スタッフの誤解を解きたかった私は、困りごとを説明することに
上司との面談の数日後、上司抜きでスタッフとミーティングをする機会がありました。
メンバーはいつも一緒に仕事している派遣社員たちです。その場で私は、普段から気になっていたことを聞いてみることにしました。
私「私が質問しようとすると『何言ってるのかわからない』とBさんは仰いますが、どうしてなんですか?」
Bさん「普通、自分で十分調べてからここがわからないと聞いてくるのに、あなたはそれもせず、やたら焦って聞いてくるから、何を聞きたいのかこちらもわからない」
私「私にはちょっと人と違った特性があって、まず騒がしい環境で呼ばれても聴き取ることができません。それから、言葉で次々と説明されると理解が追い付かなくてパニックを起こしてしまうことがあります。あと空気が読めません。いろいろと失礼なことをしてしまうかもしれませんが、申し訳ありません。」
このとき、「アスペルガーだ」とは言えませんでした。引かれるのが、偏見を持たれるのが、変に遠慮されるのが怖かったからです。
Bさん「そんなこと言われても困る。まるで私がいじめているみたいじゃない」
私は、「違うんです」とどれだけ説明しても、その後話を聞いてもらえませんでした。
次の日から職場の空気が明らかに変わりました。ものすごく冷たいのです。
後に聞いたことですが、みんなは「ヨーコさんはみんなの前でBさんに失礼な態度を取った」と思っていたそうです。
そして、私の説明を「そんな私だから優しくして下さい」と訴えてきたと受け止めたようでした。
メンバーはいつも一緒に仕事している派遣社員たちです。その場で私は、普段から気になっていたことを聞いてみることにしました。
私「私が質問しようとすると『何言ってるのかわからない』とBさんは仰いますが、どうしてなんですか?」
Bさん「普通、自分で十分調べてからここがわからないと聞いてくるのに、あなたはそれもせず、やたら焦って聞いてくるから、何を聞きたいのかこちらもわからない」
私「私にはちょっと人と違った特性があって、まず騒がしい環境で呼ばれても聴き取ることができません。それから、言葉で次々と説明されると理解が追い付かなくてパニックを起こしてしまうことがあります。あと空気が読めません。いろいろと失礼なことをしてしまうかもしれませんが、申し訳ありません。」
このとき、「アスペルガーだ」とは言えませんでした。引かれるのが、偏見を持たれるのが、変に遠慮されるのが怖かったからです。
Bさん「そんなこと言われても困る。まるで私がいじめているみたいじゃない」
私は、「違うんです」とどれだけ説明しても、その後話を聞いてもらえませんでした。
次の日から職場の空気が明らかに変わりました。ものすごく冷たいのです。
後に聞いたことですが、みんなは「ヨーコさんはみんなの前でBさんに失礼な態度を取った」と思っていたそうです。
そして、私の説明を「そんな私だから優しくして下さい」と訴えてきたと受け止めたようでした。
もうこれ以上隠すことはできない…上司の勧めで障害を伝えることに
そのミーティングからしばらく経ったある日、上司から声をかけられました。
「スタッフが『ヨーコさんが何度も同じことを質問してくるから困っている』『ヨーコさんが目を合わせてくれなくなった』と訴えてきたよ」
このときの私は、すっかり職場の人と接するのが怖くなり、最低限しかコミュニケーションをとらなくなっていたのです。
明らかに私の雰囲気が変わったことに気付いた上司は「あのミーティングで何があった?」と聞いてきました。
ミーティングでの出来事をそのまま伝えたところ、上司は「それは中途半端なカミングアウトでタイミングも悪かったね。もう、ちゃんとカミングアウトしないとやっていけないと思う。」と言いました。
そこで、アスペルガー症候群についての基本的な説明と、医者から言われていた私の特性をプリントにまとめ、上司からみんなに説明してもらうことになったのです。
「スタッフが『ヨーコさんが何度も同じことを質問してくるから困っている』『ヨーコさんが目を合わせてくれなくなった』と訴えてきたよ」
