保護者会やクラスメートに伝えるべきことは?

発達障害の子どもが通常学級に進級する場合、先生やママ友に伝えておくべきことは?の画像
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学校の担任の理解が得られても、周囲のママ友や学校のクラスメートに我が子の特性を理解してもらえなければ、要らぬ誤解や偏見を持たれて、親子ともに窮屈な思いをしてしまいます。

では、他の保護者やクラスメートにはどのように伝えればよいのでしょうか。

保護者会等の集まりで、他の子の保護者に障害特性を伝える

発達障害のある子どもは、パッと見ただけでは障害のない健常児と見分けがつきません。

だから、子どもの問題行動を見て、「あの子は家庭での躾ができていない子」、「性格の良くない子」といったクレームを受ける可能性もあります。

発達障害に対する社会の認知度はずいぶん上がってきましたが、未だに「自閉症は愛情不足な親の育て方が原因でしょ?」、「鬱病と同じような病気だから、治るんでしょ?」と誤解している人もいます。

「先天的な脳機能の障害で本人の努力不足でもなく、個性の問題でもない」こと、「家庭でもこんな工夫をしているが、どうしてもトラブルが起こることもあるので、その時は理解してもらいたい」ことなどを、保護者会等、みんなが集まっている場で伝える機会を設けてもらうと良いでしょう。

みんなが嫌がるPTA役員を進んで買ってでるのも、ひとつの手です。確かにPTAの仕事は大変なこともありますから、「なんで私が…」と思われる方もおられるかもしれません。

でも、進んで行動することで、ママ友たちに感謝されたり、保護者同士の交流も深まりやすくなりますから、何かあったときに相談しやすくなるというメリットがあります。また、わざわざ「相談事」としてアポをとらなくても、自然と学校に出向く機会が多くなるので、学校の担任ともコミュニケーションがとりやすくなります。

子どもに理解しやすい言葉で、クラスメートにも説明する

わが子と同じ年齢の子ども達にはどう話をすれば良いでしょうか。大人に対して説明するように、難しい障害名そのものを伝えても、低学年の子どもには理解ができません。

たとえば、「みんなの中には、足の速い子も遅い子もいるし、背の高い子も低い子もいるよね。○○君は、じっとしていることがちょっと苦手だけれど、動き回ることが得意なんだよ」など、平易な言葉でわが子の特性を担任から周りの児童に伝えてもらえるようにお願いし、特別な配慮を受けることは必要で当たり前なのだということを、みんなが理解しやすい形で知らせてもらう工夫が重要です。

ただし、それ以前に本人に対して、クラスメートに話すことや配慮を受けることに対して、説明する必要があります。子ども本人の年齢や、自分が「周りと違う」ことや、個別の配慮を受けていることに対する自己認識があるかどうかによっても伝え方は変わってきますが、本人が望まない配慮を無理やりすることのないよう、きちんと本人とコミュニケーションをとりましょう。

ご家庭からの発信・提案で、子どもに過ごしやすい環境づくりを一緒に進める

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発達障害のある子どもとその保護者にとって、就学先選びと、その先でどのような配慮を受けられるかは重要な問題です。

特別支援学級、特別支援学校に行けば、学業という枠にとらわれず、生きていく上で必要な力をつけるための個別的で専門的な支援を受けやすいメリットがあります。

一方、障害のない子どもも含めた多様な子どもの集団の中で学んでいける環境は、通常学級ならではのメリットともいえるでしょう。

けれども、大人数の通常学級だからこそ、子どもの特性や障害に合わせた個別の支援はどうしても手薄になりがちです。

そこで、発達障害のある子どもが通常学級に籍を置く場合は、なんでも学校任せにするのではなく、保護者が学校としっかり提携して、互いに協力しながら子どもを育てていく意識を持つことが大切だと思います。

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