名程度は知っていても、その分野への専門的な知識があるとは限りません。何より、出会ったばかりのあなたの子どもの取り扱いについては無知なのです。
生まれたときから365日24時間、子どもを育ててきたのはお母さんなのですから、どんな立派な精神科医や大学教授が書いた文献よりも、あなたが一番、子どものことを知っている専門家なのです。
発達障害のわが子がクラスに在籍していても、担任の先生が少しでもうまくクラス運営をできるよう、具体的に何をどうすれば良いか、提案する姿勢でいくと良いでしょう。
そこでオススメするのが、わが子の特徴を説明する、専用の“カルテ”のようなものを作り、担任に細かく伝えていくことです。
ですが、たくさんの生徒を抱えていて、ただでさえ多忙な先生にそこまでプレッシャーをかけるのは、ちょっと酷だと思います。
また、「教員だから発達障害の知識は当然あるだろう」といった思い込みや、「うちの子どもは障害があるのだから、要求を聞いてもらって当然だ」といった強い態度での要求や主張も、控えた方が良いでしょう。
学校の先生は、障害名程度は知っていても、その分野への専門的な知識があるとは限りません。何より、出会ったばかりのあなたの子どもの取り扱いについては無知なのです。
生まれたときから365日24時間、子どもを育ててきたのはお母さんなのですから、どんな立派な精神科医や大学教授が書いた文献よりも、あなたが一番、子どものことを知っている専門家なのです。
発達障害のわが子がクラスに在籍していても、担任の先生が少しでもうまくクラス運営をできるよう、具体的に何をどうすれば良いか、提案する姿勢でいくと良いでしょう。
そこでオススメするのが、わが子の特徴を説明する、専用の“カルテ”のようなものを作り、担任に細かく伝えていくことです。
担任に伝えると良い、わが子の情報は?
一日のうち長時間をわが子と一緒に過ごす担任が、見通しを持って子どもの困りごとに対応できるよう、例えば、カルテには以下のような情報をまとめると良いでしょう。
・成育歴
・「特別な配慮が必要な子」として保育園、幼稚園担任からの細かい申し送り
・主治医や療育施設からのアドバイスの共有
・発達検査・心理検査の結果
・子ども本人がどんなことが苦手で、どんなことが得意か
・子どもが理解しやすい指示の伝え方
・パニックを起こしたときの対処法
・絶対に避けてほしいこと(*急に音楽を鳴らすのではなく事前予告し、小さな音から徐々になど)
・どのようなタイプの友達が苦手なのか、どんなタイプの子と馬が合うか
自分で一から作るのが難しい人は、株式会社LITALICOが無料配布している、子どもの特性を伝える「サポートブック」や合理的配慮の相談に使う「合理的配慮ハンドブック」も活用してみてください。
・成育歴
・「特別な配慮が必要な子」として保育園、幼稚園担任からの細かい申し送り
・主治医や療育施設からのアドバイスの共有
・発達検査・心理検査の結果
・子ども本人がどんなことが苦手で、どんなことが得意か
・子どもが理解しやすい指示の伝え方
・パニックを起こしたときの対処法
・絶対に避けてほしいこと(*急に音楽を鳴らすのではなく事前予告し、小さな音から徐々になど)
・どのようなタイプの友達が苦手なのか、どんなタイプの子と馬が合うか
自分で一から作るのが難しい人は、株式会社LITALICOが無料配布している、子どもの特性を伝える「サポートブック」や合理的配慮の相談に使う「合理的配慮ハンドブック」も活用してみてください。