このときの私は、すっかり職場の人と接するのが怖くなり、最低限しかコミュニケーションをとらなくなっていたのです。
明らかに私の雰囲気が変わったことに気付いた上司は「あのミーティングで何があった?」と聞いてきました。
ミーティングでの出来事をそのまま伝えたところ、上司は「それは中途半端なカミングアウトでタイミングも悪かったね。もう、ちゃんとカミングアウトしないとやっていけないと思う。」と言いました。
そこで、アスペルガー症候群についての基本的な説明と、医者から言われていた私の特性をプリントにまとめ、上司からみんなに説明してもらうことになったのです。
説明を受けた一部のスタッフは、私に妙に優しくなりました。一方でこれまでの態度と一切変わらない人や、「いろいろな個性があっていいじゃない。言ってくれてよかったと思うよ」といいながら、これまでよりも距離が遠のいたスタッフもいました。
スタッフから言われた言葉の中で「ああ、わかってもらえないんだな…」と思った一言があります。
「子どもの頃は学校でやってこれたんでしょ。個性の問題よ。みんな一緒。」
どれだけ説明しても、「頑張っているのにできない」「努力ではカバーしきれない問題」だと、理解してもらうことは難しいな…と思った瞬間でした。
また、「私がいじめているみたいじゃない」と言っていたBさんは、私の障害について「そんなこと言われても理解できない」と繰り返していたそうで、その後挨拶もしてくれなくなりました。
それからしばらくして、出社拒否症のような状態になり限界を迎えた私は、会社を去りました。
スタッフから言われた言葉の中で「ああ、わかってもらえないんだな…」と思った一言があります。
「子どもの頃は学校でやってこれたんでしょ。個性の問題よ。みんな一緒。」
どれだけ説明しても、「頑張っているのにできない」「努力ではカバーしきれない問題」だと、理解してもらうことは難しいな…と思った瞬間でした。
また、「私がいじめているみたいじゃない」と言っていたBさんは、私の障害について「そんなこと言われても理解できない」と繰り返していたそうで、その後挨拶もしてくれなくなりました。
それからしばらくして、出社拒否症のような状態になり限界を迎えた私は、会社を去りました。
どうか私と同じ失敗をしないでほしい。カミングアウトするときに気を付けたいこと
この会社を辞めてから、障害者相談機関でこのときの話をしました。
すると、「カミングアウトはとても難しいんです。最初からジョブコーチや支援者に入ってもらって、その人から話してもらうことをお勧めします。」と言われました。
今回のケースでは、私も最初は隠し通す気だったし、カミングアウトも場当たり的で失敗しても無理はなかったと思います。
障害者職業センターでは、自分の特性をまとめ、「知っておいてほしいこと」「それについて会社に配慮してほしいこと」「自分ではどう努力するか」を表にする作業を一緒にしてもらいました。
言いっぱなしでは誤解を招くだけになりかねません。
しっかり準備して「会社や周りはどうすればいいのか」「自分でも努力すること」などを明示し、十分に計画を練ってカミングアウトすることをお勧めします。
すると、「カミングアウトはとても難しいんです。最初からジョブコーチや支援者に入ってもらって、その人から話してもらうことをお勧めします。」と言われました。
今回のケースでは、私も最初は隠し通す気だったし、カミングアウトも場当たり的で失敗しても無理はなかったと思います。
障害者職業センターでは、自分の特性をまとめ、「知っておいてほしいこと」「それについて会社に配慮してほしいこと」「自分ではどう努力するか」を表にする作業を一緒にしてもらいました。
言いっぱなしでは誤解を招くだけになりかねません。
しっかり準備して「会社や周りはどうすればいいのか」「自分でも努力すること」などを明示し、十分に計画を練ってカミングアウトすることをお勧めします。
アスペルガーで母親。45歳になり障害者雇用で働くと決めたとき、娘に教わったこと
ご存知でしたか?「障害者職業センター」で受けられる職業訓練とは
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